総合診療専門医の更新要件(50単位)と費用(最低13万円)を整理した(2025年1月現在)
追記:
2024年12月に行われた「2024年度第1回専門医の集い」の資料・動画が、専門医機構のHPに掲載されています。専門医更新についてがテーマですので、必見です!
https://jbgm.org/menu/%E8%AA%AC%E6%98%8E%E4%BC%9A/#sec_02072939381726052023
専門医会が非公式に運営しているオープンチャット「総合診療専門医のつどい」の案内もされていました。更新に悩める専門医は情報共有・質問のため、ぜひ参加しましょう(私は単なる参加者なので、COIはないと信じています)
https://line.me/ti/g2/SsVRnA_GIrwR1VU0zLiq0CIJTuLNrKrzRHH_dQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
はてなブログでも同じ内容を掲載しています。
動機
私は現在総合診療医を取得していますが、更新についてはよく分かっていませんでした。正直機構のHPはまだしっかり読み解けておらず、また周りに聞いても似たような反応でした。類似のブログなども見つけられなかったので、自分なりに整理・解釈してみた次第です。
主に「専門医機構日本総合診療専門医検討委員会認定・更新」「諸費用細則」のページと、私の「My portfolio(J-Goalの専門医バージョン)」のページを参考にしています。またこちらは記事作成時(2024年8月)の情報ですので、できれば自分なりに最新情報をチェックしてください。
あと、《総合診療領域に係る費用について》は、総合診療専門医検討委員会 委員長の生坂先生が、委員長メッセージとして記載しています。
サイトのとてもわかり易い所においてあり、かなり説明に気を遣っている感じが見て取れます。(【HP掲載】◆第5期委員長就任のあいさつ(2023年9月)その2.pdf)を参照下さい。
https://jbgm.org/menu/%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/#sec_0147332191518012023
ところで:総合診療専攻医〜専門医になるまでの費用は?
登録管理&システム利用料(J-Osler、J-Goal) :55,000円
専門試験受験料:55,000円
専門医認定料 :22,000円
=合計:132,000円
追加で医師共通講習3単位も必須になります。
オンラインでは 3,300 ✕ 3単位=9,900円かかるので、可能なら医師会や医療機関主催のものを利用したいですね。
https://jmsb.or.jp/senmoni/#an11
総合診療専門医の更新要件:5年間で、A~Fの50単位をMy portfolioに登録し、試験に通る!
更新要件はざっくりいうと「5年間で、A~Fの50単位をMy portfolioに登録し、試験に通る」という感じです。My portfolioは、専攻医時代のJ-Goalみたいなやつです。
個人的にわかりにくかったので、一覧表にまとめてみました。
基本的にはこちらの専門医機構の出しているPDFを参考にしています。原本はこちらを参照ください。お金に関しては「諸費用一覧」を元にシミュレーションして、一覧にまとめました。
A〜Fで最低26,400円(C.共通講習をe-learningで受けず、全て現地講習会で受講したと仮定した場合です。学会参加費などは含んでいません)
さらに、システムを利用し、受験し、更新認定されるには104,500円が追加でかかります。
・専門医機構システム利用料(≒J-Goal) 11,000/年 ✕ 5年
・専門医更新試験受験料 22,000
・専門医更新料 27,500
→合計:最低130,900円。総合診療専門医の取得とほぼ同じ費用ですね。
かなりややこしいので、A~Fをじっくり見ていきましょう。時間がない方は一覧表だけでも役立つと思います。
A. 勤務実績の自己申告
1週間あたり、総合診療医としてちゃんと活動しているかの自己申告です。これはMy portfolioにポチポチすれば終わります。
B. 診療実績の証明(ポートフォリオ 7領域14事例:10単位固定)
14事例と聞くと多く感じますが、1事例は130−150字とかなり少ないです。
C.専門医共通講習(1時間1単位、最小3(8)単位〜最大10単位)
必須修講習A 3単位(医療安全、感染対策、医療倫理)
必修講習B 5単位(医療制度と法律、地域医療、医療福祉制度、経済医療、両立支援)
任意講習C(臨床研究、災害医療など)
※ここでもAとかCとか出てくるので多少ややこしいですが、これは総合診療に限らず、全ての専門医が受けるやつです。
本当の必要修は8単位なのですが、後述する「F.多様な地域における医療「実績」が認定されると必須修講習B(5項目)は免除されるため、3単位が最小です
