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【日記】ウルトラアーツの分岐点。

珍しく愚痴です。



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これまでに購入した「S.H.Figuarts ウルトラマンシリーズ」はゆうに30を超えていた。
シリーズ開始から7年。ニュージェネレーションヒーローとの相乗効果にも支えられ、、この#ウルトラアーツ は着実にラインナップを広げている。

その中で一ユーザーとして心配なのは、「コンセプトの変化」だ。
「お前魂ネイションの商品に向かって何を今更…w」と思われるだろうが、少なくともウルトラアーツほど長期にわたってコンセプトが一貫してきたブランドは最近のバンダイでは余りないと思う。
そのコンセプトとは「特定の着ぐるみ(スーツ)の徹底再現を軸とした造形」である。

円谷プロ監修のもと、現行作品であれば現物のスーツ、過去作品であれば映像を含む膨大な資料を精査し、細部のディテールやシワ、ある時は手作業からくるミリ単位のアシンメトリーに至るまでを原型段階から落としこむ事で、ウルトラアーツは高い完成度を保ち続けている。

しかしこれは同時に、作品を跨いで複数のキャラクターを並べるた際に矛盾が生じる事を意味する。
無理もない。極端な話「1960年代のスーツと2010年代のスーツを並べる」訳だからだ。
例えばセブンとゼロの親子を並べるにしても、当時のウェットスーツ地を意識した淡いセブンの塗装では、ギラギラした息子と釣り合わないようにも見える。

単体のクオリティを重視するコンセプトとそれに見合った価格帯が故のナメクジ怪獣ジレンマ。この辺りは、集める事でプレイバリューの真価を発揮するソフビや超動、コンバージ等とは決定的に違う点だろう。
本来ありえない事象を再現されても興醒めするという意見は確かに一理ある。
だがそもそもアクションフィギュアになる事自体が貴重であるキャラクターも多いので、一々気にしていたら「ウルトラQ」の没タイトルキリがないのも事実だ。

7月にウルトラマンメビウスが発売された際には、そんなウルトラ6兄弟のフィギュアーツがずらりと並ぶ特写が公式サイトに掲載された。このように担当者達はジャニーズ事務所のように隠蔽開き直ってきたが、それは当然だと思う。
はっきり言って、こんな事でバンダイどころか、他のユーザーをボロクソ言うこと自体が馬鹿馬鹿しい以外の何者でもない。
我々が空想特撮のキャラクターに求める"リアル"ってそう言うことじゃないだろ。


ここ最近その論議になったのが、「特空機ウインダム」である。
「ウルトラマンZ」のウインダムと「ウルトラセブン」「ウルトラマンメビウス」「ウルトラマンデッカー」各作品のウインダムは全く性質の異なる存在だが、着ぐるみの違い以外に依る外見上の違いは無い。別に遊ぶ事にさしたる違和感もないはずだが、何故かこのウインダムを"カプセル怪獣"として遊ぶ写真を投稿したX Twitterユーザーが次々とプチ炎上した。
もう一つが今月発売のエレキングだ。
公式サイトには「スーツをスキャンした」とだけ書かれており、「セブン」当時のスーツに関する言及はない。
恐らく「デッカー」にも登場した直近のスーツを参考にしてるのだろうが、これまた批判意見の多いこと。
特殊造形のレジェンドであり、バンダイ製品への参加も多い若狭新一氏が苦言を呈する一幕もあったのが不運だった。
あちらが立てばこちらが立たずという奴である。

ちなみに個人的に目下最大の壁として挙げたいのが…
ウルトラの父である。

これが「ウルトラマンA」に初登場した際のウルトラの父。
着ぐるみとしてはかなり荒削りで、アシンメトリーな箇所もかなり目立つ。これを再現するのかと言われると確かに違う。しかし教え子たるウルトラ6兄弟に倣えば、可能な限りこの「A」か「タロウ」での姿を理想とせねばなるまい。
ウルトラの母にしてもそうで、「タロウ」と「ウルトラマン物語」以降では頭部の造形が6兄弟以上に変わっている中で、どちらを優先した商品仕様をとるかは非常に重要だ。ULTRA-ACTのように頭部だけ交換式とは行かなさそうだ。

昭和か、平成か、それとも最大公約数の造形にせざるを得ないのか、果たしてバンダイの決断とは…?
ただ逆に言えば、特に昭和期のメジャーなキャラクターが出尽くした今の状況からすれば、これらのウルトラ戦士をいかにユーザーが満足する形で出せるかが、ウルトラアーツにとっては最大の峠となるように思う。
まあ、バンダイなので、日本の企業組織らしくこの宿題を避けて通る覚悟もしてあるが。

ではでは。