9/7 ベガルタ仙台
秋田戦の激闘から早1週間。今節の対戦相手はJ1在籍実績もある強豪ベガルタ仙台。積極的にJ1で出場機会のない選手をレンタルで獲得し、昨年は思ったような成績を残せなかったものの、監督交代をフックにJ1復帰を狙っているチームです。今節まではJ2で4位につけ、自動昇格までは開きはあるものの、手堅くPOは目指したいといったところでしょうか。
一方ザスパは前節秋田戦で超久々の勝ち点3をゲット。しかし、試合展開では相手の退場もあり数的有利な状況での得点。そして目指すサッカーも秋田と仙台で全く異なる点から、仙台相手にやるべきことがやれるかが焦点でした。特に相手中盤はJ1チームからの有望な若手選手のレンタルがあったりとタレント豊富なメンツとなっているため90分間ハードワークが前提となる試合です。
試合当日ですが、なんと嬉しいことにアウェイゴール裏は完売で満員御礼。黄色のサポーターはメイン南まで浸食してきていました。この動員とチャントの迫力はまさにJ1であることを見せつけるには十分で、ホームサポーターたちにもその声量、統一感には驚いていた印象でした。
そしてこの日のスタメンはこちら。
前節契約により出場不可となっていた小柳選手がベンチに復帰。前節ベンチ入りしていた細貝選手がベンチ外に押し出されるかたちです。もちろん細貝選手がいるとチーム自体が引き締まる印象はありますが、2列目から後ろが全てできるポリバレントな小柳選手をベンチに入れておきたい気持ちは分かりますし、今のザスパにはどうしても得点が必要になるのでベンチメンバーに前目の選手が多くなるのも理解ができます。そして、前節メンバーから外れていた川上エドオジョン智慧選手が今節はベンチ入り。エルゴラにコンディション不良と書かれていたので、軽い怪我か体調不良のどちらかかと思いますが、1試合挟んで復帰を果たしてくれました。
一方仙台のメンバーですが、今季スタメン出場の少なった菅原選手と内田選手をスタメンで久々のスタメン起用。前節2-0で勝利を収めたいわき戦でも出場したエロン選手、中島選手に代わってのスタメンとなりましたが、もしかすると対ザスパということで温存した可能性があります。ちなみに菅原選手は今季秋田戦、鹿児島戦でのスタメン。内田選手は栃木戦、鹿児島戦でのスタメン。どちらも上位対決ではないタイミングでのスタメン起用なのでそういうことなのだろうと私は理解しましたが、この選択が結果的に裏目に出てしまったかもしれません。
ということで結果はご覧の通りです。
今節のザスパはご存じの通り、気合の入った試合の入りができていたと思います。もう少し一方的にボールを支配される試合展開になると思いましたが、相手が思っていたより前線から来なかったことで瀬畠選手を中心とした後ろでボールを回る時間も作れました。そして守備の時にはただ引いて守るだけではなく、シャドーに位置する川本選手、仙波選手のプレスからカウンター機会も創出。特に仙波選手が相手のパスコースを制限してからのプレス奪取からのカウンターは何回かありましたし、それが得点に結びつくことはありませんでしたが可能性を感じるプレーを見せてくれました。
仙台は菅原選手が前線で身体を張ってボールを収めようとしますが、この日対人好調の酒井選手が菅原選手を自由にさせず、そしてザスパがブロックを敷いたタイミングではなんとかサイドからコンビネーションで崩して中へカットインを試みましたが、この日のザスパので出足の良さもありシュートまでも持っていけず、両者決定機らしい決定機を迎えることなくスコアレスで前半を折り返しました。
ちなみに前半終了間際のザスパのカウンターチャンス時に仙台松井選手にイエローが提示され、これに対して仙台サポーターからレフェリーに対するブーイングや選手、スタッフによる抗議が行われていました。松井選手はこのプレーの前にも2度ほどファールでザスパの選手を止めるシーンがあり、最後のイエローのきっかけになったプレーはもしかすると事故的な接触であったかもしれませんが、恐らくそれまでのレフェリーの印象は良くなかったのではないかと思います。この試合を通じて仙台サポーターのチャントではなくブーイングが目立つ試合となりましたが、カードを極力出さないというレフェリングは統一されていたかなと思います。(カードを出さずにギリギリのところで試合をコントロールしていました)
後半頭から仙台は中島選手を投入、そして後半16分にはエロン選手他を投入。いよいよといった焦りを感じているなかで、強力な2選手を投入してきました。中島選手は強烈な右足があるのでミドルに警戒、エロン選手は初めて見ましたが非常に身体が強くボールが収まる選手です。この両選手が入ってからは仙台は一段ギアを上げ、エロン選手を中心にザスパ陣内へと侵入を試みます。しかしこの日最大の決定機を櫛引選手のファインセーブで凌ぐと、この日の90分間が0-0のスコアレスドローで幕を閉じました。
スコア自体0-0でしたが、試合内容も個人的にはイーブンであったと思います。ザスパも高橋選手のオーバーラップからチャンスは作れていましたし、3列目以降の選手が飛び出したシーンはシュートで終われていました。
全38試合中の30試合が終了し、ザスパに残された試合は残り8試合です。ザスパが残留を確実なものにするためには勝点13離れている熊本を追い抜く必要があります。得失点差を考慮すると勝点14が必要になるので、
ザスパ8-0-0(24)、熊本3-1-5(10)
仮にザスパが全勝したとしてもこのような数字が求められます。少しSNSで話題になっている秋田のライセンス問題でもし仮に今月末に秋田のJ2ライセンスが剥奪となった場合でも、
ザスパ8-0-0(24)、栃木4-2-2(14)
これくらいのハイペースが必要になります。個人的に何かにつけてJリーグはライセンスを発行すると思うので、正直秋田のライセンス剥奪は現実的ではありませんが、仮にJ3に落ちたとしてもその落ち方によって来季編成に大きく関わってきますし、落としても良いリーグ戦は今後も1試合とてありません。ここまで軸になっている川本選手、仙波選手、瀬畠選手は全員期限付きで来てくれている選手です。この選手抜きでザスパの今後の軸が何になるか、そしてどれだけのサポーターがこれからもついて来てくれるか。
残り8試合、これからのザスパのために選手には頑張ってもらいたいです!