ウルトラマンヴァルキリー【第4話 オーロラが煌めく刻】
ここ最近、太陽フレアが頻発したことにより世界各地でオーロラが観測されている。ここ日本でも明日にはオーロラが観測されるらしいと話題である。
そんな中、2人のカップルが夜空を見ながら歩いていた。
猛「美智子さん。明日は、ここ日本でもオーロラが見れるらしいよ」
美智子「そうなの!?見てみたいわね、オーロラ!」
猛「俺、ちょうどいいスポットを知ってるんだ。明日そこで一緒にオーロラを見ようよ」
美智子「いいわね!行きましょう!」
そう話している間に別れ道に近づいてきた。
美智子「じゃあね!また明日!」
猛「じゃあな!」
美智子「明日、楽しみにしてるわ」
そう言って2人は別れた。
美智子が夜道を歩いていると、背後から何者かに捕まってしまった。
???「フフフ…ちょうどいいな」
メイ「オーロラかぁ、きっと綺麗だろうなぁ…」
同じ頃のMAGオペレーター室、職務中のメイが明日観測されるオーロラを想像しながらうっとりとしてた。
ヤエ「わかるよ…きっと綺麗だろうなぁ…」
メイ「でも私達は年中無休で働いてるもんなぁ、オーロラはきっと見れないだろうなぁ…」
そこへコーヒーを持ったケンジが入ってくる。
ケンジ「お話のところ失礼だけど、コーヒーだよ。」
2人はケンジが作ったコーヒーを一口飲む
メイ「あぁ〜、このコーヒーを飲みながらオーロラみたいなぁ…」
ケンジ「なら、屋上に行ってみてはどうでしょうか?私もお付き合いしますよ」
3人はコーヒーを飲みながらうっとりとしていた。
美智子「…う、うーん…ここは?」
美智子は気を失っていたようだ。目を擦ると目の前には異星人がいた。
美智子「あ、あなたは?」
美智子は微睡みながら異星人の正体を見破ろうとした。
オーロラ星人「私はオーロラ星人。早速だが、君は我々の任務の適合者となった。今日の夜、我々オーロラ星人の作戦に付き合ってもらおう…」
美智子がはっきりと目を覚ますとそこは自宅のベットの上、外は朝日が輝いている。今日はオーロラが観測される日だった。
美智子「きっと、変な夢よね。」
一方オーロラ星人の円盤
オーロラ星人「こちら、オーロラ星人工作員。作戦は順調です。」
オーロラ星人は遠く離れたオーロラ星の仲間に通信を行っていた。
「よろしい、我々の地球人奴隷計画も大詰めだ。だが、地球にはウルトラマンがいる。」
オーロラ星人「ご安心ください、私には奴を倒せるものがございます。」
「そうか、成功を祈るぞ」
オーロラ星人「了解しました…」
夜
2人は待ち合わせ場所の公園に来た。
猛のポケットには結婚指輪が入っていた。2人は光輝く都会の街を歩いていた。
美智子「それで、そのスポットはどこなの?」
猛「とっておきだぞ?今日は君のためにレンタカーを借りたからすぐにいけるぞ。だけどちょっと遠くに止めてしまったから歩いて行こうか」
2人は手を繋いで歩いていた。この幸せが長く続いていく…
しかし、怪しい影が2人を見つめている
オーロラ星人だ
オーロラ星人「こちら工作員、これより人間奴隷計画を始める」
オーロラ星人は謎のスイッチを押した。
その瞬間美智子が苦しみ出す
美智子「う…く…苦しい…」
胸からの痛みはやがて全身に広がっていく、やがてうずくまってしまった。
猛「だ、大丈夫かい!?」
猛が美智子に触れようとした時
美智子「ヴォォォォォォ!」
まばゆい閃光の先には、怪獣が佇んでいた。
オーロラ怪獣オロライクイーンだ
オーロラ星人「フハハ!さぁ!暴れろ!」
オロライクイーンは立ち並ぶビルを次々と破壊した。
猛「美智子さん…クッ…」
猛は身を守るため逃げた。
MAG本部では緊急事態を知らせるブザーが鳴り響いていた。
メイ「あーん!オーロラ見たかったのにー!」
メイがオペレート画面を見る。
メイ「街に怪獣が出現しました!」
そこへ隊員達が戻ってくる
マコト「なに!?街に怪獣が!?」
サトシ「しかもそこ、人口密集地じゃねぇか!」
マコト「被害が出る前に出現する!」
一同「了解!」
隊員達が出動したその時
メイ「待ってください!これを…」
モニターには飛行機に向かって口から怪光線を放つ怪獣の姿が映っていた。
飛行機には何の外傷もなかったのだが突然高度を下げ、やがて墜落してしまった。
ケンジ「まさか、あの怪獣の怪光線には特殊な力が…?」
マコト「その可能性がある。よし、バスターホークではなくソニックカーで現場に向かうぞ!」
一同「了解!」
隊員達は、MAGの戦闘兼移動用マシン「ソニックカー」で出現した。
オーロラ星人「いいぞ!もっとやれ!」
オロライクイーンは立ち並ぶビルを破壊し続けていた。
そこへソニックカーが到着する。
マコト「なんてことだ…よし!作戦開始!」
隊員達はMAGガンを持ちオロライクイーンに突撃した。
オーロラ星人「フフフ…あと少しだ」
オーロラ星人は不敵な笑みを浮かべた
オロライクイーンは怪光線を隊員達に向けて放った。
マコト「避けろ!」
隊員達は間一髪で避け切れたものの怪光線はソニックカーに直撃した。
ヤエ「隊長!ここは私がウルトラマンになって奴を倒します!」
マコト「了解!我々が援護する!」
