長崎市議会で発言してきました!(前編)
こんにちは。長崎減税会のヒコでございます。
2023年末、我が長崎減税会が、長崎市議会に出席し、議員の皆さんの前で発言いたしました!
瓢箪から駒の有意義な経験だったので、他の減税派の皆さんの参考になればと考え、簡単な記事にしました。
自治体のルール次第では、同じようなことができるはずなので、是非、皆さんの自治体でも挑戦して欲しいです。
前編では、出席までの経緯と、委員会の雰囲気をざっくりダイジェストでお届けいたします。
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最初は陳情書を提出するだけのつもりだった
事の始まりは、大宮減税会さんから、市議会への陳情書の提出を勧められたことでした。
陳情内容は、「事務事業評価の完全実施」と「市の支出情報の全件公開」。
文面のひな形は用意があるとのこと。
「陳情の受付け拒否は、まずないから。」
陳情書に実際の効果はほぼないとの事でしたが、難しくなかったのでやることに。
長崎の事務事業評価は酷いですしね。
文面を修正し、署名集めて市役所へ。
この時は議会に出席できるなんて思いもしませんでした💦
(持ち込んだ陳情書はコチラ)
無事、市役所の担当部署に提出。
議会からの回答は書面でもらえるとのこと。
回答を貰えない自治体もあるそうなので、形に残るのは悪くないですね。
で、急展開はここから。
担当「ところで、議会で発言しますよね?」
筆者「..........は?🫨」
まったく想定してなくてテンパりました💦💦 え?僕たち市議会に出れるの???
なんと長崎市では陳情書を出したら、ほぼ自動的に、議会でその趣旨について発言させて貰えるそうです!凄い!
(こんな簡単な作業で)一般市民が議会で発言できるなんて、長崎市政は開かれているんだなあ。
いや、この点では長崎市を見直しました!
知られてないだけで、他の自治体でも同じような仕組みのところがあると思うので、皆さんもダメ元で陳情書を提出してみてはいかがでしょうか?
そんなわけで、ココロの準備もないままに、市議会で発言することになりました!
いざ、市議会へ
当日、市議会にやってまいりました。
我々が発言するのは、本会議ではなく、常任委員会のひとつ、総務委員会。議員は10人出席しているとのこと。
陳情書に署名した3人のメンバーで臨みます。
※ここから先、撮影録音禁止なので写真なし。
最初に、市役所から手続きと今日の流れの説明。
登壇する3人には謝礼金がでる(辞退しました)
議場で指名されたら陳情趣旨を説明
説明は10分以内
次に議員からの質疑応答
応答以外の発言は厳禁
こちらに質問権はない
休憩を挟んで、陳情内容を委員会で審議する
審議の様子は希望すれば傍聴可
ダメ元で当日持ち込んだ配布資料も、配って貰えることに。(本当は事前提出)
さて、いよいよ出番です!
※余談
総務委員会には、減税会メンバーと私生活で関わりのある議員が勢ぞろいしてました。僕たちが減税活動してる事は知らないはずなのになぁ🤔??。こちらの知り合いを揃えて、発言しやすい環境を作ろうとしてくれた可能性が微レ存? 筆者は、いつのまにか議員になっていた知人と30年ぶりに再会し、大変に焦りました。
ウェルカムな市議会(ただし応答機会は貰えない)
会議室に入室。
市役所の方の仕切りや時間管理はキビキビしており、ピリッとした空気です。
一方で市議のみなさんは非常にウェルカムな雰囲気。
着席すると、我々の真後ろになにやらメモをとってる物々しい集団がいます。
(この時点では、彼らこそが攻略対象なんだと理解していない筆者)
総務委員会スタート!
まず「陳情趣旨の説明」
筆者が代表して原稿を読み上げる。
慣れない演説で酸欠に😨。
喋るのに夢中で市議さん達の反応を伺う余裕なかったんですが、「事後評価のない事務事業評価なんて、やってないのと一緒」と発言したときは、ちょっとピりついた感じになりました😅。
また、配布資料として、「品川区の区民参加型の事務事業評価」、「横浜市の、事務事業評価の徹底による17億の支出削減」、「長崎県の公金支出情報検索サイト」の3つを紹介したものを用意したのですが、質疑応答で使うつもりだったので、ここでは触れませんでした(この判断は大失敗でした)。
続いて、「質疑応答」
ダイジェスト風味でいきます。
(議事録は今年の2月公開)
質疑に立たれた市議はおふたりでした。
※以下、公人である市議の皆さんの、公開されたお名前と写真を使ってます。
(市長選ゲームに倣って、期数も記載。所属は会派ではなく政党)
「市政の「見える化」を求めているのだと理解するが、その思いはわれわれも一緒である。事務事業については市役所も我々も力をかけてチェックしているが、その内容を市民の皆さんにお知らせする意義は勿論わかっている。一方で、事務的労力の観点もあるので要望を全て満たすのは難しいのはわかって欲しい。質問ではないので(減税会の)応答は結構です。」
「『事務事業評価』については、自分も議会質問の準備をしていた。そもそも自己評価の行政評価にどの程度の有効性があるのか疑問。検討すべき課題は多く、陳情の趣旨はよく理解する。質問ではないので(減税会の)応答は結構です。」
お二人とも、「質問ではないので応答は結構です」とのこと。
え!このターン、発言機会ゼロじゃん!
