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$イラク水滸伝 高野秀行(著)


$イラク水滸伝 高野秀行(著)

$解説
第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞!
辺境中の辺境に挑んだ怪物的著作。文句なしに面白い!
――桐野夏生(選考委員)

権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む
謎の巨大湿地帯〈アフワール〉
―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。

中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。
ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。

・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.

想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる――
中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された
圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!

$読者レビューより引用・編集
最高に興味深く、分厚い本ですが最後まで飽きる事がありません。
チグリス、ユーフラテス流域は歴史で誰でも習いますが現実はどのような土地なのか初めて知った。砂漠だと思っていたアラビアに巨大な湿地がある事がまず驚きでしたが、多様な民族、宗教が入り混じってさまざまな生活様式に興味はつきない。
中東戦争など私には恐ろしいイメージしか無かった現代のイラクも豊かな文化、明るいもてなし好きなイラク人、日本人好みというイラク料理などまったく違った一面を知る事ができた。
また、筆者がイラクの人達と確かな繋がりを感じる終章に感動!


登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2023/7/26)

  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/7/26

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語

  • 単行本 ‏ : ‎ 480ページ

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163917292

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163917290

  • 寸法 ‏ : ‎ 13.9 x 3.9 x 19.5 cm

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高野 秀行

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。

早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションや旅行記のほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

1992-93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008-09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。

主な著書に『アヘン王国潜入記』『巨流アマゾンを遡れ』『ミャンマーの柳生一族』『異国トーキョー漂流記』『アジア新聞屋台村』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『西南シルクロードは密林に消える』『怪獣記』(講談社文庫)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)、『未来国家ブータン』(集英社)など。

『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。

『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。







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