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ウルトラマンヴァルキリー【第6話 怪獣の種】

とある小学校にて、課題として将来の夢と題した作文を読んでいた。立っていたのは三郎くん、三郎くんは自分で書いた作文を読み上げていた。
三郎「僕の将来の夢は、怪獣になることです。」
そう読み上げた時、周りの皆んなが笑い始める。
「怪獣になれるわけねーじゃん!」
「三郎のやつ、なにいってんだ!」
三郎くんは座り込んでしまった。
そこへ先生の一声
先生「はーい、皆んな静かに!皆んな、人の将来の夢を笑ってはダメよ」
しかし、ガキ大将の剛が反論する
剛「でもさー先生、怪獣になりたいって馬鹿馬鹿しいぜ!三郎はまだまだお子様だなぁ!」
剛の仲間たちが大声で笑い出す。
「ちょっと男子!三郎くんが可哀想よ!」
女子達が援護するも剛達は話を聞かない。
三郎はずっと下を向いていた。

下校のチャイムが鳴り響く。
三郎くんは剛達に見つからないように帰ろうとした。が、見つかってしまった。
剛「お前、さっき怪獣になりたいって言ってたな!お前はまだまだ子供だから俺が稽古をつけてやる!」
そういうと、剛達は三郎くんを殴り、蹴り、暴行した。
そこへ見回りの先生がやってくる。
「コラっ!まてぇい!」
剛達は颯爽と逃げて行った。
「君、大丈夫か?」
あざだらけの三郎くんを心配した先生、しかし三郎くんはどこかへ走って行った。

帰り道、三郎くんは悔しさで泣いていた。自分はただ怪獣になりたかった、映像内で暴れる怪獣になりたかった、いつしか怪獣となってウルトラマンと戦ってみたかった。しかし、自分よりも力が強く、おっかない剛にその夢を「お子様みたいだ」と馬鹿にされた。三郎くんはトボトボと帰りながら、近くの公園のブランコに座っていた。
するとそこへスーツ姿に帽子を被った人が現れた、顔は暗くて見えない。手にはバックを持っている。
???「なぁ君、そんなに泣いてどうしたんだい?」
三郎「おじさんだぁれ?」
???「僕かい?僕はシード星からやってきた宇宙人さ」
彼は自然溢れる星、シード星からやってきたシード星人だ。
三郎「シード星?」
シード星人「そう、遠い遠い、宇宙の彼方からやってきたのさ」
シード星人は隣のブランコに座る
三郎「おじさんはなんでここに来たの?」
シード星人「僕かい?僕は地球を調査しに来たのさ。」
三郎「おじさんは悪いやつなの?」
シード星人「僕は決して悪いやつじゃないよ。」
三郎くんの涙は止まっていた。
シード星人「そういえば君は、なんで泣いていたの?」
三郎くんは今日会ったことを全て話した。
シード星人「そういうことがあったのか…」
シード星人が立ち上がる
シード星人「よし、それじゃあ僕が君の夢を叶えてあげよう」
シード星人はバックから袋を取り出す
三郎「おじさん、それはなに?」
シード星人「これは怪獣になれる種が入ってる袋さ、僕の星では希少なものなんだ。」
三郎くんは目を輝かせる。
シード星人「これを飲めば君は怪獣になるだろう。」
シード星人は三郎くんに怪獣の種が入った袋を渡した。
シード星人「もし困ったらここにおいで、この種のことは僕が1番知ってるからね。」
三郎くんが帰ろうとした頃にはシード星人はいなくなっていた。手には怪獣の種。三郎くんは急いで帰った。

三郎くんは自分の部屋で、怪獣の種を飲み込んだ。しかし、何も起こらなかった。
三郎「あれぇ?おかしいな?」
三郎くんはそのまま眠ってしまった。

翌朝
三郎「ママー、おはよー」
三郎の母「あらおはよ…」
三郎くんのお母さんはしゃもじを落としてしまう。
三郎「お母さんどうしたの?」
三郎くんは洗面台に行き自分の姿を見た。そこには怪獣の姿があったのだ!
三郎「うわぁ!怪獣だぁ!」
典型的な怪獣の姿

少年怪獣 シドリム

誕生の瞬間である。

そこへ三郎くんの父がやってくる。
三郎の父「おっ、お前三郎か?」
シドリム「そうだよパパ」
三郎の父「はぇー、お前怪獣になったのか!よかったな!」
三郎の父は驚くことはなかった。
シドリムは朝ごはんを食べた後、学校へ行った。

シドリム「先生おはようございます」
校門の前に立っていた先生に挨拶をするシドリム
「おう、おはよ…」
先生が急いで振り向く
「怪獣だ…」
先生はポカーンとしていた。
教室に入ったシドリム
シドリム「皆んなおはよー!」
皆んな驚いていた。
そこへガキ大将の剛がやってくる。
剛「よーっす…」
目の前には等身大の怪獣が佇んでいた
剛「か、怪獣だぁー!」
剛は腰を抜かしてしまった。
シドリム「剛くん!僕だよ!三郎だよ」
シドリムは三郎という名前を聞くといつもの姿に戻った。
剛「なんだ、おっかねー見た目して中身はお子様の三郎か!」
剛達は爆笑した。
シドリム「お子様なんて、失礼だなぁ」
剛「こんなんなら、昨日みたいにボコボコにできそうだな!」
剛はシドリムを殴った。しかし、シドリムはビクともしない。
剛「…あれ?」
シドリムは剛を引っ叩いた。すると剛は吹っ飛んでしまった。
シドリム「え?え?」
シドリムは怖くなり逃げ出してしまった。
剛は気を失ってしまった。

