撮影部

24歳当時の私は結婚していましたが、定職に就かず「絵本作家になる」などと嘯いてヒモのような生活をしていました。
そんな時に新聞に掲載されていたタツノコプロダクションの募集を見つけて応募したのです。
子供のころから漫画家になりたいとは思っていましたが、アニメには興味がありませんでした。タツノコプロダクションの作品は「宇宙エース」しか知りませんでした。

それでも撮影部に合格して私のアニメ人生は始まったのです。
当時は創業者の吉田竜夫さんが逝去された後で弟の吉田健二さんが二代目社長の時代でした。
私はすっかりタツノコプロの社員のつもりだったのですが、スタジオ内にある撮影部は九里一平さんが社長を務めるアニメフレンド所属でした。

撮影部は六人。チーフ以外は私より年下でした。年下の仲間は全員写真学校出身、私はカメラの事を一から覚えなければいけない素人、とても恥ずかしい気持ちでした。

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