あれから9年、「THE ALFEE」を初めて観に行った場所に戻ってきた話。
どうも。
かた焼きそばがトレンドのKトレです。
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皆さん、THE ALFEEってご存知でしょうか?
そうです。
テレビで「守ろうよソーシャル星空の下のディスタンス」とか歌ってる3人組ロックバンドです。
1973年、明治学院大学の同級生だった桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦によって結成され、翌年のデビューから50周年を迎えたこのバンドを、自分はかれこれ10年聴き続けています。
そして、コロナ禍で遠ざかっていたライブにも、去年から久しぶりに帰ってきまして、当然のように今年のツアーにも参戦しました。
今回の場所は、9年前に初めてライブ参戦した場所「大宮ソニックシティ」です。今回様々な巡り合わせがあり、ここにもう一度戻ってくる事になりました。
今回はそんな思い出話です。
・それはひとつの物語(レジェンド)
27歳の自分が何故…二回り三回りと離れたバンドに魅入られたのか。
キッカケはウルトラマンだった。
「ゴジラ」第一作と同年代であり、怪獣映画世代である高見沢俊彦は「ウルトラマンダイナ」EDテーマ「君だけを守りたい」の制作者でもある。同曲が「ウルトラマンサーガ(映画)」にてピックアップされたことを気に高見沢さんは「ウルトラマン列伝(テレビ東京)」に主題歌をいくつか提供しているのだが、その大トリとして三人で歌ったのが「FinalWars」である。
それまでに提供した「Rising high」「ULTRA STEEL」と違ったのは"ツカミ"だ。
「戦え!光りの戦士よ」といきなりこれはウルトラマンの歌だと「ウルトラマン」という単語を使わず自己主張する曲に、まるで初球160kmのストレートを投げられたような気がした自分は、「こいつら只者じゃないな!」と衝撃を受けた。
そして今度は歌番組をチェックして、初心者あるあるとして「お前が歌うんかい!」と画面左手のグラサンオールバック髭男(-ひげおとこ)、もとい桜井さんの姿に衝撃を受けた。
その時はそこ止まりだったのだが、数ヶ月後にふと
「そう言えばTHE ALFEEってそもそもどんなバンドなの?」
そう思ってYoutubeで検索をかけたのが「星空のディスタンス」。
そこでまたスマートなロックサウンドに衝撃を受けた。
もともと親から貰った松任谷由実のベスト盤を擦り切れるほど(比喩表現)聴いてた身の上もあり、7,80年代のサウンドに抵抗が無かったんだと思うけど、ともかくそれから数週間後には近所のTSUTAYAに走り、恐らく現時点でも最高の入門盤であろう、デビュー30周年のシングルコレクション(池田理代子先生描き下ろしジャケットのアレ!)を借りて、「メリーアン」「MyTruth」「希望の鐘が鳴る朝に」とにかく数を聴き、アル中(=アルフィー中毒)のブログ等読み漁るように。
もはや'80年代にとどまらず、ハード、プログレ、フュージョン、歌謡曲、フォーク…聞けば聞くほど、alfeeの音楽は心に響き、そして勉強(笑)になった。
そうこうしてる内に両親にも友人にもalfee好きが知れ渡り始めた頃。父親から誕生日プレゼントとして貰ったのが、秋の全国ツアー大宮公演の一般販売チケット。今にして思えば父も苦労して手に入れてくれたのだと思う。
初めて参戦した日は、高校が課外授業かなんかだった。当時密かに仲良かった…「切ない片想い あなたは気づかない」なんて言いたくなるクラスメイトに、興奮気味に語ったのを覚えてる。
移動先の品川から自宅に戻って30分で支度して、混み始めた埼京線で一路向かった大宮ソニックシティ。
それからはもうあっという間。
もう初っ端何を歌ってたかまでは余り覚えてないのだが、ツアータイトルが「BestHitAlfee」だったので、結構人気の曲(個人調べ)が多かったと思う。
特に「Flower Revolution」の際には客席のジャンプに合わせてランニングマン風の動きを見せるなど…いきなりパワフル!
