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やり過ぎ君よりひと手間かける君くらいで〜安い豚肉も箸で切れるように〜がヒントに


昨日は、ほぼ二年前に転職してから出会った友人が退職するという話を聞いた。彼は障がいのある方の居住支援を行っている。

丁度2000年、福祉の業界の大きな流れとして介護保険制度が導入され公的福祉が市場開放された。その頃から変化が始まり、口当たりよく誰もが平等に福祉を受けられるようにと効率化、標準化がトレンドになった。しかしながら、そもそも個別性の高い、一人ひとりの生活に対して標準化という概念はすっぽり当てはまらず、なんだか違和感がある。

まぁ、どの世界にもずれた人はいるもので、わたくしもそのうちのひとり。件の彼も標準的な福祉の世界から離れたやり過ぎ君のひとりである。

重い障がいのある方でもとことん話を聴く。繰り返しの話であっても粘り強く何度も伝える。生活の不便さを訴えられれば、少ないお財布の中から工夫を産み出す。相談支援者からすると、クライエントを共に支援する有り難い仲間の一人である。

やり過ぎ君はしばしば燃え尽きる。そんな人たちもこれまでたくさん見てきた。中には頑張りすぎて、周りと合わなくなったり、自分の思いが、伝わらないことに腹を立てたり、失望したりしてメンタル不安定になる人もいる。声かけの時期が遅ければこの業界から離れていく。残念でならない。

話しを聞いているうちに安心したのは、この世界に見切りをつけた訳ではないということ。少しだけ疲れたらしい。

疲れたら休む。これは、基本。

そして、この業界も深刻な人手不足。逆に考えればまだまだ活躍できる場所があるということ。

と思っていたら、固い豚肉を炭酸水につけて焼くと生姜焼きがジューシーになるという記事が目に止まった。

なるほど~。
炭酸水に漬けて20分から30分放置。これだけで、固い肉でも柔らかい生姜焼きに。目からウロコか落ちる。

そうそう、どんな仕事でも、ひと手間かけること、これ大事。

対人関係をつくるのもひと手間かけたり、時間をGIFTしたりだ。

すご〜い昔、藤本義一が言ってた。「人間関係は付き合うか、付き合わされるかの行ったり来たり」つまるところ、互酬が大事ということでもある。

やり過ぎ君は燃え尽きやすいけど、ひと手間かける君を目指せば、長持ちするかも。

もう一度彼に声をかけて、できる仕事を一緒に考えてみようと思う。



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