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ウルトラマンヴァルキリー【第2話 正義の剣】

ウルトラマンヴァルキリーが地球にやってきてから数日のこと、MAG本部のオペレーター室にて謎の電波をキャッチした。
メイ「隊長、謎の電波をキャッチしました。」
マコト「よし、今すぐに解析してくれ。」
受信された電波は、すぐに解析された。そこには恐ろしい内容が書かれていた。
メイ「解析が終わりました。」
サトシ「なんと書かれていたんだ?」
メイ「今データとして出力します。」
解析機のモニターには解析された文章が載っていた。内容はこうだ。

我々はベイダー星人だ。
我々の住処であるベイダー星は化学実験による爆発で滅びた。
我々は今現在、次の移住先である地球を求めて接近している。
ただ、これをキャッチしているということは生命体が棲んでいることは確かだ。
そこで我々は武力行使に出る
今から30分後に我々の戦艦に搭載されている偵察兼戦闘機がこちらに向かうだろう。
地球に棲む生命体よ、我々には抵抗できまい。諦めるんだな。

ベイダー星人が地球を乗っ取ろうとしていたのだ。
ツトム「諦めろだと…?ふざけるな!俺たち人類を舐めやがって!」
ケンジ「中田隊員、落ち着いてください。相手がどういう状況でこちらに向かうかは分からないのに突撃するのはよくありません。」
ヤエ「隊長、ここはバスターホークで迎撃しましょう。」
隊員が話す中、メイが報告する
メイ「た、隊長!またもやベイダー星人と思われる電波をキャッチしました。」
マコト「なに?!」
メイ「解析が終了しました。データとして出力します!」

地球に棲む生命体よ
我々のデータを解析したようだな。
我々はもう間も無くこちらへ攻撃を開始する。強力な兵器を所有するMAGという部隊を潰せば略奪が楽になるからな。
もし抵抗しようものなら我々は最終兵器を使う。嫌なのであれば我々に降伏することだな。

それと同時に基地が揺れる
メイ「隊長!基地付近の市街地にて攻撃がありました!しかも複数台確認しました!」
ベイダー星人が攻撃を開始し始めた。
ツトム「舐めやがって!隊長、出撃しましょう!」
マコト「わかった!全員、出撃体制に入れ!」
一同「了解!」
MAG基地の付近の山からバスターホークが出現する。
市街地では複数の円盤が光線で街を破壊している。さらに地上にはベイダー星人が人々を光線銃で攻撃していた。
サトシ「隊長、私と高山隊員で地上で襲っているベイダー星人を殲滅します」
マコト「了解、気をつけるんだぞ!」
サトシ隊員とヤエ隊員はパラシュートで地上に降り立った。
地上では、ベイダー星人が無差別殺戮をしていた。
サトシ「これ以上被害を出してたまるか!行くぞ!」
ヤエ「了解!」
2人はアトミックガンを構え、ベイダー星人を迎撃した。
ベイダー星人「ギャアアアア!」
ベイダー星人にアトミックガンの弾丸が当たり消滅していく。それでも数は一向に減らない。
サトシ「くそっ!こいつら数で押してきやがる!」
それもそのはず、空中から破壊活動を行っている円盤から次々とベイダー星人が出てくるのだ。
ヤエ「隊長、ベイダー星人はどうやら破壊活動を行っている円盤から次々と出てきては殺戮を行っているようです。」
バスターホークは円盤と交戦していた。
ツトム「隊長、ヤエ隊員から通信がありました。」
マコト「わかっている。ここは分裂式ミサイル弾で一気に叩くぞ」
ケンジ「了解!分裂式ミサイル弾発射!」
ボタンを押したと同時に3発のミサイルが発射された。ミサイルは分離を繰り返し、やがてベイダー星人の円盤に雨のように降り注いだ。円盤はミサイル直撃により爆散していった。
ケンジ「隊長!やりました!」
円盤は先程の分裂式ミサイル弾により全滅した。
それと同時にベイダー星人は混乱を始めた、その隙にアトミックガンの弾丸により次々と倒されていく。
ベイダー星人が一掃された頃、何か大きな影が接近した。それは全ベイダー星人が乗った巨大円盤だった。

