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”名著の超訳・速習・図解化”は成功?『成功はゴミ箱の中に』

ひとこと書評

 マクドナルド創業者レイ・クロック自伝『成功はゴミ箱の中に』を、超訳・速習・図解化でわかりやすくしたのが本書、とのことで手に取ってみた。元となっている「名著」がソフトバンクの孫正義氏とユニクロの柳井正氏の”バイブル”だったようで、お二人が解説を書いておられる。
 正直、物足りなかった。ちゃんとレイ・ロックの歩みにそって並べてくれてはいるのだが、切り出してばらばらにされたエピソードと学びは、本質的な前後関係を失い深みがない。あいにく私はこの本を先に手に取っているので、元の「名著」との比較は現時点ではできない。後日比較してnoteに記載したい。
 もちろん、学びはいくつもあったので、以下にメモしておく。(自分の備忘なのでわかりにくい点等はご容赦いただきたい)

はじめに・解説(柳井正、孫正義)

「会社は無限の成長をしない限り存在意義はない。私はそう考えています。そうでないといつの間にか組織が老化し、腐敗してしまう。レイ・クロックは『未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる』と言っています。会社は常に未熟で、しかも成熟へと向かっている。そんなときが会社にとって健康な状態なんですよ」(柳井正)
「僕は座右の銘を教えてくれと頼まれたとき、こんなことを書きます。
-店は客のためにあり、店員と共に栄える。店主と共に滅ぶ-」(柳井正)

超訳・速習・図解 成功はゴミ箱の中に 億万長者のノート
/ レイ・A・クロック著:プレジデント書籍編集部編(プレジデント社,2012年)(p.12、13)

第1章 トップセールスマンの誕生

・セールスマンは、見た目も、行動も、スマートに!
ヨレヨレの服や汚い靴はその人の管理能力の欠如を反映。「そんな人物には、きちんとした仕事はムリ」と判断されても仕方がない。

第2章 商売の極意

・一度に一つのことしか悩むな!そして問題をいつまでもズルズルと引きずるな!
商売は大きくなればなるほど利益も増えるが、その反面、リスクも増えていく。そのリスクに対する耐性の有無が、小市民で終わるか、偉大な事業家になれるかの分かれ目になるのかもしれない。
・部下が誠実に働きつつも時に犯してしまうミスなら許容できる。しかし不正行為には強い意志で処置を取るべきだ
誠実さを欠く人は、管理者や取引先にとって「トラブル予備軍」に他ならない。不正となると言語道断。同時に、不誠実は黄信号でもある。このようなゆるぎない人物判定基準を持っていたからこそ、レイは世界一のチェーンの経営者として成功を収めることができた。

第3章 契約とビジネスモデル
・私は、契約には常に誠実な気持ちで臨んだ。たとえ相手が私をだまそうとしているときでさえ……
ここは額面通りではない学び。誠実であるのは当たり前と考えるゆえに、わざわざこういうことを言う習慣を持たない。しかし時にはこういう発言も使えるようになるべきだろう。

第4章 フランチャイズビジネス

・洞察力のある判断は、下す本人以外には独断的に映る
いわゆるKKDの、天才肌創業者あるある

第5章 キャッシュの流れ

・借金なくしての急成長は不可能だった
保険会社から自社株を担保に借り入れて直営店を増やしビジネスを展開。借金をテコに成長を続けていった。
第6章 取引先と組織
・職権というものは一番下のレベルにいる人の手にあるべきだ。実はそんな組織が一番強い
マクドナルドでも、参謀で社長になったハリーとの考え方の違いで軋轢が生まれた。ハリーはハンバーガービジネスでなく不動産業と自社を捉えていた。ハリーの辞職により、職権は社員たちの手に戻った。

第7章 顧客の喜ばせ方とヒット商品の作り方

やり遂げろ!-この世界で継続ほど価値のあるものはない
才能は違う-才能があっても失敗している人はたくさんいるではないか!
天才も違う-恵まれなかった天才は、ことわざになるほどこの世にいるではないか!
教育も違う-世界には立派な教育を受けた落伍者がいっぱいいるではないか!
信念と継続だけが全能である!

同書(p.186-187)


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