なるほど。
質疑といえど必ず発言できるわけじゃないのか。
勉強になった。
言いっぱなしのあと、言われっぱなしか。
補足や反論の機会は貰えないつもりでいた方が、事故らないんだな。
配布資料は最初に説明すべきだった。
今後、挑戦される皆様は、是非、言いたいことは最初の原稿に全部つめこみましょう!
ここで休憩が入り、我々の出番は終了。
色々未熟だったなあと反省しきり。
あとは、我々の陳情を審議する様子を、黙ってみているだけです。
でも前編のキモはここからでした!
本当の攻略対象は、議員ではなく役人(企画財政部)だった!
白状しますと、筆者は大きな勘違いをしていたんですね。
陳情を通すというのは市議の方を説得することだと。
違いました。
本当の攻略対象は市の役人であり、しかも、僕たちは直接交渉させては貰えない。
前半のターンで味方になってくれる市議をつくり、説得のためのロジックを渡して、代わりに役人と交渉してもらうんですね。
うわ!
ゲームルールを全然理解してなかった💦
筆者の後ろにいた物々しい集団こそ、真の交渉相手である「企画財政部」の方々。
ここから、市長選ゲームで既視感のある、お手本のようなゼロ回答がはじまります。
休憩が終わり、「審議開始」
企画財政部の回答
「事務事業評価は『長崎市政策評価実施要綱』を定め、既に効果的な情報公開をしている」
(注1。この要綱が定められたせいで、全件実施→新規事業の初年度(全体の3%程度)のみ実施且つ事後評価廃止、となった諸悪の根源です。「情報公開を制限している」と発言すべき)
「平成22年まで事務費以外の1000事業を全てやっていたが取りやめた。すべてやれば1億円かかる。」
(注2。人口同規模の横須賀市は1400事業に外部評価込みで2700万円)
「1事業あたり19時間かかる。2000事業で3万8000時間が必要で無理」
(注3。急に事業が倍の2000に増えた🤣。他の自治体によると、時間がかかるのは初年度のみ。長崎は97%が継続事業なので時間かからないはず。計算が過大すぎる)
※カッコは心の声。発言権ないので。
2つ目の論点の「市の支出情報の全件公開」については、提出した陳情書に未記載の論拠である「長崎県はすでに実現しているので、同じことをして欲しい」という主張に、企画財政部が反論を用意しておらず、まったく嚙み合わないことを述べておりました。
で、色々省略しましたが、ようするに「何もしません」ということを長々とご説明いただいておりましたら、市議の方々からツッコミが入り始めます!
「さっきから、色々言いよるけど、ゼロ回答のための答弁か?要望にたいして頭から拒否でいいのか?配布資料をみると、品川では市民参加の事務事業評価をやっているとある。こういった取り組みもできないのか」
おお!僕が説明できなかった配布資料を読んでくれている😭。
他の市議の方も読んでくれ始めた。
ありがたい。
この後も資料を基に様々な論点で粘ってくださり、「支出について、県と同じ情報公開は、技術的には可能」との言質をとっていただきました!
「横浜は事務事業評価によって17億円の予算を創出したとある。長崎市の規模に直せば2億円であり、実施の意義があるのでは?」
こちらも配布資料からのご発言!ありがたい。
ただ、切り抜き資料を誤解されて、「横浜市は事務事業評価をごく一部しかやってない」と委員会全体が誤った認識に😨。
これに限らず、訂正したいことは山ほどありました。
発言権欲しいなあ…
質疑応答に立ったお二人も、さらに発言されます。
「うちは床屋だが、政治のシロウトである妻の指摘にハッとさせられたりすることも多い。だから市民の声を聴く品川区の取り組みはきっと意味がある。なにか取り入れられないのか」
「企画財政部の仕事は素晴らしく、常々頭が下がると思ってる。だからこそ堂々と市民に情報公開してもいいんじゃないか」
「作業量が膨大というが、平成22年と今ではデジタル技術が違う。省力化できるはずだ。」
「なにひとつ取り組まないというのはどうなのか。せめてなにか、取り組む姿勢くらい見せられないのか。」
「市民からの要望に、何一つ汗をかかないというその姿勢はどうなのか。」
「『What's ZAISEI』があるから情報公開は充分というが、あんな薄い冊子で市政の詳細を理解するなんて議員でも無理だ。」
「我々議員も協力できることはしたい。何か取り組めることはないのか。」
「市民が陳情してまで寄せた要望に対して、そんな態度が市役所のあるべき姿なのか。」
お二人には、かなり食い下がって頂きましたが、企画財政部の回答は最後まで「全て出来ない」の1点張り。
官僚答弁って最強だなあ。
時間切れまで粘られてしまいました。
何の成果もえられずに、委員会は終了!
ランチで打ち上げ
市外のメンバーは多忙で帰られたので、市内の3人でランチ反省会。
何もかもはじめてだったので、色々と準備が拙かったですね。
ただ、市議会の仕組みや雰囲気が知れたことと、何人かの議員と繋がりが持てそうなのは収穫でした。
陳情自体は完全な収穫ゼロでしたが😅。
前編は以上です。
委員会の雰囲気は伝わったでしょうか?
後編では、あとに続く減税派の皆さんに向けて、筆者なりに反省点を簡単にまとめてみますので、参考にして欲しいです。
閉会後に市議会から送付された、噴飯モノの回答書についても、併せてお伝え致します。
ではでは。
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