ベイダー星人「人類よ、よくも我々の同胞を殺したな。我々はもう容赦しないぞ!ここに我々ベイダー星人の最終兵器を使う!」

巨大円盤は変形を始め、やがて人型のロボットへ変身した。
ベイダー星人「これが我々の最終兵器、インベドル01だ!」
インベドル01は肩に装着されたミサイル砲からミサイルを発射し、当たり一面を攻撃し始めた。
バスターホークはレーザー砲で応戦するも全く持って効かない。
ツトム「ちくしょう!なんて堅さだ!ならば接近するまで…」
マコト「無茶をするな中田隊員!バスターホークはMAG唯一の戦闘機だ。こいつが破壊されたら今後の活動に支障が出るぞ!」
バスターホークが大きく揺れる。どうやらインベドル01のレーザーに被弾しまったようだ。
ケンジ「隊長!このままでは墜落します!」
バスターホークは不規則な軌道を描きながら高度を下げていく。
ヤエ「隊長!」
ヤエはバスターホークの方向へ走りながらヴァルキリーアームを手にし、右腕に装着する。
シュワァー…
光の玉がバスターホークに接近し、キャッチする。
ウルトラマンが姿を現した。
マコト「ウルトラマン…ヴァルキリー」
ケンジ「隊長、ウルトラマンヴァルキリーとは?」
マコト「あの巨人の名前だ。」
ツトム「ウルトラマンヴァルキリーか…ありがとう!ウルトラマン!」
ウルトラマンは深く頷くとバスターホークをゆっくりとおろした。
ウルトラマンはインベドル01の方向へ振り返る。
ベイダー星人「ほう、ウルトラマンがここにいたとは…だが、我々が開発したインベドル01には勝てない!」
ウルトラマン「ベイダー星人、なぜ罪のない者たちを殺した!なぜここへきたんだ!」
ベイダー星人「教えてやろうウルトラマン。我々の星、ベイダー星は元々は地球のような星だった。たが数々の実験などで廃れていった。人類には我々の化学実験で滅びたと言ったが、あれは嘘だ。本当は地球に目をつけてわざとベイダー星を破壊したのだよ!」
ウルトラマン「なっ…」
ベイダー星人は、地球に目をつけた上で己の故郷を自らの手で滅ぼしたのだ。
ベイダー星人「どこぞの星人とは訳が違うのだよ。そして地球を第二の故郷にするため、たとえどんな手段を使ってでも人類を滅ぼしにきたのだよ。当初は降伏するなら奴隷にしようと思っていたのだが降伏しなかったんでね、こうやって殺戮したのさ!」
ウルトラマンは拳を固く握る
ウルトラマン「そんなこと、許されてたまるか!シェアッ!」
ウルトラマンは飛び蹴りをした、しかしインベドル01には効かなかった。
ベイダー星人「邪魔者は排除する。それがベイダー星人のセオリーなのだよ!」
インベドル01はウルトラマンを腕で薙ぎ払った。吹き飛ばされたウルトラマンに光弾で追撃する。ウルトラマンは負けじとヴァルキウムショットで応戦する、しかし光弾に相殺され届かない。ウルトラマンは接近してきたインベドル01に至近距離でヴァルキウムショットで攻撃した。インベドル01が怯んだところをタックルで追撃した。インベドルはジェットパックを展開し空中へ逃げた。インベドル01は空中からエネルギー光弾を雨のように発射した。
マコト「伏せろ!」
付近にいた隊員と戻ってきたサトシ隊員はバスターホークで身を守った。幸いにもバスターホークには光弾は直撃しなかった。
ウルトラマンはヴァルキリーシールドを展開し、弾幕を防ぎながらインベドル01に接近する。そして至近距離でアッパー、インベドル01が大きくのけぞったところへ踵落としで撃墜する。思い切り地面に叩きつけられたインベドル01はすぐに立ち上がった。同時にウルトラマンが着陸する。
インベドル01片腕から剣を取り出す。
ベイダー星人「これで終わりだと思ったか!ウルトラマンよ」
咄嗟の攻撃に反応できず、ウルトラマンは斬撃に当たってしまう。更に追撃をもらい大きく怯む。
ベイダー星人「終わりだ!」
インベドル01は胸から砲台を出すとエネルギーをチャージし始めた。
ウルトラマンが放ったヴァルキウム光線とインベドル01の砲台から放たれたレーザー砲がぶつかり合う。しかしヴァルキウム光線がレーザーに弾かれ、ウルトラマンはレーザー防ぐ間も無く直撃してしまう。
ウルトラマン「グァァァッ!」
ウルトラマンは倒れてしまう。それと同時にカラータイマーが鳴る。
ベイダー星人「さて、トドメと行こうか。」
インベドル01はまた片腕から剣を取り出し、ウルトラマンに接近する。途中で隊員達のアトミックガンの攻撃を受けながらも、歩みを止めない。
インベドル01が剣を振りかざした時、ウルトラマンが立ち上がる。
ウルトラマンはヴァルキリーアームから、ヴァルキリーカリバーを展開する。
ベイダー星人「なにっ?!」
インベドル01が剣を振おうとしたその時、剣が展開されていた片腕がヴァルキリーカリバーによって切断される。
更にそこから追撃を加える。
ベイダー星人「こ…こんなの想定外だ!」
ボロボロになったインベドル01を目の前にウルトラマンはヴァルキリーカリバーを大きく構える。ヴァルキリーカリバーは白く輝き始める。
ベイダー星人「ま、待ってくれ!このインベドル01には5億ものベイダー星人が乗っているのだぞ!」
ベイダー星人は命乞いを始める
ベイダー星人「確かに我々ベイダー星人5億人がこのインベドル01を操作していたのは確かだ。だ、だが我々としてはこれ以上の犠牲は出したくない!だから、平和的交渉に出ようじゃないか」
ウルトラマンは少し戸惑う
ツトム「ウルトラマン!騙されるんじゃねぇ!あいつらは油断したところを叩くつもりだ!」
ウルトラマンはハッとなる。よく見るとインベドル01のミサイル発射口が開いており、中にはミサイルが詰まっていた。ウルトラマンは覚悟を決めた。
ウルトラマンはヴァルキリーカリバーを天に掲げる。ヴァルキリーカリバーが青白く光始める。
ベイダー星人「ま、待て!話せばわか…」
ベイダー星人が言い終わる前にインベドル01は縦に切り裂かれた。ヴァルキリースライスだ!
ベイダー星人「ギャアアアア!」
ドゴォォォォォ!チュドォォォオン!
インベドル01は大きく爆発した。
ウルトラマンはヴァルキリーカリバーをしまうと空へ飛び立った。
シュワッチ!

