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ウルトラマンヴァルキリー【第17話 帰る場所なき兵器】

「これより、人間奴隷計画を始める」
地球に迫るUFOで、恐ろしき作戦が始まろうとしていた。
「まずはあの兵器で地球の戦力を削るのだ。」

侵攻星人 グレイ

グレイは1人の少女に指示する。

データ少女 アイ

少女の目には光がなかった。
グレイ「わかってるだろうな、アイ。
我らが最高傑作よ。」
アイはコクリと頷く。
アイはデータディスクに吸い込まれると、謎のロボットに差し込まれていった。ロボットの複眼が赤く光る。

戦闘用殲滅兵器 アイ・アニリータ

アニリータは地球へと降り立った。
それを追う様に円盤も地球へ向かった。

一方地球
メイは1人悩んでいた。
ヤエ「どうしたの?そんな顔して」
メイ「高山隊員…あの、私って役に立っているのかなって…」
メイは語り出す。
メイ「私って、皆んなと違って戦える様な力はなくって…ここにいてもいいのかなって…」
ヤエ「何言ってるのよ!」
ヤエはメイの肩を叩く
ヤエ「あなたのオペレーション能力があるだけでも、立派な戦力よ。いい?戦うことが戦力の全てじゃないわ。」
メイの顔が明るくなる。
その時、激しい揺れが基地を襲う
マコト「皆んな無事か!?」
オペレート室に隊員達が急行する。
ヤエ「え、えぇ…大丈夫です。」
サトシ「なんだなんだ?」
メイが状況を解析する。
メイ「隊長!基地付近にロボットが出現しました!」
マコト「ロボット?」
メイ「ロボットは破壊活動をしながらこちらへ向かっています!」
サトシ「はぁ!?」
基地内が混乱する。
マコト「まさか、基地が特定されてしまったのか!?」
メイ「いえ、あちらは気づいてないようです。」
ツトム「バスターホークで行こうにも、出撃したら敵に見つかってしまう…」
マコト「よし、ここは地上作戦に出るぞ!全員、出撃せよ!」
隊員達「了解!」
隊員達はMAGガンを片手に出撃した。

