8050問題。独身中年実家暮らしが爆増中。貴方は大丈夫ですか?
アラフォーバツイチのさくらです。
病院に入院するのは圧倒的に高齢者が多いわけだが、
今から約20年前。
私が研修医の頃って、高齢者の入院時サマリーの家族構成に、独身の息子・娘が同居なんて記載を見た記憶はほぼない。
令和の現代。めちゃくちゃ多い。
80代の高齢者が入院し、家族は配偶者と50代独身の息子・娘が同居みたいなケース。
同居の息子・娘は無職、引きこもり、精神疾患持ちや、働いてても低賃金なことが多い。
80代で入院したら、すでにうっすら始まってた認知症が顕在化するし、足腰は弱り、元には戻らないと説明するが、
息子・娘「前は歩けてたんです。」
と、親の衰えを受け入れられない。「元に戻してください。」と、のたまう。
なぜか
多くの人は潜在意識で自分の親が不死身だと思って疑わない
のだ。
ある家族は気軽に「じゃ施設かな。」と呑気だが、
今まで何の備えもしていないから、介護保険は初回申請するとこからスタートで、介護区分が出るのに1ヶ月以上かかるし、
要介護3以上出ないと、特別養護老人ホームには入れない。せめて要介護1は出ないと、ショートステイや老人保健施設にすら入れないのだ。
金額的には安いところでも毎月15万円前後かかる。施設に払うお金は介護保険を使っても全額は出ないし、オムツ代金やら、もろもろあるのだ。
それをお爺ちゃんの年金から払ってしまったら、今まで経済的におんぶに抱っこしてもらってた、高齢の妻や、中年の息子・娘の生活費が足りなくなる。
特別養護老人ホームは入居は1~3年待ちだったりするから、そもそもそんなすぐには入れない。
金額的にも無理だし、そもそも空きもないしで施設を諦め、お爺ちゃんは家に連れて帰るしかないのだが、
介護保険内でヘルパーやら訪問看護をお願いするのだって、無料になるわけではない。毎月の負担額が重くのしかかる。
入院する度に認知症や足腰の衰えは進み、初期はうんこを投げる元気があったのが、寝たきりに近づいていく。
で、彼らには計画性などないので、毎度、毎度、どうにもできなくなってから、
と、全然、救急じゃないのに救急車を呼ぶ。で、とりあえず病院にねじ込んでいく。
息子・娘は同居で長いこと親に面倒をみてもらってきたのだし、自分は独身で子育てもないんだから、親の介護くらい頑張れよと思うが、
そもそも実家に金銭的、精神的、家事の負担的にも依存して、何歳になっても、オジ、オバになっても、息子・娘モードで甘えてきた人間が、
親を守る立場に急に己をアップデートするのは不可能なのだ。
自分たちは介護はできないが、お金も出せないし、お爺ちゃんの年金をお爺ちゃんのために使われるのも困ると真顔で言う。
詰み方が完璧。
苦肉の策で高齢者を生活保護にしようにも、微妙な貯金や持ち家、同居の息子・娘がいたら、そう簡単に生活保護にはならない。
偽装離婚みたいにして世帯分離し、無理くり生活保護にするグレーゾーン家庭もあるけど、そんな理由で長年連れ添った配偶者と離婚するなんて切ないよね。
こんな家庭が爆増してる。日本はどうなっちゃうんだろうな。