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公募


9月に大学教員の公募を受けた。

応募した大学の募集を見たのは8月中旬。教員なので夏休み期間の真っ最中であった。これから2学期の授業準備とか、僕としては9月に控えた個展の準備とかをいそいそと行っていた所に舞い込んできた。

現場教員と作家の二刀流で十分生きがいを感じているが、実はまだまだやりたいことはある。それは学校教育の範疇では留まらないのも自覚はある。そうなると、やはり研究職が1番都合が良いのではないか?と考えていたこの頃だった。大学教員としては全く業績の足りていない僕だが、今回は偶然かつ運良く全ての募集要件を満たしており、むしろ「こんな複雑な募集要件に当てはまる人材は僕しかいないんじゃないか」と錯覚してしまうほどであった。具体的には

•小中高の教員免許を有している
•開講科目:「彫刻」「工芸」「メディア表現」等を担当する事が出来、それに資する専門性と業績を有している
•学校現場での指導経験があり、オンライン授業に対応することが出来る

などである(特に自分に都合の良い部分のみ抜粋)。言ってしまうと教育学部の美術学科の募集で、図工美術の教員養成を行うことが主になるのだが、私大ということもあり教員人数がそこまで多くなく、ジャンル(専門)に対して1人以上教員がいる、という訳ではないらしい。僕が修了した大学は工芸、彫刻、デザイン、など専門につき1人教員が配置されていた。しかしながらここは1人の教員が彫刻も工芸もデザインも教えるのだ。

その点僕は自信がある。彫刻的な作品制作も、工芸的な作品制作も行っているし、自身の展覧会やそれに付帯するデザイン業務は全て自分で行っている。デジタルソフトを用いた画像・動画編集・プロダクトデザイン等はある程度心得ているし、職場の授業でも取り扱っている。悪くいえば専門力が弱く、中途半端なのだが、良く言えばハイブリッドなスキルを持っている。

この時点で美大を修了したアーティスト思考の方々よりは秀でているかと思う。芸術学科の「工芸」の教員募集では専門力で敵わないが、この募集ならむしろ僕に合っているのではないか。勿論オンライン授業など、これまでの教員としての現場経験もアピール出来る。

「経験として受けてみよう」

まぁ今後数年間、大学教員の公募を受けていくにあたって書類のフォーマットをつくっておくのは大事な気がする。ダメで元々。そうと決まったら善は急げ。とにかく情報を集めた。知り合いの大学教員や博士課程に進学している友人、助手として大学に勤務する知り合い等から、気になる事をひたすら聞いてまわった。その過程で、自分の人脈とこれまでの活動に感謝した。

それだけでも不安は残ったので、このnoteで大学教員の公募に関する記事を挙げている現役教員や、それに類する立場の方々の記事を読み漁った。正直これが無ければ上手く作成できなかった書類もあったので、投稿者の方々全員に感謝している。noteという媒体にも感謝‼︎


応募の締め切りは9月下旬であった。幸か不幸か自身の個展の最終週が締め切りだった。会期中、展示会場で来場者と作品について対話する傍ら、暇な時間は提出書類の最終チェックをしていたのはここだけの話。なんとか書類を完成させ、郵送する事が出来た。自分で言うのもなんだが、すっっげぇ大変だった。我ながらよくやった。

そして今日、大学から面接(2次)試験の案内が来た。

正直1ヶ月も経っていて、書類選考で落ちたとばかり思っていた(不採用の場合、採用者が決定するまでの期間不採用の人にも全く連絡をしない事が多いらしい)ので、すげぇ嬉しかった。面接試験まで行ければ経験としては及第点だろう。

今後の流れとしては面接試験も通過した人は学部長などの偉い人たちを交えた最終面接を行い、それもクリアすれば晴れて採用、みたいな感じらしい。ていうか論文業績の殆ど無い、やる気だけしかアピール出来ない僕を面接に呼んでいただきありがとうございます。面接や模擬授業などの心構えなど諸々準備し、面接を迎えたいと思う。

まぁあくまで「経験として」という所を忘れずにいたい。単純に落ちた時のダメージを減らしたいのもあるし、そうしないと今の職場で来年頑張るためのエネルギーにつながらない。生徒にも申し訳ない。個人的に逃げ腰も用意しておいた方がいい感じに力が抜けてパフォーマンスがよくなるので、これくらいのスタンスで挑ませてもらう。

という事で、現在進行形でふわ〜っと転職活動している訳なのである。結果が出たらまた記事にします。

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