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大学院での研究と就活

私は理系単科大学の大学院に所属している者ですが,今現在,私自身疑問に思っていることとして,

大学院に入学して間もない学生が,大学院で学んだ専門知識や技能など殆ど身についていないにも関わらず,入学して早々に就活が始まっている

大学院生のこのような現状に侵されている原因は,就活の早期化・長期化です.
昨今の就活の早期化・長期化は話題に挙がっているかと思います.
2024年3月1日付のNHKの記事によれば,

一方で、インターンシップの就職活動への活用のしかたなどは見直されました。

具体的には、インターンシップの期間が5日以上でその半分を超える日数を職場での就業体験に充てていることや、社員が学生を指導し、終了後にフィードバックを行うことなどを条件に、参加した学生の情報を企業が採用活動のための判断材料として活用できるとしています。

また、再来年の春に卒業する今の大学2年生については、企業側が2週間以上のインターンシップを通じて参加した学生の専門性が高いと判断した場合は、採用面接の開始をこれまでの6月から3か月ほど前倒しして春休み以降にできることが決まっています。

NHK,"大学生の就職活動 本格的スタート “早期化の傾向強まる”",NHK NEWS WEB(2024/03/01)

のように記載されており,私の周りで早ければ,5月GW明けぐらいから夏期インターンの申し込みをする者がいた程です.

さて,何故私が就活の早期化・長期化について疑問を呈しているかと申し上げますと,

  • 企業が,院卒相当の学力を有していない学生を選考している

  • インターンの応募・参加,エントリーシート,面接等の就活の準備に追われ,大学院生の本分である「研究活動」に焦点を当てることが難しい

  • 上記により,本来身に着けるべき院卒相当の学力を身に着けられないまま大学院を卒業することになる

大学院で身につくことは,専攻分野の専門知識のみならず,論理的な思考,指導教員の先生方との学術的な議論,わかりやすいプレゼン資料の作成,発表技術の向上等,色々挙がると思います.
大学での勉学に50万円以上かけて,自らの能力が向上する機会を設けたにも関わらず,それを就活に捧げることになってしまえば,大学院=就職予備校のような認識になりかねないし,何よりお金の無駄になってしまうのではないかと思います.
就活でいろんな企業のお話を聞いて,自分が就職したい企業を選ぶことも大事ですが,結局のところ会社が良くても,周囲の人間関係によって働く環境に左右されますし,希望する部署に配属できるか不透明だと思います.
なので就活を早いうちから始め,長期間する必要はないと思います.

一方で,就活の早期化・長期化=悪のように述べましたが,修学目的であれば,インターンを受けることは,私は賛成派です。
大学院生活で身についた学力が,社会で通用するか確かめるチャンスでもありますし,企業での技術開発を学ぶ機会になると思いますので。

以上から,大学院生の間は勉学や研究に打ち込み,大学院を卒業した後の1年間は新卒として扱う上で,就活することが,私の疑問の解消になればと思います.
(企業の優秀な人材獲得競争にさらされている状況にあるために,就活の早期化・長期化が起きていますが…)

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