ヤエはヴァルキリーアームを装着した。
シュワァー…
ヤエが光に包まれたと同時に1人の男がやってきた。オロライクイーンとなってしまった美智子と一緒にいた猛だ。
猛はMAGが来たという話を聞きつけここに来たのだった。
ツトム「おい!ここは危険だ!」
猛「違うんだ!あの怪獣は俺の彼女が変異した姿なんだ!」
マコト「話は後で聞く!とりあえず今はソニックカーで退避するんだ!」
隊員達がソニックカーに戻ろうとした時、サトシがこちらへ走ってくる
サトシ「隊長!ソニックカーが動きません!」
マコト「何っ!?」
なんと、怪光線が直撃してしまったソニックカーはエンジンがかからなくなってしまった。
マコト「やはり神城隊員の仮説は正しかったのか…よし!ソニックカーはおいて撤退するぞ!」
隊員達が近くの建物に撤退している後ろではウルトラマンとオロラクイーンが睨み合っていた。
夜空にオーロラが煌めく中、ウルトラマンの戦いは始まった。
ウルトラマンがヴァルキウムショットで牽制する。オロライクイーンが怯んだところにドロップキックで追撃した。
オロライクイーンはウルトラマンに向かって怪光線を放った。ウルトラマンは怪光線に直撃してたが、ウルトラマンは無傷だった。
ウルトラマンはまたヴァルキウムショットを放とうとした、しかしヴァルキウムショットが出なかった。
なんとヴァルキリーアームが白く凍結してしまったのだ。ウルトラマンが困惑しているとオロライクイーンが突進してきた。ウルトラマンが吹っ飛ばされたところへ、今度は虹色に輝く光線を口から発射した。ウルトラマンは倒れてしまった。オロライクイーンの雄叫びが響く中、カラータイマーがなり始める。
オーロラ星人「やれ!ウルトラマンを倒せ!」
オロライクイーンは口いっぱいに先程の光線のエネルギーを溜め始めた。最大火力の光線のようだ
マコト「ウルトラマンを援護しろ!」
隊員達がMAGガンを撃つも全く効かない。
猛「美智子さん!もうやめてくれ!」
猛はオロライクイーンに呼びかける
猛「美智子さん!なんで貴方が怪獣になったのかはわからない。でも、こんなことはもうやめてくれ!目を覚ましてくれ!」
オロライクイーンが少し動揺する
猛「美智子さん!」
猛の叫びによりオロライクイーンは光線のチャージをやめた。そしてこちらに目を向ける。
「猛…さん…?」
オロライクイーンは戦意を失った。
猛「そうだよ美智子…俺だよ…」
オロライクイーンは泣き出してしまった
オーロラ星人「貴様は用済みだ、オロライクイーン」
そこへオーロラ星人が現れ、スイッチを押した。
それと同時にオロライクイーンが突然苦しみ出す。
「ウ…グ…グ…」
猛「美智子さん、どうしたんだ!?」
それと同時にウルトラマンが立ち上がる
「猛…さん…愛……して…る…」
オロライクイーンがオーロラのような光を身体中から放出し始めた
「イヤァァァァァァァ!!!」
チュドォォォオン!
オロライクイーンはまるで女性の叫び声のような断末魔を上げ、爆散してしまった。
猛「美智子…さん…」
猛は膝から崩れ落ちる
マコト「なんてことだ…」
サトシ「なんて、酷いことを…」
そこへオーロラ星人が巨大化し、ウルトラマンに立ちはだかる。
オーロラ星人「オロライクイーンは処分した。あとは我々オーロラ星人の人類奴隷計画の邪魔となるウルトラマンを倒すだけだ。」
猛「美智子さんを…返せ…」
オーロラ星人「美智子、あの人間の名前か?あいつは我々オーロラ星人の道具となったのだよ!フハハハハ!」
ウルトラマンは拳を固く握りしめる
オーロラ星人「光線技を封じられたウルトラマンなど、我の敵ではない!」
オーロラ星人が突撃し殴りかかろうとしたその時、ウルトラマンの拳が直撃する。ウルトラマンは怒りに燃えている
オーロラ星人「む…無駄な抵抗はやめておくんだ…」
またもやウルトラマンの拳が直撃する。更にラッシュをかける。
オーロラ星人「お、おかしい…こんなはずでは…」
ウルトラマンは腕を十字に組んだ。
スペシウム光線だ!
スペシウム光線はオーロラ星人に直撃した。
オーロラ星人「ギャアァァァァ!」
オーロラ星人は氷のように砕け散った
ウルトラマンは深く俯いた後、天を見上げ飛び立った
ウルトラマン「シュワッチ!」
ウルトラマンは太陽の近くまで接近し、ヴァルキリーアームを掲げた。
するとヴァルキリーアームの氷が溶け、ヴァルキリーアームが復活した。ウルトラマンはまたどこかへ飛び立った。
メイ「…そんなことが」
隊長の報告にメイが俯く。
ツトム「そういえば猛とかいう奴、俺たちが撤収する時にいなくなってたけど、どこ行ったんだろうな?」
その頃、猛は崖の上に立っていた。
ここは美智子と一緒にオーロラを見るはずだった場所、手には渡すはずだった結婚指輪が握りしめられている。
目の前で死んでいき、謎の異星人に道具のように利用されていた彼女とはもう会えない。もう一緒にオーロラを見れない。
だが…彼には一つの希望があった
猛「美智子、今行くよ…」
朝日が差し掛かる時、猛は崖の外へ一歩踏み出したのだった…
続く
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