見出し画像

管見(かんけん)|玄人風用語雑帳

管見(かんけん)【名】自説の主張に有利な用例ばかりが集まってしまう場合に、その不自然さを誤魔化しつつ、古典文学世界の奥行きの深さへのリスペクト的な姿勢と、学会発表時の攻撃を和らげるスクルト的な効果を言挙げする保険(保身)の語。
「管見の限り、〇〇の用例は現在次の5件が認められる。」

国文研の大系テキストデータベースが無くなっちゃいましたね。。。岩波様、あれは人類の宝の一つなので、課金制でもいいから、学生以外もお手頃に使えるようにしてもらえませんかね…?
今の人はJapan Knowledgeの新編全集テキストとか使うのかなあ。在野研究趣味人にはハードルが高いんよ…。

「管見」が『荘子』由来の語であること、寡聞にして(=類義語)今回初めて知りました。あんまり良い意味ではないようですが、私はこの言葉、好きです。管から覗くような狭い知識でも、その奥その奥、深奥を究めていけば、真髄に突き当たるから。一つの単語、一首の和歌からでも、日本文学の重要な特徴が明らかにできることもある。広く浅くが必要な時もあるけど、学問はボーリング作業。
大学時代、恩師から教わったことです。

いいなと思ったら応援しよう!