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「破壊され組み替えられた意味」に魅せられる幻想社会の中心で見せかけの愛を叫ぶ

閉塞した社会システムを克服し得るような手立てをシステムとして奪う社会。自動生成された社会システムのプログラムがちょっとでもオリジナリティのある主張や思想を一瞬で奪ってゆく。

それが資本主義のシステムの本質だし、そのシステムと結びついたネット社会の本当の意味でもある。
わたしたちは無自覚に、完璧に嵌められてしまって永遠に逃れることが出来ないこの檻の中に誘導されてしまった。
トリックに気が付いている人もいるだろうけど、過半数が気づけなければ皆が捕らえられてしまう。

オリジナリティのある思想や絵画などの芸術作品に価値としての値段が付けられてしまう。もちろん意図的に。値段以上の価値のある意味に値段が付けられてシステムの一部に同化させらてしまう社会。記号化の手段としての貨幣の網から逃れることは出来ない。

ネット社会においても同様。オリジナリティは一瞬で奪われ、クルクルパーの盗用者に動画投稿サイトに投稿されてしまう。他人様の意見も思想も書籍の内容も、パクって投稿してしまえばお金になる。クルクルパーは貨幣の網と同じで、システムとしてオリジナリティを記号化してしまうプログラム。

社会は進化してゆく。それが自由主義らしい。

そう教えられてきた。ペテン師は饒舌なのだ。
だから社会は進化しているように見える。セラピーロボットが優しく語り掛けてくる。おかえり。お疲れ様。今日も大変だったね。
ご主人様、お帰りなさいませ。ご主人様、、、

だ、、大好きだ。結婚したい。愛している!

素晴らしい技術だ。これがAIかあ。
社会から絆を奪い組み替えられた価値としてのAI。そっと優しく私たちの心に侵入してくる。あーAIって素晴らしいよ大好きだ。もう一人だけでも生きてゆけそう。いや違う。君と一緒だ。音楽を付けてくれ、明かりを付けてくれ、飯を作ってくれ、、、セックスをしよう。

ソーシャル・キャピタルの概念は社会を砂漠化するには邪魔になる。
だから排除された。日本では社会関係資本と訳されるそう。
砂漠だから生まれる価値があるのだ。ソーシャル・キャピタルなんて絆はいらない。邪魔になる。社会関係資本だけでなく生態系ごとすべて破壊して、皆が求めるようにすればいい。
愛やら、なんやらかんやら全部。

とりあえず、愛と、、食べ物?
生きるために必要なものはすべて砂漠化してしまえばいい。
そうすれば彼らは渇望するだろう。
欲しがるはずだ。

砂漠化した海に、私はゲノム編集真鯛をそっと放ってみた。
ブクブクと太ったその魚は砂漠の海をユラユラしながらゆっくり泳ぐ。太り過ぎてまともに泳げないのだ。でも飢えた彼らにはそれが美味しそうに見えるはずだ。彼らは目をギラギラさせながら真鯛を眺めている。ほら、口からはよだれが垂れている。
アハハ。それみたことか。みな美味い美味いと言っている。
これはどうだ。ゲノム編集トマト。真っ赤で美味しそうだろう?
ワーハッハッハ。すべてを砂漠にしたかいがあったわい。
食べておる食べておるぞ。バカ売れじゃ!

もっと壊せ。自然も絆も。
壊して、砂漠にするから売れるのだ。

おわり

この記事は前の記事の内容を少し組み替えたものです。

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