♯23 自分事として考える企業年金制度とライフプラン
こんにちは、甘夏です。
この記事では、年末年始の帰省で義理の父親から聞いた「企業年金制度」について、我々世代との違いや感じたことについて綴っています。
4つの年金制度
退職後の生活を支える制度として「年金制度」がありますが、
大きく4つに分けられます。
①国民(基礎)年金(公的年金)・・・年金の1階部分
②厚生年金保険(公的年金)・・・年金の2階部分
③企業年金(私的年金)・・・年金の3階部分(厚生年金基金や確定給付企業年金、中小企業退職金共済など)
④個人年金(私的年金)・・・年金の3階部分(個人年金保険、国民年金基金、個人型確定拠出年金=idecoなど)
会社員であれば①②の制度には加入をしている場合がほとんどですが、
③の企業年金がある会社というのは、大体約半分程度です。
逆に残りの半分の企業には企業年金制度がありません。
(わたしの勤めている会社にはこの企業年金制度はありません。)
※企業年金は、企業側にも負担している掛け金を福利厚生費として全額損金参入することができるので、税金を減らすというメリットもあります。
確定給付型と確定拠出型の違い
③の中にも複数の企業年金制度がありますが、
ここでは確定給付型と確定拠出型の2つについて違いや特徴について書いています。
a)確定給付型企業年金
従業員が退職後に年金として受給できる金額が予め確定しており、企業が従業員のために掛け金を負担し、その運用結果にまで責任を持つ、という制度です。このため、企業が信託銀行や生命保険会社などと契約し、管理・運用した資金が結果として確定している金額に不足が出た場合は、さらに企業がそれをカバーするための掛け金を増やす必要がある制度となります。
そのため、企業側には負担が大きい制度となっています。
b)確定拠出型企業年金
個人で掛け金を拠出し、運用を行う個人型確定拠出年金(ideco)はよく聞くようになったと思いますが、
こちらは掛け金を拠出するのは企業、運用を行うのは従業員(加入者)です。
そのため、企業側は掛け金を負担する必要はありますが、運用責任は従業員(加入者)にあるため、最終的な給付型は確定しておらず、企業側が運用結果に責任を負ったり、不足分を追加で負担する必要はありません。
言葉の違いを見ると、a)では給付額が確定している、一方、b)では拠出額が確定している、というものなので、圧倒的に後者の方が企業負担が少なく、こちらを導入する企業や移行する企業が増えています。
親世代と同じ考え方では安心できない理由
冒頭に書いた通り、わたしはこの年末年始の帰省で義理の父の企業年金については話を聞く機会がありました。
義父は定年するまで大手のIT企業に勤めていました。その企業では福利厚生として上述のa)確定給付型年金制度があり、しかもその給付期間は終身(つまり定年後、寿命を迎えるまで一生)とのことで、定年退職後の今も変わらず固定収入を得ているということです。
もちろん現役時代よりは金額は少なくなりますが、元々倹約家の父は公的年金(国民基礎年金・厚生年金)の受給開始期間を遅らせており、それでも企業年金の受給だけで生活をしているようです。
この公的年金は条件を満たしていれば原則65歳の誕生日以降から受け取ることができますが、受給開始時期を遅らせると(繰り下げ受給)受給金額が1か月ごとに0.7%増える仕組みになっています。次の誕生日から受給を開始しようと思っているとのことだったのですが、その場合24か月繰り下げしているので、すでに受給額が0.7%×24か月=16.8%も増額することになります。
もちろん義父のような人ばかりではないでしょうが、企業年金と公的年金だけで寿命を迎えるまで不安がなく十分な金額を得ることができる世代も存在しているのです。
いかがでしょうか・・・?
一生懸命ライフプランをシュミレーションしたり、老後資金のために貯金やideco,NISAなどで長期での資金形成を考えている身としては、信じられない話です。
これから公的年金も目減りしていくことが予想される中、また終身雇用ではなく、転職や独立・起業が当たり前になってきた現代を生きている我々は、このように企業年金と公的年金で十分に暮らしていける目途が立っている世代(いわゆる逃げ切り世代)と同じ考え方をしていてはいけないのだと、改めて感じました。
ライフプランに大きく影響する企業年金
みなさんが勤務されている会社に企業年金制度はありますか?
もし有無がはっきりわからない、もしくは企業年金があるのは知っているけれど詳細はよくわかっていないという方は、
ぜひ一度会社の担当者の方に確認をされたり、規則を確認されることをおすすめします。
金額の大小はあると思いますが、この企業年金の有無によって老後の生活資金は大きく変わってくると思います。
わたしの場合は会社に企業年金がないので、それを踏まえた老後の資金シュミレーションをして、貯金やideco、NISAでの資産形成をしています。
老後資金のシュミレーションをする上で定年退職後の収入を知っておくことは非常に重要なので、公的年金と併せて企業年金についても一度確認をされると良いと思います。
どなたかのご参考になれば幸いです。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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