共通講習の受講方法は色々ありますが、大きく2つです。
専門医機構のeラーニング(1単位3,300円)
対面講習会:各医療機関、医師会、学会などでも時々行っております。
詳細は専門機構の「講習会」のページを参照してください。対面講習会の予定の一部も掲載されています。うまく情報をキャッチして、極力節約しましょう。https://jmsb.or.jp/senmoni/#an11
※注意点:講習会の「証明書類」は残しておくか、写真を撮っておきましょう。My portfolioで書類の提出が求められます。以下のD〜Eでも書類をやたらと求められます。受けるたびにマメに登録すれば理想なのでしょうが、私はムリです💦
D.領域講習(最小20単位)
①〜⑧まであり、ここで最低20単位を求められます(D-①〜D-⑧と呼称します)。はっきり言って、ここが一番難しいと思います。各自の忙しさ、懐具合、モチベーションなどに合わせて、できる範囲で集めていきましょう。
※訂正)これを作った当初はD-⑦で作っていましたが、先日確認したらD-⑧を見つけました。見落としていたのか、いつの間にかつくられたのか判別がつきません・・・少なくとも過去のPDFでは訂正された後がなかったので、私が見落としたのでしょう。
D-①. 日本医師機構の総合診療講習会:最低10単位
開 催 方 式 e-ラ-ニング研修
受 講 料 1講義:2,200 円(消費税込み)
受講料支払期限 (受講料支払のご案内後)2週間以内
受 講 期 限 (ログイン情報のご案内後)2週間以内
1単位2,200円、最低10単位が必須ですので最低でも22,000円の支払いが必要です。
・・・このD-①ですが、「時間」に気をつけないといけません。
というのも、1単位あたり40-60分で、テストを受けることで単位認定されます。倍速視聴は不可能、一時停止はできますが、別途中から見るとかのぶつ切り視聴は不可能です。ほぼぶっ続けで見る必要があります。
加えて、申請したら機構から支払い案内のメールが届き、支払い、支払い確認メールが届いたら、2週間以内には全て視聴しないといけません(直前にリマインドが来ますので、実質的には3−4週間くらいは猶予がありそうです。ただ変わる可能性もあるので要注意。特に人力でリマインドしているフシがあるので、更新直前期は先方が忙しくで漏れがでるかも)
申込みは1単位ずつできますので、時間が限られているのであれば、一度に何単位も視聴するのはおすすめしません。(なお時間さえ経てばいいので、倍速で見て、時間が立つまで放置というやり方は可能です)
※ちなみに、他のやつ(B~E)は単位の上限がありますが、このD-①だけ上限の記載がありません。
ただしお金があれば単位取り放題、というわけではなく、講義数の上限があります。
2024年5月段階で14単位分が公開されています。まだ2単位が準備中なので、恐らく最大16単位かな?
詳細や申込み方法は、専門医機構総合診療検討委員会の「領域講習」や「生涯学習」のページを参照してください。2か所ありますがどちらも同じことを書いています。
https://jbgm.org/menu/%E7%94%9F%E6%B6%AF%E5%AD%A6%E4%BF%AE/#sec_1147553311528122023
https://jbgm.org/menu/%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e3%83%bb%e6%9b%b4%e6%96%b0/#sec_0153610341412042024
※ちなみに受講したからといって自動的にMy portfolioに登録されるわけではなく、自分で証明書類とかを登録する必要があります(面倒くさい…)具体的な手順としては、下記の通りです。
領域講習を受講し終わったら、
隣の「領域講習受講状況一覧」で修了書をダウンロードする
My portfoliに向かい、必要事項を入力+修了書を添付、申請する
D-②. 18の基本領域学会(総合診療領域を除く)14単位まで
D-③. 日本専門医機構が認定したサブスペシャルティ領域の学会:6単位まで
「学会総会および地方会を対象とし、5 時間の受講を 1 単位とし、受講時間を証明できない場合は 1 日ごと参加証明書の提出をもって 1 単位とする。1 学会の聴講について 2 単位を上限とする。」とのことです。
※例えばこれで10単位分集めようと思ったら、2日間(または10時間)の学会を5回行く必要があります。学会参加もかなりお金がかかるので、近くの地方会などで稼げたらいいな…
(あとなぜかプライマリ・ケア連合学会や病院総合医学会は基本領域・サブスペ学会として認められていないのでここには入らず、D-⑦.その他の学会に含まれます。D-⑦は最大6単位なので、JPCAに2日間5年分出ても、10単位はもらえず6単位までです。残念…)
※C.共通講習やD-①と同様、これも「証明書類」が求められます。あと日時とか主催者名とか場所とかも。こまめに登録しない人は、この辺りがわかる書類(または写真)を残しておきましょう。
