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何もかも許せなかった

 noteを始めたのが去年の10月だったから、来月でもう10ヶ月になる。当初はこんなふうに思ってることを正直に書き散らす場にする気はなかった(本当になかった。まじめな創作の場にしようと思っていた)。けれどひとたび心の内側をさらけ出したら止まらなくて、こんなに言いたいことがたくさんあったんだと驚いた。
 現実の私は言いたいことも満足に言えず、ただ身の内に鬱憤を募らせてはここで吐き散らし、吐き散らしてもなお足りず、イライラを周囲に撒き散らしたりしていた。まったくもって操舵不能であった。

 私は本当にずっと、自分自身の行いを正しいものだと信じて疑わなかった。「正論」を盾にして、自分よりも仕事ができないだとか、気が利かないだとか、そういうふうに「劣っている」人間は容赦なく非難した。
 確かに、本当は出来るのにやらないでサボってるババアだとか、手の施しようがないレベルの発達おじさんだとか、社会復帰には程遠いレベルのうつ病女だとか、かなり「濃い」連中ではあったから、イライラした私がブチ切れてしまってもムリからぬ話ではあった。けれど、いかなる理由があろうとも、結果として「私のせいで」辞めたように見えてしまう以上は、そのような行いは慎むべきであったと、今では思う。まぁ何回やり直したって遅かれ早かれ全員辞めさせてるとは思うけどな。(本当によくもまぁこんなゴミばっかり集めたものだと思う…)自分自身の正義にのっとって「許さない」という決断を下したのだって、選択のひとつだったのだし、それは当時の自分にはそうとしか思えなかったのだから仕方あるまい。

 けど、それを踏まえて今思うのは、「人間なんて弱い上にウソをつくし、正論では動かない」…ということだ。バカほど「自分を守るため」にウソをつく。そこに関しては本当に全身全霊で頑張るんだもんな。そんなエネルギーがあるんなら仕事をもっと頑張れよと思うが。
 私がもっと上手くやればよかったと反省してるのは、「バカに一生懸命怒る必要はなかったな」ってこと。そもそも会話が通じない相手なのだから、マジ切れするだけ労力のムダであるし、テキト〜にあしらって、必要以上に関わらないようにすればよかったなって思うわ。本当に人のあしらいがヘタクソ(今もだけど)だったし、自分自身の感情のコントロールはもっとヘタクソ(これは少しはマシになった)だったなと思う。

 業務がズバ抜けて出来ることよりも、ヘタすると協調性がある方がよっぽど大事なのかもしれませんわね。会社員やるんであれば、周囲との連携は不可欠なのだし、「輪に入れる」「馴染める」能力の方がよっぽど必要な気がしてきたぞ…
 もちろん仕事は出来た方がいいに決まってるんだけど、「周りと上手くやる能力」だって同等かそれ以上に大事なものなのかもしれない。
 私はいつだって「正しい」ということにこだわってきたし、譲る気もなかったから、間違ってると思った相手には徹底してドギツイ態度で臨んでやったわけだけど、それって人間関係を壊す行いだったんだよね。当時は当時で壊してもいいと本気で思ってたから仕方なかった(仕方なかったで済ませるしかない)にせよ、壊す前に壊さずに済む方法を検討すべきだったなと思う。さながら破壊の限りを尽くすモンスターであった。
 そんなんだったから、私にはいつだって攻撃に至った「正当な理由」があったのだけれど、側から見れば「辞めさせた」と取られても仕方なかったし、「人から見てどうか」という視点がゴッソリ欠けていたあたり、どうかしてたなと思う。
 結局は私も、自分の視点でしかモノを見れていなかったのだなと今さらになって理解した。けど、あのころはあのころで本当に大変だったのだし、一生懸命さの裏返しであったということだけはご理解いただきたい(誰に?)。

 ただまぁ〜…どれほど人と関わるのがイヤだとしても、ヘタだとしても、敵を作るような行いをすれば、後々己の首を締めることに繋がりますよ、という教訓を得たね。 
 集団に属するということは、どうあっても「上手くやっていく」しかないんだろうよ。苦手だよ、こんなことこの上なく。でもさぁ、人間が正論じゃ動かないってことを理解してしまった以上は上手くやるしかないじゃない。
 人を上手くあしらえるようになってこそ、もう一段階上に行けるような気がする。べつに仲良くしようってんじゃない、「人間関係を壊さない」ゲームだと思えば少しはハードルが下がるんじゃないかしら。
 まぁ人間なんて自分勝手だしこの上なく理不尽だと思うよ。されるばっかりじゃなく、やってんだろうしね私だって散々。
 唐突に理解したよ。職務を遂行しようとするあまり、生身の人間同士のやりとりをおろそかにしてたことを。
 自分のこういうところがすごくダメだなと思うところのひとつが、「してもらいっぱなし」「言ってもらいっぱなし」で終わってしまってたところ。相手からの気遣いを受け取ったままでいつも終わってる。(もちろん、その場でお礼を言ってはいたけど、その後のお返しをしていなかったってこと)。心の中で感謝はすごくしているけれど、相手には伝わってないよね。具体的に行動や言葉で返さなければ、相互の思いやりにはならなかったよなって反省しております。これに関しては本当にそう。同じだけの思いやりを具体的に返す必要があったのに、32年間生きてきてやっと気づくって本当に何なのアタシって。
 自分の中の正しさを優先するより、人間関係を壊さないで上手くやることの方が大事なんじゃないのかなぁ。数の中にはとんでもない人間のクズもいるから、そういうヤツに関しては容赦する必要はないと思うけど…
 今さらすぎるけど、私ってほんといつからこんな人間関係不得手になってしまったんだろう。人見知りならともかく、敵を作って孤立するのは完全にあたおかの所業であった。
 人間、ムズカシイ。

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