武藤敬司引退試合 消滅危機
武藤選手の試合を現場で見たのは直近では正月の武道館でしたが,この時点で動きが重そうに感じられました。その3日後にも新日本に出場したということですが,この引退ロードでは引退表明前より試合頻度が多いのではと思うくらいのサービスぶりだったので,無理がたたったのかなと思います。個人的には武藤選手は引退興業で試合をせず,セレモニーのみの開催となっても致し方ないと思っています。太ももの肉離れというのは正直厳しいです。痛みを押してとどうこうなるものではなく,自分の経験ではまず足を動かそうという意思を伝えても持ち上がりません。そもそも両膝に加え股関節に支障を来しているうえ,両太ももが動かないとなれば,足首のみで全身を支えることになりますが,これは立っているだけなら可能かも知れませんが一歩も進めないような状態ではないでしょうか。治療はひたすら安静にし,高周波を当て,その後じっくりほぐして元に戻していくしかありません。内藤選手が試合を引っ張っていけばよいという考えもありますが,両者にはサイズ差があるので箒を相手に名勝負を演じるといった簡単な作業ではありません。
内藤選手とは1/4ですでに対戦しているので,1/21に発表されたときも「あれ?」と思いました。海外の大物との交渉をぎりぎりまで続けてまとまらなかったのかなと。メインの消滅により,代替出場という名目でSANADA選手をすんなり招集することができるようになり,その時点でタイトルを保持していれば清宮戦はGHCタイトル戦としてメインに移動します。内藤戦のキャンセルはノア側の過失となりますから,こうなるとセミの藤田vsオカダ戦ともども試合の行く末は読めません。仮に武藤選手が試合を強行しても早々にレフェリーストップという悪夢が想像され,重い後遺症も心配されます。セレモニーを豪華にやりましょう。来場した蝶野とセレモニーの最後にいきなり3分1本勝負を敢行,ロックアップからアームホイップ,ヘッドロック…これでたっぷり十分です。デビュー戦の相手の蝶野は第一希望だったはず。ほとんど動けない同士でも少しでも組み合えるなら,その方が武藤選手にとって本懐にちがいありません。それだけでも我々ファンは納得しますし,高額チケットの観客たちも涙するでしょう。どうか無理をさせずにとフロントには伝えたいです。