左利きは天才なのか?「すごい左利き」
「すごい左利き」読みました。
「左利き」と聞くと「天才」だとか「変人」だとかいろんなイメージが思い浮かぶけど、それらが本当かどうかを脳科学の視点から検証した本だ。
左利きには、いわゆる「天才」になれる資質は十分にあるらしい。
常に右手を使い続けることで「左脳」が発達している右利きに対して、左利きは左手を使い続けることで「右脳」が発達している。この時点で右利きとは全く違う物の見方や考え方をしているらしい。
うまく話せないことをコンプレックスに感じる左利きが多いのだという。
左脳は言語系、右脳は非言語系を司っている。
右利きは右手を動かしながら左脳を刺激し、左脳で言語処理を行うため、左脳内で処理が完結している。
それに対して左利きは、左手を動かしながら右脳を刺激し、左脳で言語処理を行うため、両方の脳で処理を行わなければならない。
そのため、言葉に置き換えて言いたいことを発するまでのルートが、右利きよりも少し遠回りになるらしい。
実は私も左利きなのだが、この話を読んで腑に落ちた。
私も子供の頃から、なんか周りと比べてうまく話せないな、咄嗟に言葉が出てこないなと感じていた。大人になった今でもコンプレックスに感じていた。
なるほど、脳の使い方が右利きとは根本から違っていたのが原因なのか。
また、そういった左利きが時折感じる「生き辛さ」も、脳には良い刺激を与えられているらしい。右利きが当たり前にできることが左利きにはできないことが多いので、左利きは「なぜできないんだろう」「どうすれば右利きのように扱えるのだろう」と考える機会が多い。そのことが脳の良いトレーニングになり、脳の活性化に繋がっているんだとか。
以上がこの本の序章で書かれていた内容である。
続く本編では左利きの「直感力」について触れており、この話がめちゃくちゃ面白かった。
皆さんは「直感」って信じていますか?
私は全く信じていませんでした。
しかしこの本によると、過去の研究結果から「直感」というものは存在し、専門家の直感は、時間をかけて導き出した結論よりも良い結果を生み出すことが示されている。
ではその直感はどこからやって来るのか?
筆者は直感を「脳の膨大なデータベースから無自覚に高精度かつ正確な情報を取り出すこと」だと考えており、そのデータベースは「右脳」が担っているらしい。
そして左利きは、長年左手から右脳へ刺激を送り続けてきた。
だからこそ左利きは「右脳」という膨大なデータベースから、的確な情報を見つけ出す「直感」に優れている。
この「直感」の話を読んで私は「左利きってめちゃくちゃすごいじゃん!!」と素直に嬉しくなった。
まず直感が存在することに驚きだ。
直感を鍛えれば、脳に蓄積された過去の経験データベースから、瞬時に素晴らしいアイデアを取り出せるようになる。難しい思考法なんてもういらなくなる。
そして左利きには、その直感を成長させるポテンシャルが十分にある。
「じゃあ直感を鍛えるにはどうしたらいいの?」という私たちの疑問に対しても、丁寧に書いてくれているのがこの本の良いところだ。
かなり具体的に書いてくれています。気になる人はこの本を買おう。
「左利きってすげーんだぜ」と自慢したくなる本だった。
直感力、私も鍛えます。
右利きも左利きもみんなで「最強の左利き」を目指そう。