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認知症の母:遠隔デジタル介護 増えたカメラの効用と安心。でもほどほどに。

2022年5月のFBから。

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必要と思って導入したけれど心理的に抵抗のあった「見守りカメラ」。
今日は、ヘルパーさんのお仕事具合を初めて観察してみることにした。

母が掃除機を上手に使えなくなったので、簡単な掃除と服薬確認のために週1回1時間だけお願いしている。
今日はヘルパーさんが2人来て、一人はサービス内容の満足度を質問していた。

ひとしきり質問が終わると、母は延々と家族の話やお金や不動産の話、税金の話(とにかくお金の話が多い)、過去の彼氏がどうとか自慢気味に話していた。話し相手をするのも介護のうちなのか、ハイテンションで楽しい雰囲気のまま笑いながらあれこれ相手をしてくれている。
でも守秘義務があるとはいえかなり深い個人的な情報を忘れるのは難しいだろう。介護保険制度が始まってから20年。かつてはいろんなトラブルがあったのだろうと想像する。

また、カメラを見始めてすぐは、母が個人的なことを話しすぎて嫌な感じがした。
でも見ているうちに、興味のない話でもふんふんと聞いてくれる人がいるだけでもいい刺激なのでは?と思うようになった。
何を話しても笑って誉めて気分良くしてくれたら、母は楽しいだろう。
嫌がらず相手をしてくれるいい人たちが来てくれてありがたい。

でも、介護制度を利用する側としていい人たちであることを期待しているだけなも無責任だと思う。
・お金を出しっぱなしにしない
・ハンコと通帳をわかりやすいところへ置かない
・使いもしない高価なものは見えない場所にしまう
など、変に悪い気持ちを起こさない状態にするべきだと思う。

母はヘルパーさんの名前を全然覚えられないが、来ると思い出し、お子さんがいるのね、とやたらとあれこれモノをあげようとしたらしい。
もちろん受け取らないが、母がお礼をしたくなっても責める気も起きない。
喜んでいる証拠だ。

今日も利用した分の請求書と領収書が届いたがとても安い。
利用してみて、「介護保険」は本当にいい仕組みだ。

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この年の夏には、みまもりカメラは全部で3台になった。
・玄関に1台 角度固定
・お薬カレンダー前に1台 360℃稼働カメラ
・部屋全体を見るために1台 360℃稼働カメラ
SwitchBotは、本体以外の通信料はかからない。

残薬の確認用の位置
解像度が高いカメラ


玄関のカメラは訪問者の様子を見るためなので問題ないが、室内に置いたカメラを見るのは当初、とても気が引けた。

全くのプライバシーの侵害だし、以前の母なら嫌がるに違いない。
でも母は、目的を説明するとすんなりカメラ設置を受け入れた。
「安心だから」と納得していた。
さらに日常生活でカメラを意識した行動は全くなかった。

カメラは、リアルタイムの動画以外に人が動いた時間だけ反応して写真を残してくれるので睡眠時間の確認などに役立った。
また食事の様子も確認できた。
母はとにかく整理整頓をしたいのでものが行方不明になることもわかった。

360℃カメラを動かせる。
30分でも1時間でも何かを整理していた

見るようになってわかったが、カメラは想像以上に介護する側の不安を取り除いてくれた
電話で話す以外に母の状態を確認できるだけで気持ちが落ち着いた。

特に、弟は「母が電話に出ない」だけで心配して母の家へ向かうことが何度かあった。いずれ自分が今は行けないから私に行けと(絶対に行かないけど)言うのではないかとそれも懸念の一つだった。
この見守りカメラは、防犯上1台につき1人しか見ることができないので、弟のためにカメラを1台割り当てた。
カメラが3台に増えた理由は弟の過剰な心配を取り除くことでもあった。

ただ数ヶ月後、認知症が進み、心配が上回ってカメラから目を離せない時期があった。
すると2022年10月頃、一時、メンタルが急に落ち込んだ。活力が湧かないし普通の声も出せず静かにしか話せなくなった。他にも介護のために考えることが増えすぎたこともあるが、カメラに原因がありそうだと考えカメラを見ないようにした。

母にできないことが発現したり、家におかしなことが起きると、動画を見て原因を探そうとしてしまう。原因がわかれば対策ができるはずだ。
でも動画はどんなに早送りしてもチェックするにはそれなりに時間がかかり、集中する分とても疲れてしまう。

カメラを見ないようにして1ヶ月ほどで落ち込みは無くなった。
介護にカメラは便利だが、負担にならない使い方も重要だった。

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