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土曜日の診療体制の変更について(当院に通院中のかた向け)

 今回は当院に通院中の皆様にご連絡およびご協力いただきたいことがございましてこちらを投稿します。
 結論を先に申し上げますと、2024年11月1日より、土曜日の診療体制を変更させていただきたいと考えております。

 当院は、2015年6月に開院し、皆様のご支援のお陰で、2024年6月で10年目を迎えます。
 湿疹水虫などのありふれた皮膚病から、しみとり、脱毛のような美容に関するものまで、皮膚に関する悩みをワンストップで解決するというコンセプトのもと運営してまいりました。
 ベッドタウンでもある北習志野駅周辺では、平日クリニックを受診できないから土曜日に受診したいという方も多いであろうと考えて、開院当初より土曜日午後も通常外来を行ってまいりました。

 しかしながら長年診療を行っていますと、我々が提供しているサービスに対して皆様からの厳しいご意見も多くなってまいりました。これは特に土曜日や連休の谷間のような、来院される方が多く混雑する日に多いという傾向があります。

 これには様々な要因があると思っていますが、大きく分けると以下の3つあげられると考えています。

①    私の体力の限界
②    予約システム
③    我々のキャパシティーオーバー

①    私の体力の限界について
 長らく診療を行ってまいりますと、単純に私も体力的に厳しい面もでてきました。
 本来好きで行っている診療のはずが、土曜日になるたびに気が滅入ることもでてきました。
 私はもともと滑舌が良くなく、説明が聞き取りにくいといわれることがあるのですが、特に疲労に伴い聞き取りにくくなるようですし、挨拶や説明が足りないなどの指摘も受けるようになりました。過去に非常勤医師の勤務を行ったこともありますが、医師の採用は容易ではないのが現状です。
 つまり、医師(私)のサービス力低下です。

②    予約システム
 当院で採用している予約システムは、クリニックで採用されている予約システムとしては最大手のシステムの一つです。そして、採用しているシステムをどのように運用していくかはクリニックの方針によります。
 当院では順番予約という運用を行っており、自分の順番をオンラインであらかじめ取得でき、その取得した順で診療を受けることができるという一般的な運用です。
 かつては順番に遅れた方が来院された場合、順番に遅れたとしても来院いただいたので受付をすると、すでに待っていらっしゃる方から苦情をいただくようなことも多くありました。そこでしばらくは自分の順番を過ぎたら受診できない運用をとっていた時もありました。しかしこれはこれで自分の順番に遅れた方から苦情をいただくことも多くなりました。このようなこともあり現在では、自分の順番が過ぎても20分お待ちする体制をとっております。
 一方でご高齢の方のようにオンラインでの予約システムを活用できない方も一定数いらっしゃいます。その方々の受付も難しい問題で工夫をこらしながら設定しています。
 現在でも依然課題は残っていますが、今後も様々な検討と試行錯誤を重ね、当院と来院いただく方々にとっての最適解を見出したいと考えております。

③    我々のキャパシティオーバー
 今回の改定での一番大きな要因です。
 これまで、私達が有するリソースを多くの方に提供したいという思いから、限界までサービスを広げてまいりました。診察して薬を処方するような一般診療から、皮膚の腫瘍切除のような日帰り手術、あざの治療のレーザー治療、そして美容施術など、クリニックで可能なことを手広く行ってまいりました。これに伴い医療機器やスタッフも増やしてきました。
 特にあざの治療は1種類のレーザーでは対応できないため、様々なあざに対応できるようにレーザーも種類を増やしました。しかしながら、困っている方もいらして、機械も備えているものの、施術のための予約が取れないという問題があります。
 手術についても同様です。ご要望があっても予約を取ることができないという状況が続いています。
 他にも、来院される方をできるだけお待たせしないようにと、人員を増やし全員で努力して早く診療を行おうとすると、結果的に皆様の満足度が下がるという状況もみられるようになりました。そしてこの傾向は特に来院される方が集中する土曜日に多くあります。

 観光業でオーバーツーリズムという言葉があります。
 観光客が増えすぎると、住民の生活や環境を破壊し、同時にサービス力も低下し、顧客満足度を著しく下げる。その結果、持続可能性が損なわれるという現象です。
 環境への影響は別として、当院でも同様のことがおきているのだと考えています。つまり、私達のキャパシティを超えたサービスを提供しようとした結果、我々の提供するサービスが低下し、満足度を下げてしまうという状況になっていると考えられます。

 観光業では、キャリングキャパシティという考え方があります。これは自然生態系を壊さないよう、そして社会問題を起こさないように適正な観光客数を割り出し維持していくという考え方です。
 私達のクリニックも同様で、キャパシティを超えたサービス提供を今後も続けるのは、持続可能性が損なわれるため、適正な診療体制を目指すべきと考えるに至りました。

 以上のことから種々検討を行った結果、今年の11月1日以降は、以下の方針とさせていただきたいと思います。

・土曜日はオンラインでの予約取得者のみの診療
・平日については従来通り

 つまり、土曜日に関しては、オンラインでの予約を取得せず直接来院された方には大変申し訳ございませんが別日での受診をご案内させていただきます。
 今回は土曜日の運用について上記のように変更したいと考えておりますが、その後も状況に応じて適宜変更させていただきます。

 皆様様々なご意見もあろうかと思います。特にこれまで通院いただいている方には大変ご迷惑をおかけしますが、当院の継続的な診療体制維持のために皆様のご理解、ご協力をお願いしたいと思います。


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