24年7月21日note29元よしもと・ホリプロ芸人松稔の芸能裏話29弟子に付いて一番辛かった日つづきhttps://www.facebook.com/profile.php?id=61553536510873
元よしもと・ホリプロ芸人 松稔の芸能裏話29弟子に付いて一番辛かった日つづき
芸能裏話(29)弟子に付いて一番辛かった日 つづき
50メートルほど先に、ラーメン屋の屋台が見える。
そうや、ラーメンを食べよう!
しかしラーメン屋に行ってる間に呼ばれたら、今まで真面目待 っているのにサボっているように思われる。
もう少し待ってよ。
それから1時間やっぱり出てこない、12時が過ぎた!覚悟を決めた。
ダッシュでラーメン屋にいって注文して、ダッシュで戻った。
まだ出てきていなかった、良かった。
5分位してラーメンが出来あがる頃、又ダッシュで屋台まで走った。
荷物があるから思うように走れない。
ゆっくり食べている暇はない、この間に呼ばれたら元も子もない。
せっかくの熱いラーメンに水を入れて急いで食べた。
そしてダッシュで戻った。
まだ出てきていなかった。
それやったら熱いラーメン、ゆっくり食べればよかった!
お汁も最後まで飲めばよかった!もう少し椅子に座っとけばよかった!!
2~3分しかかかってないもんな、時間が経てば経つほど後悔してくる。
ラーメン食べた後しばらくは寒さから解放されたが、30分もすればまた痺れるような寒さが襲ってくる。
雪が雨に変わってきた、風もきつくなってきた。
荷物が肩にくい込み、持っている手もちぎれそうになっている。
寒い!重たい!眠たい!やっぱりあの時この荷物を鴨川から投げときゃよかった。
時間は午前2時を回った、寒いこのままでは死んでしまう。
缶コーヒーを買いに行く事にした。
もうゆっくり行こう呼ばれても知るか!もうヤケクソになってきた。
缶コーヒーも出来るだけ大きい奴を買った。
あと何時間待たなければいけないか判らないので、すぐ飲まなかった。
まず缶コーヒーで手や顔を暖めた。
しかし、この寒さだと30分もすればアイスコーヒーになってします。
せっかく暖かい缶コーヒーを買っても、飲むときは冷たくなっている。
やっとの事で師匠が出てきたのは午後3時を過ぎていた。
良かったこれで帰れる。
しかし師匠は「お前まだおったんか、俺はもう遅いから京都に泊まる。
もう帰ってええで」と云ってタクシーでどこかに行った。
「もう帰ってええで」って云われても終電はとっくに無くなっているし、
ホテルや旅館に泊まる金も無いし、どうすればええねん!
「こんな中途半端な時間にそれも寒い京都にほったらかすな、ほったらかすんやったらお金くらい置いてけー鬼」と心の中で思い切り叫んだ。
とりあえず行く所がないので、京都花月がある新京極に行った。
幸いここはアーケードになっているので、雪と雨は凌げた。
京都花月開くのが9時ごろ、あと5時間どうにか過ごさないといけない。
雪や雨は凌げるが寒さは凌げなかった。
じっとしていたら凍死しそうになるので、商店街の端から端まで荷物をもったまま何回も往復した。
しかし全然時間が経たない、眠たくなってくるし、荷物も重い、お腹も空いて来た。
そんなにお金も無いので又、缶コーヒーを買うことにした。
手や顔を暖めてから今度は温かい内に飲んだ。
体の中に温かいコーヒーが食道から胃腸に行くのがハッキリと判る。
この時のコーヒーほど美味しい物はなかった。
これであと4時間は我慢しないといけない、この4時間が長かった。
やっと京都花月が開いた時は、永い刑務所生活から出所出来たような感じだった。
よかった本当に死ぬかと思った。
永い一日が終わって・・・二時間後また永い一日が始まった。
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