MPバスター
人間の思考力、判断力など、脳を使うための力というのは限りがあると言われている。
例えば、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズは、毎朝服を選ぶというところで判断力を使いたくないので、毎日同じタートルネックとジーンンズ姿を着ていたというのは有名な話だ。
実は私も毎朝決まった服を着続けている。
このスタイルはもう続けて10年以上になるが、良くも悪しくも覚えてもらいやすいし、やはり判断力を毎朝使わなくて良いというのは大きいと実感している。
私は、この脳を使うためのエネルギーを「MP」と呼んでいる。
言わずと知れた、RPGにおいて魔法や呪文などを使う時に消費するポイントで「マジックパワー」や「マジックポイント」などと言われるものだ。
ちなみに、体力は「HP」と呼んでいる。
MPは寝ると回復する。
あと、風呂。特に湯船に浸かると回復量が大きい。
逆に寝不足だと、MP切れで脳が使えなくなると当然判断力は低下する。
脳を使う上で睡眠というのはやはりかなり重要となる。
なお、加齢とともに最大MPは下がっていく傾向にあるような気がする。
前述したように、思考や判断など脳を使えばMPは減っていく。
それが有意義なものであれば、必要MPとして使うのは生きていく上で必要だ。
だが、時になんでこんなことに脳を使わなければならないのか、と思う時がある。
気を遣ってあげないと不機嫌になったりする人や、仕事などあんまり人間的に好きじゃなくても関わらなければならない人などと関わる時だ。
私はこれらの人のことを「MPバスター」と言っている。
「MPバスター」というのは元ネタがある。
クロノトリガーというRPGの敵専用技の一つがそれだ。
対象のMPをゼロにするという恐ろしい技である。
人と関わるには、時間やお金、そしてMPが必要になる。
だが、その分人間関係から得られるものも大きい。
だが、MPバスターと関わってもろくなことにならない。
普通の人以上に関わるのもMPを喰うにも関わらず、リターンはほぼない。
そのため、時間、お金、MPなどがただ無駄に消費される。
MPバスターは自分で自分の機嫌を取ることができない。
だから、こっちが機嫌を取ってあげなければならない。
機嫌取りにMPが必要となるのだ。
こんなに不毛なことはない。
だが、MPバスターに付き纏われて、常にMP切れを起こしている人というのは少なくないだろう。
そのMPがもっと世の中のために使われたらどんなにいいだろうか。
そんなことを思わずにはいられない。