深夜3時のシナモンティー
眠れない夜…はあまりない。
なぜかというと、たくさん寝ないとダメな体質だからだ。気づくと12時間以上寝てしまう事すらある。
でも、ごくたまになんとなく寝付けない時もある。
カーテンのすき間から青白い月明りが差し込んで、部屋の中がぼんやりと浮かび上がる。床に月明かりが落ちる。
厚手のカーテンをあけて、レース越しに外を眺めるとポツポツと明かりが見える。深夜3時。こんな時間に起きている人がいるんだ…と思った。
立ち膝で眺める窓の外の明かりは少ないけれど、心強い。明りが灯っているというだけでほっとするから。
キッチンで沸かすお湯のゴーという音が響いてやけに大きく聞こえた。隣人に音が聞こえてしまうのではないかと思うくらい、しんとした夜だ。
温めたカップにティーパックを入れるとふわっと紅茶の香りが漂う。
熱湯を注ぎ、ちょっとの間イスでぼーっとしてからミルクとシナモンのパウダーを入れた。それを両手で持ってもう一度窓の前に座わると、床が冷たくて、パジャマ越しにひんやりとした感覚が伝わってきた。
きっと夜明け頃に眠くなるんだろうなと思った。そのあとにいつもの日常が始まると思うとめんどくさくて仕方なかったけれど、仕方ない。こんな日もあるさとシナモンティーを飲んだ。まろやかなミルクの味とピリッとした風味が口の中を刺激する。
ねこさまが近くまで来るとローテーブルの上で眠り始めた。なぜそんな場所で?と疑問に思ったが、私と目線の高さが近いから…だろうか。
何も考えずにただ外を眺めた…夜の闇は大きな布みたいだと思った。なにもかも包んで閉じている。光が差し込むまでずっと包み続ける。
なんとなく、今日は自分だけ包まれそこねてしまったなと思った。まぁいいけどさ。夜はまた来るから、次こそ気持ちいい眠りに落ちよう。
体育座りをして、ねこさまと寄り添って、夜明けを待った。
聴きながら書きました。
https://www.youtube.com/watch?v=F7JbGkSMKCY