ヤエ「新しい武器?」
マコト「あぁ、アトミックガンの改良版、MAGガンだ。」
ベイダー星人の脅威から3日後、MAGの新しい武器であるMAGガンが配布された。
マコト「これでベイダー星人のような侵略者と対等に戦えるだろう。今後はこれを使い任務に取り組んでもらいたい。」
一同「了解!」

ツトム「にしても、ベイダー星人が乗っていた円盤が変形したロボットを一刀両断したウルトラマンはすごかったな!まさに正義!」
サトシ「でも、あれでよかったのか?ウルトラマンは確かに俺たちにとっては正義の味方だったけど…ベイダー星人にも正義ってもんがあったんじゃないかな?」
ツトム「あんな身勝手な奴らに正義なんてあったのか?」
2人の話にヤエが入る
ヤエ「あったと思う。彼らは己の故郷が危険なことになったことに責任を持ってるんじゃないかな?地球という己の故郷と似た環境をした移住先にいくためにわざと住んでいた故郷を破壊した、でも私たち人類が危険だと思いこうなったのでは?」
サトシ「でも、そう考えるとウルトラマンは残酷なことをしたな…」
ヤエは神妙な顔つきになった。
ヤエ「正義には時に残酷さも必要になるのよ。ウルトラマンが正義の味方なら、時に正義のために残酷になることだってあるわ」
ヤエは持っていたコーヒーを一口飲んだのだった…

続く

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