デビスカップ 日本対コロンビア 観戦してきました

9月14日・15日、有明コロシアムにて行われたデビスカップ、日本対コロンビアの試合を見に行ってきました。

2019年から大会の方式が変わりました。
過密なスケジュールとトップ選手の参加を目論んでの事なのですが、なんだかイマイチ現状の方法だと伝わりにくいです。

ツアーとの兼ね合いもありますが、ホーム&アウェイ方式の方が盛り上がります。
それぞれの試合にとても緊張感がありました。
以前のような形に戻らないかなあといつも思っています。

話はそれましたが、現在の日本の状況について。
今日本はワールドグループの一つ下のグループワン。
この数年はどちらかというとこのグループワンでもがいてました。
(2019年にワールドグループで戦っています。この時はフランスとセルビアに敗退しています)
怪我でツアーに参戦していなかった錦織圭は8年ぶりにメンバー入りしました。
メンバー入りしたと言っても実際にプレイするかはわからない…
今年は復帰はしたものの、まだ本調子とは言えず。
ただ錦織圭効果もありチケットは完売だったようです。

試合方式は二日間でシングルス4ポイント。
ダブルス1ポイント。

結果はもう皆さんご存知の通り3-1で日本の勝利。
残念ながらダブルスは落としましたが西岡、錦織の両エースがしっかりと勝ちを収めての勝利でした。

この二日間で錦織圭の試合を1試合、西岡良仁の試合を2試合見る事が出来ました。

シングルスの試合を中心に振り返ってみたいと思います。

錦織圭 6-4 6-4 メヒア

もう皆さんご存知の通り、錦織の早いテンポのストロークは天才的。
攻撃的なフラットに近いドライブボールを見事に操ります。
見ていてわかるのは、ここぞという時にほんの少しだけポジションを上げてタイミングを変える、このタイミングが本当にうまい。
今や誰もが使う回り込みに加えて、ネットプレイ、ドロップショットもタイミングが素晴らしい。
予測がいいのでしょう。
ポジションを上げた中でもきちんと相手のストロークに反応してます。
相手のメヒアの方が息が上がっていたのは明らかでした。

ただこの試合ではサービス&ボレーとドロップショットはほとんど使っていませんでした。
それを使わなくても勝てるぞ〜という自信だったのかな?
それともストロークの感覚をきちんとどり戻したかったからなのかな?
余裕があったという事にしておきましょう。

逆に気になったのはやはりサービス。
スピードよりもプレイスメント重視なのはいつもの事ですが、少しファーストサービスの確率が低かったように思います。
デュースサイドに関してはかなり回転をかけたスライスサービスを多用。
でもこれがあまり入っていませんでした。
ただこれには伏線があり、後半はそのワイドサービスを相手のメヒアがかなり意識してセンターに有効なサービスを打っていました。

スコアは6-4 6-4のストレート勝ち。
本人ももう少し楽なスコアで勝てたのではと言っていましたが、私は試合をしながらも練習をしていたように見えました。

20ゲームも試合を見れたのですから、観客も大喜びですね!

西岡良仁 6-4 6-2 ソリアノ・バレラ

この選手は前週のチャレンジャーでチリッチに勝っている選手。
背が高くもちろんビッグサービス。
(フォームがキリオスにそっくり)
攻撃的なストロークを打つ選手です。

そんな選手を相手に序盤はブレイク合戦でしたが、セット終盤は西岡がストローク戦を支配。
ループ系のフォアハンドにバックハンドはカウンター。
やはりペースが乱れるのか相手はミスを重ねます。
左利きであるのでサービスやフォアハンドストロークがソリアノ・バレラのバックハンドにいきます。
両手打ちなので高いボールはある程度打ちやすいはずなのですが、ところどころでミスを重ねます。
これはやはり緩急をつけたストロークにタイミングがあっていなかったのか?
時々あれっ?というミスもするのですが、すぐに落ち着いて次のポイントで対処していました。

西岡良仁 7-5 6-4 メヒア

前日に錦織と素晴らしいストローク合戦を繰り広げたメヒア。
西岡に対してどのようなテニスをするのか、とても注目していました。
というか、スコア的にも善戦したメヒア、西岡に対しても素晴らしい試合をする、いやもしかしたら危ないかな?とも思っていました。

試合はやはり予想通り激しいストローク合戦。
サービスも武器であるメヒアはしっかりとゲームを組み立てます。
やや力みすぎかなあとも思えたストロークですが、かなりポイントを積み重ねる。
でもわずかな差で西岡が7-5。 
このセットで一つ気づいたことがありました。
メヒアの打つバックハンドに打点の乱れがあったのです。
そこまで早い球ではないのに、やや高めのバックハンド時にうまくラケットにボールが当たっていないのです。
最初は風なのかなぁと思いました。
西岡の打つフォアハンドは回転のかかったトップスピン。
回転量の違いなのかと思いましたが、それにプラス横回転のようなものをかけているのがわかりました。
感覚でいうと野球でいうバッターがピッチャーの変化球にうまく対応出来ずバランスを崩してファウルにする感じです。
野球ならばファウルにすればいいですが、テニスではそうはいきません。
とにかくしっかりと当てないといけないのです。
同じフォームから微妙にわずかな差のあるストロークを打ち相手を迷わせる。
この時に改めて西岡良仁の凄さを再確認しました。

その強打を打つ事にややタイミングが合ってきたメヒア。
西岡のミスもありセカンドセットは一気に4-0までリードを広げます。
ただものすごくしんどそうなのです。
息が上がってるのと足にきている(左足が攣っていた?)感じでした。

ここでメディカルタイムアウト。
かなり長い治療をしてました。
相当痛かったのかな?

再開してからはデュースのゲームが続きます。
足にきているメヒアは粘られると最終的にバランスを崩してミスをしてしまう。
展開的にはメヒアは押してはいるのですがとどめをさせない感じです。
西岡はメヒアはあまり動けないのだからオープンスペースにもっと振り回しをすればいいのになぁと思っていました。
やはり打たれ続けるのはきついのかな?
このようなパターンになるとやりにくいのかな?
その時はそう思っていました。

翌日インタビューの記事を見ると、わざとメヒアには打たせていたと言っていた記事がありました。
受け身になるというのは私からするとメンタル的にはきついのですが、そこはさすが試合巧者。
絶対に相手が崩れるという事を確信していたのでしょう。
試合経験のなせる技ですね。

最終的には6ゲーム連取で6-4。
7-5 6-4で西岡の勝利、日本の勝利となりました。

錦織圭の歯切れのいいストローク。
西岡良仁の相手のタイミングをずらすストローク。
同じストロークを得意とする選手ですが、まったくタイプが違います。
この2人と対戦したメヒアはとてもいい経験をしましたね!

久しぶりの有明開催。
錦織圭の8年ぶりの参戦。
西岡良仁のエースらしいテニス。
日本の勝利。

これらがすべて揃い素晴らしい大会になりましたね。
錦織圭が参加するという事で会場に来られた方も多いと思います。
テレビなどの報道も見ても錦織圭が勝ったという報道が多かったですね。
もちろん注目としてはそこが1番だとは思いますが、大切なのは日本が勝った事。
そしてその中で西岡良仁というエースが2勝をあげたということ。
これが本来報道されるべき事だと思います。

1週間あけて木下オープンが有明テニスの森で開催されます。
日本勢の活躍が楽しみですね

追記

今のこの状況で錦織圭と西岡良仁が対戦したらどちらが勝つのか?
素晴らしいストローク戦になるはずです。
もしかしたら木下オープンで実現するかも?


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