画像:https://jmsb.or.jp/ippan/ より
D-④. 日本医学会総会(4年に1回):4単位まで
※ 「5時間の受講を1単位とし、受講時間を証明できない場合は 1 日ごと参加証明書の提出をもって 1 単位とする。1 学会の聴講について 2 単位を上限とする」とのことです。
次回は2027年4月23日(金)〜25日(日) 大阪での開催のようです。
しかし日本医学会総会は4年に1回しか開催されないようです。専門医更新は5年に1回なので、ふだんは1回いけるかどうか(≒最大2単位取れるか)というところでしょう。
D-⑤ 海外の学会:6単位まで(ACP Japanも入る)
「以下の団体・学会を対象とし、1 学会の聴講につきおよそ1 時間で1単位、2 時間以上で2単位(上限)とする」とのことです。D-②③④は5時間で1単位だったので、やはり効率がいいですね。
海外なのでややハードルは高いですが、特筆すべきはACP日本支部総会があることです。毎年6月末の土日で開催されることが多く、1日参加だけで2単位稼げます。
American Academy of Family Physicians (AAFP)https://www.aafp.org/home.html
Society of Teachers of Family Medicine (STFM)https://www.stfm.org/
Society of Hospital Medicine (SHM)https://www.hospitalmedicine.org/
North American Primary Care Research Group (NAPCRG)https://www.napcrg.org/
Society of General Internal Medicine (SGIM)https://www.sgim.org/
Royal College of General Practitioners (RCGP)https://www.rcgp.org.uk/
American College of Physicians(ACP)(日本支部年次総会・講習会を含む)https://www.acpjapan.org/event/
The Royal Australian College of General Practitioners (RACGP)https://www.racgp.org.au/
Australian College of Rural and Remote Medicine (ACRRM)https://www.acrrm.org.au/
D-⑥. 指導医講習会:最低2単位、6単位まで
開 催 方 式 e-ラ-ニング研修
受 講 料 1講義:2,200 円(消費税込み)
受講料支払期限 (受講料支払のご案内後)2週間以内
受 講 期 限 (ログイン情報のご案内後)2週間以内
D-①とほぼ同じです。ただし2単位分(2時間4400円)の講義があるので、時間があるときに受けましょう。
上限は6単位ですが、2024年5月時点ではまだ5単位分しか公開されていません。これから増えるのでしょうか?
詳細&申込みは、やはり専門医機構 総合診療検討委員会の「領域講習」「生涯学習」の項目を参照ください。https://jbgm.org/menu/%E7%94%9F%E6%B6%AF%E5%AD%A6%E4%BF%AE/#sec_1147553311528122023
https://jbgm.org/menu/%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e3%83%bb%e6%9b%b4%e6%96%b0/#sec_0153610341412042024
D-⑦. 日本専門医機構総合診療専門医検討委員会の認めるその他の講習会:6単位まで
「以下の団体・学会が主催する講習会、または、これらの団体・学会が運営に関与する団体・学会が主催する講習会※(学術集会を含む)を対象とし、1講習会の聴講(または講師/インストラクター)につき およそ1時間で1単位、2時間以上で2 単位(上限)とする」とのことです。
※は2024/09/24専門医機構の更新で追加されました。全く告知なし…
https://jbgm.org/menu/%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e3%83%bb%e6%9b%b4%e6%96%b0/#sec_0153627231605032024
D-③④でもふれましたが、残念ながらプライマリ・ケア連合学会、病院総合医学会はここに入り、6単位までしか認められません(地域医療学会はこれからかな?)→2024年10月の改定で地域医療学会も追加されました。