シドリムは街を歩いていた。
シドリム「学校から逃げたけどどうしよう…」
歩いていると、目の前に警察が現れ拳銃を向けた。
警察官「奴を捕えろ!」
警察官はシドリムに発砲した。しかし弾丸は全て弾かれる。シドリムはまた逃げ出した。
警察官「追えーっ!奴を追うんだ!」
いつしか周りには警察官が囲んでいた。
警察官「捕えろ!」
警察官が襲いかかる
シドリム「やめてよー!」
シドリムは火炎を放つ
警察官「あちっ!あちゃっ!」
警察官は逃げて行った。シドリムは昨日行った公園に逃げて行った。
シドリム「こんなんになるぐらいなら、人であった方がよかった…」

その頃MAG
メイ「市街地にて等身大の怪獣出現との連絡がありました!」
マコト「何!?等身大?」
メイ「現在、怪獣は逃走中とのこと」
オペレーター室がざわつく。
ヤエ「等身大!?」
ケンジ「聞いたことありませんね」
マコト「よし、ソニックカーで出撃するぞ!」
一同「了解!」
隊員達を乗せたソニックカーが街へ走り出した。

そのころシドリムはシード星人に助けを求めていた。
シード星人「人間に戻りたいのかい」
シドリム「うん、やっぱり怪獣はお子様の夢なんだ…」
シード星人「そんなことはないよ、怪獣になるという夢は決してお子様の夢なんかじゃないよ!」
シドリム「でも…僕の夢は十分叶ったよ…」
シード星人「そうか。」
そこへソニックカーが到着する。
マコト「こいつか…」
シドリムは怯え始める。
ヤエ「待ってください、まずは状況説明よ。」
ヤエは近くにいたシード星人から話を聞いた。
ヤエ「どうやらあの怪獣は少年のようです。」
マコト「そうか…」
ケンジ「どうにかして元に戻せないのか…?できれば美智子さんの二の舞だけは避けたい…」
そこへシード星人の口が開く。
シード星人「元に戻す方法は、僕が1番知ってる。」
マコト「その方法は?」
シード星人「激しい運動をすることで元に戻せるんだ。」
シドリムを元に戻す方法は激しい運動をすることだった。
シドリム「でも、僕どうすればいいの?走るのですら一苦労だよ」
皆んな頭を悩ませていた頃、ヤエが挙手する。
ヤエ「適任がいるわ」
ツトム「それは一体誰なんだ?」
ヤエ「それは…私よ!」
シード星人とシドリムは首を傾げる。
サトシ「そういうことか!」
サトシの中で何かが閃く。
サトシ「そうと決まればちょうどいい所があるんだ!」
隊員達とシード星人、シドリムはソニックカーでどこかへ向かった。
向かった先は、スタジアムだった。

シドリム「ここで何をするの?」
シドリムはまた首を傾げる
ヤエ「こうするのよ!」
ヤエはヴァルキリーアームを右腕に装着する。
シュワァー…
目の前に等身大のウルトラマンが現れた。
ヤエが考えた作戦はウルトラマンになって戦い、激しい運動をさせることだ
シドリム「ウルトラマンだ!」
シドリムははしゃぎ出す。
ウルトラマン「さぁ、全力でかかってこい!相手になってやる!」
しかし、シドリムはかかってこない。
ガキ大将の剛のことを思い出してしまったのだ。
ウルトラマン「大丈夫!決して君を殺したりはしないさ!」
ウルトラマンはファイティングポーズを解き、受けの構えをとった。シドリムは決心し、ウルトラマンに突進した。
突進は見事命中。怯んだところへラッシュをかける。
シドリム「ウルトラマン、お願いがあるんだ」
ウルトラマンは立ち上がった。
シドリム「なんだか一方的に殴ってるだけじゃあ、なんだかガキ大将みたいだからさ、いつものように戦ってよ!」
ウルトラマンは再びファイティングポーズをとる。シドリムの突進をいなし、ひたすら格闘をした。
暫くして、ウルトラマンのカラータイマーが鳴り始めたその時、シドリムが光だし、元の三郎くんに戻った。
三郎くん「やったぁ!元に戻った!」
ウルトラマンは頷くとヤエの姿へ戻った。
シュルシュルシュルシュル…

シード星人「僕の実験で生まれた種で、こんなことになってしまったのは、僕のせいだ。すまなかった。」
シード星人は三郎くんに謝った。
シード星人「シード星人の調査は終わった。僕はシード星に帰るよ。」
シード星人が円盤に戻ろうとした時、三郎くんが呼び止めた。
三郎「おじさん、また地球へ遊びにきてね!」
シード星人「あぁ、今度は安全な植物を持って遊びに来るさ」
シード星人は三郎くんと握手を交わすと一礼し、円盤に戻った。
円盤は飛び立ち、空の彼方へ消えて行った。
三郎「おじさんまたね!」
三郎は隊員達と手を振った。

ツトム「…あ!サトシお前泣いてるじゃねぇか!なんだ、感動してしまったのか?」
サトシ「泣いてねぇよ!」
サトシは鼻声になっていた。
サトシ「これは、あれだ!目から汗が出てるんだよ!」
ケンジ「それを涙って言うんだよ」
サトシ「うるせぇ!」
帰還中のソニックカーは賑やかだった

翌日の学校
剛「なぁ、三郎…」
剛と仲間たちは三郎くんに話してきた。
剛「この間はごめんな…」
「俺も!ごめんな!」「俺が悪かったよ!」
剛「意地悪はしないからさ、また仲良くしてくれるか?」
三郎くんに手を差し出す。
三郎「いいよ!」
三郎くんと剛は握手を交わした。
それと同時に1日の始まりを知らせるチャイムが鳴り響いたのだった…

続く

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