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STEP7 連載デビューまでの階段について

皆さんこんにちは!専門学校でマンガ講師をやってますMR.ヒデちゃんです。

今回は漫画家として連載までにどのようなステップがあるか?についてお話出来ればと思います!漫画を描かれている人はおわかりかと思いますが、作品を作るのには“かなりの時間”を必要とします。

そんな作品を描き上げて、連載を目指してデビュー活動を行なっていくのが漫画家となります。

そのためのステップについてお話し出来ればと思っておりますので、こちらをデビュー計画の参考にしてもらいましたら幸いです!


〈商業漫画家になるための期間〉

まずは冒頭お話しした“漫画を描くのには時間がかかる”と言う点で、すぐにデビューや連載には繋がりません。

私は専門学校で教えておりますが、その学生にも包み隠さず、“専門学校を卒業してから3〜5年はかかる”というお話をしています。

「え?冗談でしょ」と思うかもしれませんが、実際に卒業生の連載や単行本化までに掛かる期間を見る限りそれぐらいはかかっています。

おおよそ3ヶ月に30~40Pの読み切りを描いたとして、1年で4本。

その作品を運用して、連載までのステップを乗り越えていかなければいけません。しかも描いた作品が全てうまくいくとは限りません。もちろんボツになることも大いにあるわけです…。

…と、のっけからいきなり厳しいお話をしましたが、ここでお伝えしたいのは闇雲に描いていてはいけないということです。

しっかりと知識を付けた上で、今自分がどのステップなのか?そしてこれから何が待ち構えているのか、をわかった上でデビュー活動のペース配分を考えていきましょう!

〈漫画家までのステップ〉

では早速ですが下記の図をご覧ください。

これは漫画家になるためのステップを図解した物です。全部で5ステップありますがそのステップを【下積み】と【安定】で色分けしています。

目標は収入が安定する【連載開始】を目指すことです。

ではその連載開始までのステップを細かくみていきましょう。

【ステップ0 作品完成】
とりあえず作品を作り上げること、これが一番最初のステップです。投稿や持ち込みが可能な漫画作品を成させます。作っただけでは何も始まっていないのでステップ0としています。

【ステップ1 担当つき】
完成した作品はデビュー活動(営業)に使用します。大きくは2つ【編集部への持ち込み】【雑誌賞への投稿】になります。ここで実力が認められれば、編集の方から名刺をいただき、“担当編集者”が付きます。このステップで初めて、自分が描いた漫画を編集の方が認知してくれます。

【ステップ2 賞受賞】
そして担当さんと次に目指すのは、雑誌内での【賞受賞】になります。担当さんと二人三脚で作品を作り、毎月行っている月例賞や、半年に一回の新人賞などで実績を出す事を目標にしていきます。打ち合わせやネームのやり取りを繰り返し原稿制作を進め【賞レース】へ挑んでいきます。そして晴れて受賞した際は賞金というギャラが出て、描いたものが初めてお金に変わるステップです。

【ステップ3 読み切り掲載】
賞レースを抜けたら、次は1話完結の【読切】を新人読切雑誌やアプリに掲載する事が目標です。ここからネームのボツが増えたり、直しがめちゃめちゃ多くなるなどハードルが上がります。賞レースを抜けた時点で、実力はあるのでここは耐え時です!読切が載ると今度は原稿料での収入になるので、【ページ数×平均1万円】の原稿料が入ります。

【ステップ4 連載開始】
そして下積み最後の関門【連載開始】ですが、ここがステップの中で一番厳しいです。連載会議を通すための【連載準備】は冗談抜きで平均1〜2年は掛かります。基準としては、画力やストーリー力も一定以上である必要があり、掲載された読切へのアンケート票や、いいねの評価も高く、そして連載に耐えられるかの生産力が揃って初めて連載会議を突破します。

【ステップ5 単行本発売】
連載が続けば、週刊ですと2〜3ヶ月、月刊ですと4〜6ヶ月ほど単行本の発売になります。紙雑誌だとほぼ確実ですが、一部アプリやウェブトゥーンでは単行本が出ないところもあります。ここから原稿料と合わせて【単行本の印税】が入るわけですがおおよそ売上の10%が収入として入ってきます。聞いた話ではありますが、初版は大手であればおおよそ1万部だそうでそこからの売れ行きで続くかどうかが決まるそうです。


以上のステップを越えて初めて漫画家としての仕事を開始出来るわけです。逆を言えばそのステップを登っていけば、漫画家としてデビュー出来る訳で絵の練習も大切ですが1作品早速作り上げてデビュー活動された方が私は思っています。

〈自己プロデュースの重要性〉

SNSの登場で漫画家は、わざわざ持ち込みに行かなくてもデビュー活動が出来るようになりました。

これはかなり画期的で、今までただ描いて放っていた作品・イラストなどを【広告料を払わず宣伝を打てる】、というかなり強力なツールです。しかも家にいながら可能ため漫画家ととても相性が良く、ここからお仕事につながったり担当が付くと言うことも珍しくありません。

ネットリテラシーは必要になりますが、誰にも知られないで漫画を描くより、もちろんデビューの確率は格段と上がります。

そして自己プロデュースにはもう一つメリットがあって【漫画家志望の方々と繋がれる】と言う大きなメリットもあります。

私は学生に「卒業してから一番気をつけるのは“孤独に描くこと”だ」と注告しています。孤独で描くのはとても危険なことで、どうしても人間一人では、意思がどれだけ強くても過ごしていくうちに意志力は枯渇します。

わからなくても聞けない、制作スケジュールが立てられない、業界の情報が得られない、生活が大変…etc 漫画を描く環境を整えるのすらも一苦労となります。

そうやって漫画を描かなくなる卒業生達をたくさん見てきました。なので自己プロデュースをすることで【漫画を描く環境や人材と繋がることで、デビューのご縁だけではなく、困ったら頼れるコミュニティを作る】アピールをしていきましょう!

〈最後に〉

いかがでしたでしょうか?
このステップを見て「大変だなぁ…」「難しそうだな…」と思うかもしれません。

ただ、このステップを登っていくと確実に漫画家になれるわけなので、計画を立てるために役に立ててもらえれば幸いです。

そしてたくさんの作家さんが漫画業界で活躍していくのを楽しみに応援していきたいところです…!

それではまた!

〈添削のご依頼受けてます!〉

「作品のアドバイスが欲しい!」
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ぜひとも、そんな方々に向けて自分の知識が経験が役に立てばと思い、作品の添削依頼を受けております。

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