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経済アナリストMさんの本「身辺整理」をチラ見。介護のための「親の資産」と「がん保険」

昨日、買い物の帰りになんとなく本屋で平積みの「身辺整理」を手に取った。
「がっちりマンデー」をよく見ていたし経済アナリストのMさんが病気になったことは知っていた。

目次を見たら、『父の死後に経験した相続地獄』とあった。
ちょうど認知症の母の資産管理を日常としているので参考になるかとそこだけ読んでみた。

Mさんは、母親が先に亡くなり残された父親がちょっとおかしいなとなった時から、親の資産について調べることなく『どんぶり勘定』で介護を進め、結果的に毎月30万円もの老人ホーム代を父がなくなるまで立て替え続け、総額で数千万円にもなったという。
だから、
▪️何より先に親の資産を調べるべき
▪️介護にかかった費用は記録を残すべき
と、猛省していた。

びっくりした。

このMさんが経済アナリストとしてテレビで話していることは、どのポイントカードが得かなどというミクロな話と、企業や社会などのマクロ経済についてだ。
でも一番身近な経済である家計簿的な管理は全然していなかったとは…
「お金をどう考えるか」を教える立場の人が、大きな出費に関してどんぶりだったとは一体何を仕事にしてきたんだろう?この人は。
いつ終わるかわからない介護費用を記録もせずにいたなんて意味がわからない。

そう思った時点で本を閉じた。

私の場合、

母の介護がスタートしたその直後に親の資産の総額を調べた。それは3ヶ月かかったとても大変な作業だったけれど、

・母本人が大変協力的であったこと
・母は事務能力が高くある程度の書類が見つかったこと
・5年前にアクティブ口座をネットバンキング化していたこと

が、とても助けになった。

介護保険利用は少額からスタートする。
初月の費用は1200円くらいだったと思う。拍子抜けするほど安くて目を疑った。介護から10ヶ月経つ頃、要介護1のポイントをきれいに使い切ったが、1割負担で月2万円ほどだった。認知症の進行でどんどん保険外のケアが必要になっていったが、母の資産総額と収入がわかっていたので心配はなかった。
親のお金を知らずに介護を続けることは難しい。

母が介護付き老人ホームに入ってちょうど1年経つ。費用的には無理はないが、毎月、現金残高を表にして母に見せている。
すぐに忘れてしまうとわかっているが安心させたい。認知症であっても安心や不安は残る。

かつての母は、お金をしっかり考え抜いたと思う。
そのお陰で今がある。
今まで母の介護にお金の心配はないし今後もないだろう。子供達に負担をかけたくないという母の意思は、お金の面でちゃんと生きている。
認知症が母を子供に戻してしまったけれど、母はすごいなといまだに感心する。

もちろん、お金は使ってしまえばなくなる。
だから本人に変わってどう使うか「こそ」が重要だ。
常に介護の出費と仕事の内容は記録している。
これは後から検証するためと、証拠として残す意味もある。
相続を見据えて。

もう1つ、先週、YouTubeで山田五郎さんが病気になったことを知った。


病状はかなり悪いということだけれど、治療しながらYouTubeを更新している。

その中で
経済アナリストMさんが治療費のお金のことをよく話しているそうだけれども、僕の場合は保険診療中心で進めているのと、たまたまがん保険に入っていてそれも先進医療付きなのでお金の心配は全くありません。視聴者の方がいろいろ送ってくださったのでこの椅子を買いましたが、お金のことでご心配は要りません」
と言っていた。

つまり経済アナリストのMさんは、国民健康保険制度でカバーされていない保険外診療を主体として治療を受けているということか…。

母の場合


母も民間の保険に4口も入っていて、毎月4万円近い支払いが発生していた。
介護が慌ただしい時には気に留めていなかったが、母が施設に入って時間ができたので、保険の必要性についてよくよく考えてみた。
がんで亡くなった経済評論家の山崎元さんが「国の健康保険制度で十分だからがん保険は不要」と言っていて私も同意。

母が加入していた『がん保険』と『先進医療特約保険』を去年、解約した。

書類で済むと思ったら、電話で本人が話す必要があった。本人に、氏名、年齢、生年月日、住所や、やめたい理由などを聞くためだ。
審査のようなものでちゃんと話せないと解約できない。認知症だとバレたら後見人を立てないとダメだっただろう。幸いまだ母はしっかり話せたが、あと半年遅かったら解約できなかったかもしれない。

結果的に、がん保険は加入から27年も経っていて総額190万円支払っていた。
先進医療特約保険は12年間で230万円。
合計で420万円だ。
貯金していたらよかったのでは?と思う金額だ。
もう一つ、『オリックス生命の死亡保険100万円』は、平均寿命より長生きしたら過払いになる内容だった。母が早く死ぬ方に賭けているようで不快だったのでこれも解約。
保険3つで、毎月36000円の節約ができた。

でも1つだけ残してある。
これは毎月1700円ほどの団体保険で、室内の転倒でも骨折やリハビリに補償が出るという。85歳で自動解約になるのも良い。終身保険はタチが悪い。


お金とは考え続けること

母の資産が介護に困らないくらいあってよかった。母は偉い。
でもこれが全て現金であったら事情は違ったと思う。

現金は使いやすい。

もし全て現金だったら、弟の『使徒不明金』が桁違いになったかもしれない。
現金が多すぎないことは幸いだった。
毎月の介護費用がなくなったら困るのは弟も同じだ。

母は不動産を買い、金融資産も買っていた。

これらはすぐに現金にはならない。
売るためには、裁判所に申請して指名された成年後見人(司法書士など)を雇わなくてはならない。一度雇うと母が死ぬまで母の資産管理をしてもらうことになり解任もできない。
弟は手が出せなくなる。
だから資産は守られる。

母はそんな事態を想定していなかったと思うか、母はすごかった。

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