PROGRAMLATEST:230305<オープニング>「大貫妙子です。坂本龍一さんが2ヶ月に1度お届けしているレディオ・サカモト
<オープニング>
「大貫妙子です。坂本龍一さんが2ヶ月に1度お届けしているレディオ・サカモ
<オープニング>
「大貫妙子です。坂本龍一さんが2ヶ月に1度お届けしているレディオ・サカモト。20年近く続いてきましたこの番組、今回で最終回となりますが、坂本さんのご希望で、私が務めることになりました。さて、今回の放送ですが、坂本龍一さんによる高橋幸宏さんの追悼特集。私に代読してほしいというメッセージを頂いているので、そちらを紹介しながら、幸宏さんの曲をオンエアしていきます。番組後半はデモテープオーディション。こちらも、今夜が最終回です。レギュラー出演者、U-zhaanさん、長嶋りかこさん、蓮沼執太さんに加えて、デモテープオーディション出身者のコトリンゴさんをお迎えします。坂本さんのプレイリストのコーナーもあります。」
<高橋幸宏さん追悼特集>
「ここからは、高橋幸宏さんの追悼特集です。坂本さんから、私に代読してほしいというメッセージを頂いているので、そちらを紹介しながら幸宏さんの曲をオンエアしていきます。では、さっそく。」
幸宏との長い付き合いの中で嫌なことは一つも思い浮かばない。
全ては楽しい思い出として残っている。
たくさんの地に行き、たくさんの経験を共にした。
最初の出会いは衝撃だった。
ケンゾーをまとったロックのドラマーがいるとはと僕は目を疑った。
知り合って比較的すぐお宅にお邪魔した。
僕は万年ジーンズにゴム草履、汚い足でお宅に上がるのはさすがに気が引けた。
そして家にまた衝撃を受ける。室内はアールデコの調度品で統一されているのだ。なんという人なんだ、この幸宏という人は。
間違いなくそれまでのぼくの知り合いにはいないタイプの人間だった。
ますます興味は深まった。
僕が高校時代、青山通りでデモをしている同じ時間に、
彼は青山のどこかでダンスパーティをしていたのだ。
そんなバックグラウンドが異なる僕たちは不思議に気が合った。
子犬がじゃれるように、毎晩のように東京の街へ。
まだまだバブルの狂乱の数年前、
一部のお洒落な人たちが行く数軒のバーを引き回された。
東京にこんな所があるのかと驚いたものだ。
そんなバーで飲みながら、
彼の鼻歌をペーパーナプキンにいくつか書きとったものだ。
そのうちの一つが『中国女』になった。
彼ほど自分を表現することを好んだ人を他に知らない。
なので人生の最後期にそれが叶わないことがどれほどの苦痛だったのか、
僕には想像もできない。夫人の喜代美さんはそれをよく支えてくださった。
友に代わってお礼を言いたい。
そして最後のレコーディングが大貫さんの曲だったんだなあ。
これも何かの縁だなあ。それにしてもRydeenが悲しい曲に聴こえてきちゃった。
Saravah!
知り合ってまだ間もない無頼派の僕とおフランス趣味の幸宏がなぜか気が合った。
出会ってまだ日が浅いのに幸宏のソロのアレンジを頼まれた。
バブル以前の東京のほんの一角で起こりつつあったファッションや音楽を中心とした新しいライフスタイルを反映しているアルバム。名曲揃いです。
(1978年『Saravah!』収録)
elastic dummy
モロにEW&Fな上に僕の早引きソロ。恥ずかしいねえ。若気の至り。笑 だけど幸宏はとてもこのトラックを喜んで細野さんに聞かせに行った。細野さんはこの幸宏の声質を「鋼の声」と呼んで、YMOでの歌はこの方向でいくことになった。
(1978年『Saravah!』収録)カーテン
暗いねえ。とてもいい。トラックと歌、全体がうまくいっているなあ。
(1981年『NEUROMANTIC(ロマン神経症)』収録)Good Time
これも暗いけどとてもロマンティック。いい曲だ。
(1983年『薔薇色の明日』収録)回想
僕が「中華三昧」というCMに書いた曲。それを幸宏が気に入って歌にした。トラックもいいね。僕も大好きな曲。
(1982年『WHAT, ME WORRY? ボク、大丈夫!!』収録)バレエ
これも幸宏の暗いロマンティシズムと筋肉の合体。
(1981年 YMO『BGM』収録)Rydeen
言わずと知れた。
(1979年 YMO『SOLID STATE SURVIVOR』収録)中国女
「フーマンチュー唱法」これは歌の出だしの歌詞がFu Manchuで、その独特の節回しがYMOでの幸宏の歌のスタイルになったので本人自ら命名した
(1978年 YMO『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』収録)ある晴れた日に
「僕」という言葉がとても甘く響くのが幸宏のセンチメンタリズムの特徴であります。
(1987年 The Beatniks『EXITENTIALIST A GO GO ビートで行こう』収録)今日の空
ライブではよく見せてくれるギターを抱えての弾き語り、より歌詞がよく聞こえて好きです。ほんとにセンチメンタルだなあ!
(1993年『Heart of Hurt』収録)