やがてMCパートに入ると、自分がギリギリ分かるような歌謡曲を交えつつも和気あいあいと進み、今度は少しマニアックな曲も並んだ。
アコースティックギターの重なりに癒される「From The Past to The Future」
1989年の全国ツアーでお披露目直後、ベルリンの壁崩壊という奇妙な一致をみた「壁の向こうのFreedom」
やがて15曲ほど演奏したところで3人がはけ、アンコールという名のコント(出し物)に移る。この内容はマジで覚えてないのだが…
(唯一覚えてるのが、何かの下りで桜井さんが、「Smoke on the water!空に炎〜!」とDeep Purpleの名曲を日本語混じりにシャウトしたこと…。)
そしてラストに演奏されたのは「希望の詩」と「誓いの明日」。特に前者は「放課後の教室で未来を〜」という掴みの歌詞にまんまとやられてしまった。
この2曲で、THE ALFEEがなぜ永遠に青春を歌うバンドなのかが分かった気がした。と同時に、ますますalfeeの曲が暮らしに密接な存在となった。
・3人が今も眩しすぎて…
そして9年後…
様々な思いを持って、帰ってきたことになる。と言っても場所が9年ぶりってだけなのだが…。
ツアー自体は16年冬(相模女子大グリーンホール)、18年武道館(ツアーファイナル)と参加し、それからは就活、コロナ禍を経て昨年春ツアー初日(川口リリア)、そして冬の武道館と足を運んできた。その間もニューシングルは必ず購入している。
「風の時代🌸春 From The Beginning」
入って早々、9年前の記憶を呼び覚ます間もないくらい、行列がもの凄い!
お目当てはツアー特製スタンプだ。
やはり女性客が多い。
時々、「alfeeなんてオバさんの文化でしょう?」と聞かれる事があるが、そんな事は断じてない。
男性客も決して少なくない。
純粋に3人の音楽性に心酔したのだろう人もいれば、奥様と連れ立って来てる人もいる。恐らく"alfee婚"なのかもしれない。
(それでも流石に9年前に比べると身振り手振りと動くファンが少なく感じ、高齢化してる気がしなくもないか…)
そんなことはさておき、本編はとにかくパワフル!(2回目)
今回びっくりしたのが、序盤に「星ディス」を歌ったところだった。いつも切り札のように取っておく印象があるが、直後のMCで、「初めての方、知ってる曲が出てきてほっとしましたか?」と笑いにしてみせる余裕たるや。一本取られてしまった。(今でも「今日初めて生で動くアルフィーを見た人!」と坂崎さんが聞くと意外に手が挙がるのである)
今回印象的だった曲は、「タッチ」の挿入歌だった(らしい)「FOR THE BRAND NEW DREAM」とか高見沢さんの声が伸びに伸びる「A Last Song」とか色々あったが、一つピックアップしたくなったのが、一昨年のアルバム「天地創造」からの「My Life Goes On」。
猫と爬虫類をこよなく愛する坂崎さんボーカル曲で、"ミケ"との突然の別れに涙しながらも、Life goes on =人生はまだ続く と前を向き「平和を祈ろう」と締める。(このアルバムが出た直後に、ロシアのウクライナ侵攻が報じられたのもまた奇妙な一致だった。)
今のTHE ALFEEだから歌えた深い一曲だと思う。
コントでは昨年のツアーに引き続き、3人扮するアルフィー追っかけ系アイドル「またさきトリオ」が登場。
ツアーグッズのマラカスライトをブンブン振り回し、しょーもない(褒め言葉)男子のノリで大はしゃぎしたのち、今ツアー最大の目玉「メリーアン音頭」を披露!…したのだが自分はその前振りで歌った「祭り(北島三郎)」の方が色々インパクト強かった。やっぱりコントも全力なのである。
そしてラストは7月発売のシングルより「ロマンスが舞い降りてきた夜」で締めくくった。(明石家さんま主演「心はロンリー 気持ちは『…』 FINAL」主題歌)
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THE ALFEEのスゴいところは今もなおキャパ1000人クラスの全国ツアーを年間50公演こなし、それを活動の柱にし続けている事だ。
3人はMCで言う。「テレビでディスタンスしか歌わなくても良い、そこを入り口に来てくれた人がいるし、本当の自分たちを応援するみんながいる。みんなの為にアルフィーはここに居続ける」と。その清々しいまでの心意気にはいつも感動するばかりである。
だが正直なところ、自分にはもういつまでもついていく心の準備は出来ない。
このままファンを続けながら、このバンドの終わりを見届ける勇気がないという、なんか本当に高見沢さんが書く詩の世界観にいそうなメンタル状態なのだ。
この思いについてはまたいずれ書くとして、
大宮の一夜は間違いなく楽しい時間になったのである。