暇なので「アフロ田中」を読み返す

年末年始暇なので、アフロ田中を読み返していた。

アフロ田中とは、アフロが特徴的な男、田中広の日常を描いた青年向けギャグ漫画である。
アフロ田中シリーズは「高校アフロ田中」から始まり、現在は「マイホームアフロ田中」まで続いている、はず。
タイトルの通り、高校生から就職、結婚、出産と、作中の田中も歳をとり、それに伴い取り巻く環境もシリーズごとに変わっていくのが特徴だ。

アフロ田中は最高だ。
なぜなら全編通じてこれといったストーリーはなく、男の性欲に関するしょ〜〜〜もない悩みに惑わされ、葛藤する田中を眺めるだけだからだ。
これほど気楽に読める漫画はないだろう。

基本的に1話完結型であり、1話を通じてなにも進展しないのも最高に面白い。
例えば、「中退アフロ田中」のとある1話では、ヘラブナ釣りが趣味の田中が釣ったヘラブナを水槽で飼育したいと思い立ち、道端に置いてあった水槽を持って帰る。しかしその水槽はヤクザの家の所有物だと友人らに指摘された田中は、慌てて深夜に水槽をあった場所に返す。
これで1話だ。結局何も進展していない。最高だ。

ストーリーの起伏は一切ない。せいぜい合コンに行った、とか、童貞を捨てた、程度であり、田中広という青年のリアルな日常を読者は覗くだけである。
そんなありふれた日常を切り取っただけなのに、毎話笑わされてしまうこの漫画のテクニックには感嘆する。
平凡な日常でも、まだまだ面白いことはあるんだなと、この漫画を読み返すたびに気付かされる。


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