アニリータは複眼から放たれる破壊光線であたり一面を攻撃する。
グレイ「アイ、状況はどうだ」
アイ「今のところ外敵は確認されていません。」
グレイ「フッ、この星は平和ボケしてるな…」
アイ「…」
侵攻するアニリータを隊員達はチャンスを探る。
マコト「ここは爆裂弾で応戦するぞ」
ケンジ「待ってください、それでは私たちの居場所が奴にバレてしまいます
ここは起爆弾で応戦しましょう。」
サトシ「つまり、起爆弾の特性である起爆タイミングを調整できるというとこを生かすってことか!」
マコト「了解した。全員、起爆弾で攻撃せよ!」
隊員達は起爆弾をアニリータに着弾させる。
ケンジ「奴は気づいていない様ですね…」
しかし、隊員達の真後ろで爆発音が響いた。
サトシ「な、何だ!?」
ヤエ「隊長、円盤に気づかれた様ですね。」
グレイが乗る円盤が彼らを見逃さなかったのだ。
グレイ「地上ならバレない様だと思ってたらしいが、空を忘れるではないぞ。アイ、私が指定した方向に光線を放つのだ。」
アイ「了解しました。」
アニリータの掌でエネルギーがチャージされる。
ヤエ「皆んな下がって!」
ヤエはヴァルキリーアームを右腕に装着する。
それと同時にエネルギー弾が発射される。エネルギー弾は大爆発を起こした。
グレイ「…アイ、仕留め損なってる」
そこにはヴァルキリーシールドで光弾を防ぐことに成功したウルトラマンの姿があった。
グレイ「厄介な相手だ。アイ、ウルトラマンを倒せ。そいつを倒せば我々の計画も安定することだろう。」
アイ「了解しました。」
グレイ「だが、仕留め損なったらどうなるかはわかるな。」
アイ「…」
アニリータは腰から銃を取り出し、ウルトラマンを狙撃する。ウルトラマンはヴァルキリーシールドで弾丸を防ぎながら一気に距離を詰める。
アニリータは銃をしまい、拳でヴァルキリーシールドを砕く。シールドを砕いた拳はウルトラマンに直撃した。
ウルトラマンが怯んだ所に銃で追撃する。更にそこから飛び蹴りで追い討ちをかける。ウルトラマンは大きく吹き飛ぶ。ウルトラマンは受け身を取り、ヴァルキウムショットで反撃する。ヴァルキウムショットはアニリータに直撃する。ウルトラマンが空へと飛び立ち、流星キックを決めようとした。しかし、謎の爆発によってウルトラマンは撃墜される。そう、円盤による攻撃だ。アニリータは電撃ムチでウルトラマンを容赦無く叩きのめす。ムチはウルトラマンを拘束すると電撃で攻撃した。ウルトラマンのカラータイマーが鳴る。
ケンジ「ウルトラマン!今助けるぞ!」
ケンジはボタンを押した。それと同時にアニリータに付着していた起爆弾が起爆した。アニリータはよろめき、ウルトラマンの拘束が解かれた。
グレイ「地球人の攻撃がなんだ!アイ!やってしまえ!」
アイは接近戦に持ち込もうとした。ウルトラマンは拳で即座に攻撃した。拳はアニリータの腹を貫通した。
アニリータは大きく後退する。
ウルトラマンはヴァルキウム光線でトドメを刺そうとした。しかし、ウルトラマンは躊躇った。
アニリータは何かに畏怖したのか、戦意を喪失し、膝から崩れ落ち、泣き始めた。
グレイ「アイ、言ったよな?仕留め損なったらどうなるかを?貴様は兵器としての資格を失った。よって、ここで破壊する。」
円盤から光線が放たれる。光線はアニリータを苦しめた。
アイ「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、許してください、許してください、許してください…」
グレイ「兵器として機能しないお前に最早価値はない。価値なきものは、破壊するだけだ。」
ウルトラマンは拳を固く握りしめると、ヴァルキリーシールドを展開し、光線の軌道上にフリスビーの様に投げた。光線は軌道上に障害物ができたことによりアニリータに当たらなくなった。
グレイ「邪魔をするな!」
ウルトラマンはヴァルキウムショットで円盤を攻撃した。
円盤から黒煙が出る。
グレイ「おのれウルトラマン!次はお前だ!」
円盤の銃口がウルトラマンに向けられる。
ウルトラマンはヴァルキリーアームに手をかざし、エネルギーを充填させ、円盤に向けて光弾を発射した!

ヴァルキウムスパークだ!

ヴァルキウムスパークは円盤に直撃。
円盤は爆散した。
ウルトラマンは悲しむアニリータに駆け寄り、優しく慰めた。
アイ「私の存在価値はない…帰る場所も、居場所なんてものもないの…パパもママも居なくなって、ひとりぼっちになって、奴らに拾われて、兵器として利用されて、作戦を遂行できずに、最後は殺されるんだ」
ウルトラマン「大丈夫、君の存在価値はあるさ。それに、もうすぐ居場所が見つかるはずさ。」
アニリータは安堵するとウルトラマンの胸の中で活動停止した。
ウルトラマンは空を見上げると、飛び立っていった。
ウルトラマン「シュワッチ!」

2週間後
マコト「このMAGに新メンバーがやって来る。」
隊員達は不思議そうにこちらを見つめる。
ケンジ「新メンバーはこれです。」
ケンジはメモリーディスクを見せつける
サトシ「なんだ、馬鹿にしてるのか?」
ケンジは新しくつけたプロジェクターにメモリーディスクを差し込む。
そこから実体化したのは、アイだ。
アイはオドオドしている。
マコト「ということで、新メンバーとしてアイが来たんだ。」
アイ「アイです…よろしくお願いします…」
アイは恥ずかしそうに俯く。
メイが優しく語りかける。
メイ「私は三山芽衣、よろしくね。」
他の隊員達も優しく話しかける。
ケンジ「私は神城賢治、よろしくお願いします。」
ツトム「俺は中田ツトム、よろしくな」
ヤエ「私は高山八重、よろしく」
サトシ「俺は田山聡、よろしくな!」
アイの表情が明るくなる。
アイ「皆んな、よろしくね!」

一方アニリータはMAGにより修復、改造され、MAGの新戦力となったのだ

続く

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