いけばな歳時記 バラ
バラは中国や近東・西洋で園芸用に栽培化されたバラ属の総称。現代園芸バラの主流モダンローズ(花形・色・香り・四季咲き性)は、近東~東欧~西欧と伝わった栽培種に中国系がかけ合わされ、19世紀に生まれました。
水揚げには雑菌防御が要、器はきれいに洗い水揚げ剤を使います。水が下がりそうなら根元を火がつくまで焼き、新聞紙で包み、しっかり水に濡らし漬け置きします。購入時は棘取りしない(雑菌侵入を防ぐため)、古い外花びらの残った太い茎を選びます。
作例は、最近流行が復活したイングリッシュローズ(芯部の花びらが開いている)に紗布を掛けています。植物以外の素材。→広瀬テキスト79p。
上左 花材・花器も黄色でまとめた色面分割・面的構成。広瀬テキスト51p
上右 葉ザクラにバラを配した自然調自由花。→広瀬テキスト2p。
上左 ハランの緑・黄バラの色面分割・面的構成。広瀬テキスト52p
上右 ナルコユリと枯れソテツを協奏的に構成。広瀬テキスト50p
バラは先端の花といちばん上の葉に距離があり首が伸びたように見えます。花茎を前に突き出すようにして花葉の距離を短く見せる工夫があります。その際、花よりも葉に注意することを葉をいけると言っています。