見出し画像

初めてギターを買った!(完)

弦を張り替えて何とかチューニングまで終わり、やっとスタートラインに立てた。
付属でついていたマニュアル本やDVDは見ずに、私の教科書は最初からYouTubeだった。
初心者用の動画が沢山あったのでありがたかった。
まずは王道の「カントリロード」を練習する。
1曲弾けた時はうれしくて1人でニヤけた。
少しづつステップアップしていき、あいみょんの「マリーゴールド」まで順調にきていた時にテニス肘になってしまった。週にたった1回のテニスなのに。もう歳という事なのか…
痛くてふきんを絞ったり、ペットボトルのキャップがあけられない状態なのでギターの練習もお休みした。
3ヶ月ほど鍼やマッサージに通い少しづつ良くなっていった。
テニスは様子を見ながらレッスンに参加し始めたのだが、なぜだかギターはそのまま1年ほどお休みする事になってしまった。
いつでも練習できるようにとソファーの横に置いていたが、いつのまにか部屋のオブジェになっていた。家族も歴代のダイエット器具のようにギターも同じ道を辿ると思っていたようだ。
肘はすっかり良くなっていたのになぜかモチベーションが上がらない。またもや「新堀ギター」の手を借りようかと思ったが、色々探したら運良く近場で初心者向けのギターサークルを見つけた。
1人だと練習しない言い訳ばかり考えていたけど、誰かと一緒ならモチベーションも維持できそうだと思い、思い切って参加してみる事にした。
でもふと、ギターを外に持ち出すって事はケースに入れて肩にかけて持ち歩く訳で、バンド組んでますみたいな若い人ならいいのだが、アラフィフのおばさんにとってはめちゃくちゃハードルが高い事に気づいてしまった。
ギターを持ち歩くのが恥ずかしいからやっぱり辞めますとは言えなかったので車で行く事にした。
とてつもなく緊張したが、みんな温かく、めちゃくちゃうまい人が何人かいてその人がわからない事など教えてくれた。
それぞれ課題曲を練習して、最後に1人ずつ発表していくスタイルらしく、すっかりコードも忘れて全く弾けなくなっていた私は緊張の為に指先が氷のように冷たくなっていた。それなのに最後だと緊張するだろうと優しい配慮で、初参加の私からのスタートになった。でも今思うと、考える暇がなくてよかったと思う。やけくそで1曲弾いて歌った。
今までずっと家で1人で練習してきて、ストロークとコードチェンジに必死で歌はおろそかだったが、初めて人前で1曲弾いて歌った。緊張で声は震えていたが、目の前でみんなが聞いてくれて、拍手をしてくれた。歌い終わった後は緊張から解放されてなのか、とても気持ちがよく清々しく初めての経験だった。
学生時代の友達や楽器を演奏していた子供の気持ちに一歩近づけた気がした。演奏する側にたててとても満足感があった。
やっぱりギターを始めてよかったと思った。
今は月1のサークルが楽しみで、発表する為に自主練も頑張っている…
高校生の時には夢にも思わなかったが、バンドを組んでみたいと言う夢もできた。
実現できるか見当もつかないが、この歳で夢を持たせてくれたギターとの出会いに感謝したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?