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アメリカってTV放送にも国内時差があるの⁉

アメリカ国内には4つの時間帯(ハワイを除く)がある。

東海岸時間 (ET)ニューヨーク、ボストンなど
セントラル時間(CT)シカゴ、テキサス州、ルイジアナ州など
山岳部時間(MT) デンバー、ソルトレイクシティー、フェニックス
西海岸時間 (PT) シアトル、ロサンゼルス、ラスベガス

東海岸のニューヨークと西海岸のロサンゼルスでは、3時間の時差がある。
ニューヨークが12時の時、ロサンゼルスは9時ということになる。
ここまでは誰もが知っていることかと思う。

そうなるとアメリカ国内のテレビ中継はどうなるのか?
ロサンゼルスで夜9時にみんなが見る番組が、ニューヨークでは夜中の12時に放送されているのか?

テレビ番組のCMでは、
「放送開始21時、CT(セントラルタイム)20時」
といった表記がされているのをよく目にする。

これはテキサス州などのCTエリアでは20時から放送で、それ以外の地区では21時放送という意味だ。

したがってニューヨークの21時とテキサス州の20時は、放送時間表記こそ違うが、同じ瞬間に同じ番組が放送されていることになる。

しかしそれ以外の時間帯では、どうなるのだろう?
最初に触れたように、CT以外は21時放送開始だから、ニューヨークも、ラスベガスでも、ロサンゼルスでも21時の放送開始だ。

仮に3時間番組だとしたら、ニューヨークの24時はロサンゼルスでは21時なので、ニューヨークで放送が終わったあとに、ロサンゼルス、ラスベガスでは放送が始まるのだ。
だからアメリカの東半分はライブ中継されていても、西側半分は録画中継ということになるのだ。

筆者はケーブルテレビなどの有料チャンネルに加入していないので、テレビ事情には疎かったのだが、アメリカのプロレス団体WWEを会場で取材していたころに、はじめてこれに気がついた。

というのは、WWEのショーがロサンゼルスなどの西海岸で開催される際、試合開始時間は夕方の17時だ。
西側的にはちょっと早いが、この時間にライブ中継を始めなければ、この時点で夜20時になっている東側のニューヨークでは、番組終了が夜中になってしまう。
WWEはライブ中継をうたっているので、筆者はニューヨークで夜20時、当然西側でも夕方17時からテレビ放送がスタートしているものだと思っていた。

しかしラスベガス大会取材の後、会場からホテルに戻ると、ギャンブル場にあるテレビには、先ほどまで見ていたプロレスが映し出されているではないか。
しかも番組の冒頭部だから、3時間近く前の映像だ。
ここで初めて生放送は東海岸とセントラルタイムエリアのみで、アメリカの東側半分だということに気がついたのだ。
だから現地時間20時放送開始のラスベガスでは、ライブではなく3時間遅れの放送なのだ。
もっとも番組によっては、
放送開始 21時ET、20時CT、19時MT、18時PACIFIC TIME(西海岸時間)
と書かれ、全米で一斉にライブ放送されるものもある。

アメリカでは以前にもこんなことがあった。

冬季オリンピック中継でのこと。
当時は浅田真央とキム・ヨナの対決が騒がれており、筆者はテレビを視聴していた。なかなか日本勢が出てこなかったので、PCを触っていると、ネットのライブニュースではすでに多くの日本人の結果が掲載されていたのだ。

えっ?

しかしテレビではまだまだ大会は始まったばかりで、画面上部にはLIVEの文字もある。

なんだこれは?狐につままれた気分だ。

この時は東海岸ではライブ放送だったが、前述したとおり西海岸は3時間遅れの放送となってしまったのだ。
実は世界一の大国であるアメリカでは、世界が注目するようなスポーツ大会を、テレビで生中継観戦することがほとんどできないのだ。
夏季オリンピックも、開催地との時差の関係で主要協議はライブ中継をせず、夜19時からのゴールデンタイムに放送することが定着している。

これもニューヨークが19時放送開始なら、3時間の時差のあるロサンゼルスも19時から放送といった具合なのだ。

ただしMLBやNBAの中継に関しては、試合数がありすぎるためか、ライブ中継が主であるため、ここであげた手法は用いられず、平日の真昼間から野球中継をやっていることはよくある。

こういったスポーツ中継は、アメリカではほぼ有料チャンネルが握っているため、契約していないと見ることが出来ない。
地上波のニュースでも少ししか触れられず、サッカーのワールドカップや、野球のWBCに関しては、一切地上波ニュースでは扱ってくれない。

近年はネットの普及で徐々に変化がみられるが、テレビに関してはこの通りである。なので日本にいた方が、様々なスポーツ中継を見たり、情報をテレビから収集することが簡単なのである。





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