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令和六年猛勇狼士考 その2 第4節から第6節までの振り返り

 前半戦を6戦全勝の2位で折り返したブレイブルーパスですが、今回は後半戦10戦に向けて第4節から第6節までを振り返ってみたいと思います。


2023-24シーズン第6節までの戦績

 2024年2月18日現在、リーグ戦16試合中第6節までを消化し、勝ち点27で2位につけています。決勝プレーオフの進出条件となる4位以上に向けて第6節消化時点では勝ち点20点が目安になります。そのため目安+7点かつ5位静岡ブルーレヴズとは勝ち点差11がついています(第6節消化時点)。
 引き続き目の前の試合に一つずつ勝っていくことを達成していけばプレーオフ進出がかなり近づいてきます。

 後半戦10試合の中で特に重要になる試合が次戦第7節横浜イーグルス戦、第9節ワイルドナイツといったシーズン中盤の昨季上位陣との直接対決だと考えています。その後カンファレンスAに戻った時の試合も重要ですが、この2試合での結果が終盤の戦い方にも影響すると思われるので、まずはこの2試合に勝ち切りたいですね。今回はその重要な2試合に向けて記していきたいと思います。

第4節 クボタスピアーズ戦(2024/1/7)@等々力陸上競技場

 第4節昨シーズン王者のクボタスピアーズ戦を振り返ります。結果はブレイブルーパスが24-20で勝利しました。BP獲得は出来ませんでしたが、久しぶりにスピアーズに勝つことが出来ました。

 この試合は序盤からリアム・ウィリアムズ選手を中心としたスピアーズのキック戦術に押し込まれて自陣で戦う時間が長い試合となりましたが、接点やセットピースでは安定して互角以上に戦えており、ペースを掴めたブレイブルーパスがこぼれ球などにうまく反応して2トライ、また前半29分にはスクラムからのサインプレーでトライを取り、最後は4分以上ボールをキープして4点差で逃げ切りました。
 サインプレーからのトライは第2,3節ではあまり使用されていなかったので、ここぞというタイミングで発動し見事にハマったと思います。また最終盤の逃げ切りではリーグワン屈指のフィジカルを誇るスピアーズ相手に最も辛い時間帯でもインテンシティを保つことが出来ました。最後の5分間はまさにテストマッチやノックアウトラウンドさながらの戦いだったと思います。

第5節 三重ホンダヒート戦(2024/1/14)@秩父宮ラグビー場

 昇格組のヒートをホームに迎えた試合はブレイブルーパスが40-12で勝利し、BPを含む勝ち点5を獲得しました。

 勝ち点5を獲得できたとはいえ、ヒートの戦いは見事でブレイブルーパスはかなり苦しめられたと思います。まず接点で互角以上に当たられてしまい思ったようにゲインできず、クロウリーHCらしい大きく展開するヒートのラグビーにも時折差し込まれる場面がありました。ブレイブルーパスとしてはボールのリサイクルを早くしてスペースへ素早く展開したかったと思いますが、これをヒートがうまく止めていたと思います。
 一方で敵陣深くまで侵入できた時には豊富なATオプションを駆使して次から次に前に出てトライを取れていました。ヒートのDFが整う前に連続攻撃できたことで複数回トライすることが出来たと思います。この辺りは地力の差が出たような印象です。
 またこの試合はこれまで出場機会がなかった選手を起用したり、これまでと違うポジションで起用する場面がありました。プレータイムが長い選手をリフレッシュさせつつ新たな選手も起用して勝てたことは後半に向けて非常に大きいと思います。

第6節 トヨタヴェルブリッツ戦(2024/1/27)@豊田スタジアム

 交流戦初戦となった敵地でのヴェルブリッツ戦は試合はブレイブルーパスが28-12で勝利しました。

 この試合は両チーム負傷者が出てプラン通りの試合とはならなかったと思いますが、ここまでの5試合までに積み重ねてきた基本的なことをしっかり遂行できていたことで大崩れせず、またモウンガ選手の見事なランにより大きくゲインして得点を重ねることが出来ました。こちらの素早い攻撃にヴェルブリッツ側が対応できない場面があり、相手選手にイエローカードが出たことも有利に働いたと思います。上位を争うヴェルブリッツに勝てたことでまた一つプレーオフ進出に近づきました。

第6節までのスタッツの振り返り

 続いて前回同様、チームスタッツから戦いを振り返りたいと思います。
昨年度スタッツで他チームを上回った項目はボールキャリー・オフロードパス・ゲインメーターになります(再掲)

そして今季スタッツはこちら↓

前回同様、これらを1試合平均に直して比較すると以下に内容になります
・ボールキャリー回数:昨季122.4回 今季129.7回(↑)
・オフロードパス回数:昨季14.6回  今季9.3回(↓)
・ゲインメーター  :昨季868.9m 今季506.7m(↓)
 ※数値を昨季16試合、今季6試合で平均化しています

 第3節までの平均値からボールキャリー回数は増加オフロードパスとゲインメーターは減少しています。各項目の増減傾向は変わりませんが、より明確に昨季との違いが浮き彫りになってきていると言えます。
 またラインブレイクは12チーム中8位の33回ですが、ディフェンス突破は4位の181回となっています。

