$シルバーハット1984年、東京都設計者:伊東豊雄、2013年プリツカー賞受賞(日本人6人目)
$かつて人々が森からの素材で原初的な住まいを作ったとすると、現代のプリミティブハウス(原初の小屋)とはどんなものになるのだろう。そんな問いかけから生まれたシルバーハット(1984年)。風にはためく建築をつくろう(風の建築)と街の中に金属の蚊帳を吊るすイメージの建築である。
$シルバーハット
1984年、東京都
設計者:伊東豊雄、2013年プリツカー賞受賞(日本人6人目)
建築家である伊東豊雄の自邸です。中本町の家(White U)のとなりの敷地に建てられました。
中庭(コート)を囲む平面構成となっており、中庭上部には開閉可能なテント(通風・日照調整)が計画されています。
これにより、コートを半屋外の居住空間として生活の場所としています。
構造はRC造の上に鉄骨のヴォールト屋根がかかり、アルミパンチングにより明るさや仮設の軽快さを出しています。
都市の自然と親しみやすく開放的なつくりと言われていますが、元々は「西の安藤、東の伊東」と呼ばれる程に内にこもる自閉的な建築手法で知られていました。この自邸を機に設計手法がまったく変わり、外へと開けた建築を設計するようになりました。現在、シルバーハットは伊東豊雄ミュージアムに移築されています。
伊東豊雄は2013年にプリツカー賞を受賞しています。
代表的な主な作品としては次のようなものが挙げられます。
1984年 シルバーハット(自邸)(日本建築学会賞)
1991年 八代(やつしろ)市立博物館
1996年 長岡リリックホール
1997年 大館樹海ドーム(ニプロ・ハチ公ドーム)
2000年 せんだいメディアテーク(日本建築学会賞)
2003年 東雲(しののめ)キャナルコート(伊東豊雄ほか)
2007年 多摩美術大学附属図書館
2015年 みんなの森ぎふメディアコスモス
伊東 豊雄 (いとう・とよお) AIA名誉会員RIBA名誉会員くまもとアートポリス・コミッショナー
経歴 1941京城市(現・ソウル市)生まれ
1965東京大学工学部建築学科卒業
1965-69菊竹清訓建築設計事務所勤務
1971株式会社アーバンロボット(URBOT)設立 代表取締役に就任
1979事務所名を株式会社伊東豊雄建築設計事務所に改称