【医学生・研修医のための実践的症例学習】好酸球性食道炎：多彩な症状から学ぶ診断アプローチ

はじめに
好酸球性食道炎は、食道に好酸球が異常に浸潤する慢性アレルギー性疾患です。近年、診断例が増加しており、若年者の嚥下困難の重要な原因の一つとして注目されています。本稿では、異なる症状で受診する3つの症例を通じて、本疾患の診断・治療アプローチについて実践的に学んでいきましょう。

１，疾患概要

好酸球性食道炎は、食道に限局して好酸球浸潤をきたす慢性アレルギー性疾患です。食物アレルギーとの関連が指摘されており、アトピー素因を持つ若年男性に多く見られます。

２，症例提示

医師：「どのようなお困りごとでしょうか？」

患者：「食べ物がつかえるんです。特に肉やパンが食べづらくて...」

医師：「それはいつ頃からですか？」

患者：「半年くらい前からです。最初は気にしていなかったんですが、だんだんひどくなってきて。」

医師：「他に気になる症状はありますか？」

患者：「胸やけもあります。あと、小さい頃から花粉症とアトピーがひどくて。」

医師：「食べ物のアレルギーはありますか？」

患者：「そういえば、最近卵を食べると口の中が痒くなることに気づきました。」

【症例】
25歳、男性
主訴：食事のつかえ感
既往歴：アトピー性皮膚炎、花粉症
家族歴：父が気管支喘息
生活歴：喫煙歴なし、機会飲酒

身体所見：
身長 175cm、体重 65kg
バイタルサイン：特記すべき異常なし
皮膚：両側肘窩に湿疹
その他：特記すべき異常なし

【設問】
Q1. この時点で考えるべき鑑別診断を3つ挙げ、その理由を説明してください。

Q2. 次に行うべき問診項目を3つ挙げてください。

Q3. 診断確定のために行うべき検査とその所見について述べてください。

Q4. 最も考えられる疾患について、以下の説明文を患者向けに分かりやすく完成させてください。
「〇〇という病気が考えられます。この病気は...」

３，症例問題の解き方