 以上のスタッツの傾向から考えると昨季に比べて
・フィールドプレーでは、昨季より多くボールキャリーし、綺麗に相手DFを崩すだけでなく接点で競り勝つことが出来ている。空いているスペースに展開するだけでなく、相手が人数かけて守っているところで前に出ることが出来ている(推測)
キックによる陣地獲得がより鮮明になっている。そのためフィールドプレーでの消耗を一定程度抑えられている(推測)

 ちなみに首位ワイルドナイツは全てのスタッツで1位か2位です。恐るべし。
 公開されていないスタッツが数多くあるので、以上の数値だけで語れるものではないですが、今季の戦い方を象徴するようなスタッツが現れてきていると思います。

中盤戦のビッグマッチに向けて

 最後に今後の戦いに向けて記します。

対 横浜イーグルス

 横浜イーグルスは現在デ・クラーク選手とクリエル選手といった主力選手を負傷で欠いていますが、先日のクロスボーダーラグビーのSRブルーズ戦でもダイナミックなアタックを展開し、ワールドクラスのチームを相手にとても良い戦いをしていました。
 今季は特に両ウイングのタカヤワ選手、ブルア選手が強力でATの中核を担っています。次節もイーグルスのテンポで展開されるとそれだけ失点するリスクが高く、そのため守備では、イーグルスのテンポをスローダウンさせたり混乱させるような高いプレッシャーが必要になると考えています。
 攻守ともにまずは接点で優位に立つことが重要になりそうです。

対 埼玉ワイルドナイツ

 埼玉ワイルドナイツは、現在7戦全勝でクロスボーダーラグビーのSRチーフス戦も勝利、まさに現時点で最強のチームだと言って良いと思います。そうはいっても優勝を目指す以上はいずれは勝利しないといけない相手です。
 今季の戦いの中でワイルドナイツが崩れたシーンは少ないのですが、第4節トヨタヴェルブリッツの前半はヴェルブリッツが準備してきたプランがうまくハマっていました。
 具体的にはアーロン・スミス選手やボーデン・バレット選手といった世界的名手を中心に①キックで主導権を握ってワイルドナイツを崩せたこと、
そして②AT時にラックサイドのスペースをピックなどで縦に速攻
ゲインしたら素早く球出しして強いランナー(主にデュトイ選手)をスピードを持って進入させてさらにゲイン
2回のゲインでワイルドナイツDFが中央に寄ったところで、エッジにいるウイングに繋いで空いているスペースに攻め込む、というプランが成功しました。
 これによりヴェルブリッツは19点リードで前半を折り返しました。しかし後半はワイルドナイツが選手交代でハイボールキャッチに優れている野口選手を投入して制空権を取り戻し(前述①に対応)、また接点の強度を高めることによってヴェルブリッツの進入を固く防御し自分たちも攻撃に転じました(前述②に対応)。そして徐々にペースを取り戻していき逆転勝ちしました。
 ワイルドナイツの的確な分析と修正力、そしてそれを実現する選手層は本当に素晴らしいです👏

 そんなワイルドナイツとの戦いですが、こちらもイーグルス戦同様、接点で負けないことが重要だと思います。また縦に素早い連撃はヴェルブリッツだけでなく、SRチーフス戦でも苦戦していたので、ブレイブルーパスもフィジカルの強いフリゼル選手やリーチ選手らがピックで持ち出してぶつかっていく戦い方は有効かもしれません。オプションのパターンは数があれば良いわけではないと思いますが、複数のオプションで自分たちが得意とする戦い方を磨いて決戦に臨んで欲しいです🔥
 キックについてはヴェルブリッツのように優位に立ちたいところであり、モウンガ選手らに期待がかかりますが、ワイルドナイツも対モウンガの戦い方を準備してくる気がします。キッカー対決も楽しみですね。

個人的注目ポイント:スペーシングと連携

 イーグルス戦、ワイルドナイツ戦共に接点で優位に立ちたいと書きました。それぞれ、それが目的とするところも記載しましたが、接点で勝つことに加えて自分が重要だと思っている要素が選手間の距離=スペーシングです。選手間の連携にとっても重要な要素でありAT・DF両面で適切なスペーシングを保ちながら戦いたいです。
 これまで6戦全勝のブレイブルーパスですが、時折ボールキャリアーが孤立してサポートが遅れてターンオーバーを許すことがあったり、ATでもパス連携がズレてボールをロストしたりモメンタムを失うことが時折ありました。もちろん常時100%完璧なプレーをすることは出来ないのだと思いますが、自分たちで修正できる点はやはり修正していくことが強豪との試合やプレーオフで勝ち切るために必要だと思います。
 これまでの戦いで6戦全勝できているので決してスペーシングが悪いということではないのですが、ここからはこれまで以上にスペーシングを適切に保ち、選手間の連携をさらに良くしていって欲しいと思います。

 次節イーグルス戦もチームや選手たちの準備を信じて、現地では精一杯応援したいと思います🔥🐺
 次回は交流戦明けくらいにまた更新したいと思います。今回もお読みいただきどうもありがとうございました。

 

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