強いて良い所を挙げるとすれば、1時間で1単位とコスパはいいこと、講習会も対象にしているから例えば「秋季セミナー」とか学術大会ではないセミナーも対象になりそうなところでしょうか。
日本プライマリ・ケア連合学会 https://www.primarycare-japan.com/
全国自治体病院協議会(全自病)https://www.jmha.or.jp/jmha/
全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)https://www.kokushinkyo.or.jp/
日本病院総合診療医学会https://hgm-japan.com/
全日本病院協会(全日病)https://www.ajha.or.jp/
日本病院会(日病)https://www.hospital.or.jp/
日本臨床内科医会https://www.japha.jp/
日本医師会(都道府県医師会、郡市区医師会を含む)https://www.med.or.jp/link/search.html
日本地域医療学会 https://www.jach.or.jp/(2024/10追加)
※やはりこれも「証明書類」が求められます。 さらにD-⑦は学会のみならず講習会も含むので、セッション「名」「講師名」「時刻」の登録なども必要です。
※プライマリ・ケア連合学会学術大会とか、自分がいつなんのセッションに出たかとか覚えていませんので、割と手間がかかりそうですし、証明書類なんて普通ありません。なので例えば、専攻医でなかったとしても、セッションのラストにある「専攻医のOff-JT」に登録するのはどうでしょうか?JPCAのマイページ→各種単位登録情報から証明書も発行できます。
https://www.primary-care.or.jp/member2/login_do.php
→と思っていたのですが、専攻医でなくなったら専攻医のOff-JTに登録すらできなくなるのですね…「あなたは専攻医ではないから申込不要です」と。
証明書類、どうしよう…?セミナーでGoogleフォームのアンケートとかあったら、それのスクリーンショットとかでしょうか…?
D-⑧. 7で認める講習会を主催する団体・学会同士が共催する学術集会で行われる講習会:15 単位まで
「7で認める講習会を主催する団体・学会同士が共催する学術集会で行われる講習会 合計 15 単位を上限とする。 ※1学術集会の聴講につきおよそ1時間で1単位、3時間以上で3単位(上限)とする」とのことです。
「学会同士が共催」する機会が少ないと思うので、ぶっちゃけ15単位集められるか微妙です・・・
例えば、2025年2月22日(土)〜24日(月・祝)の病院総合診療医学会、23日(日)〜24日(月・祝)の家庭医療冬季セミナーは2学会の共催なので、認められるでしょうか?
(上にも書いた通り、2024年10月段階で遡れる範囲まで遡りましたが、⑧を更新した歴はありません。「あれ、D-⑧って私が5月には書いてなかったじゃん!見落とした!?」と思って修正しています。
しかし、My portfolioにはD-①〜⑦までしか入力できる所がありませんし、⑧はこれから準備するので待って下さい、という記載もあります。サイレント修正とかではないですよね…私が見落としただけですよね…?
そもそも要件が厳しいのであまり大勢には影響しない、と言い訳させてください)
長くなりましたが、D-①〜⑧は以上です。ざっくりいうと
D全体で20単位が必要。地方会、ACP japanなども上手に使おう。
e-learningは時間とお金がかかります
D-①最低10単位、D-⑥最低2単位
1単位1時間 2,200円✕12単位=26,400円
証明書類はデータでもいいから絶対に残しておくこと(日時・場所・講師名・セミナー名もあるとGood)
E. 学術業績・診療以外の活動実績(最大10単位)(医療に関するものに限る)
学術集会の筆頭発表者、第2発表者、学術集会の講演会の司会/座長: 1回で1単位
総合診療専門医認定試験の試験委員:1年度で1単位
総合診療専門医認定試験の面接委員:1年度で1単位
認定・更新にかかる提出書類の査読者:1年度で1単位
ピアレビューを受けた内外論文の筆頭著者および第 2 著者:1回で3単位
ピアレビューを受けた内外論文の第 3 回以降の著者: 1回で1単位
領域講習コンテンツの作成者、公式テキストブックの著者:1回で1単位
研究を頑張っている方は、ここで結構稼げます。私は委員とか査読者に回る予定はないので、学会発表や論文とかちょっとずつ頑張る感じでしょうか。論文1つで3単位、、、学会1回で1単位、、、むーん、、、
やはりこれも証明書類が必要です。たぶん問題になるのは「学会発表」の書類でしょうか。専門医認定の際に、学会終了後、口頭発表の証明書類が手に入らなくて困っている人を見かけました。学会の抄録PDF・写真などは残せる範囲で残していたほうが良さそうです。
F.多様な地域における診療実績(認められればC.共通講習が8→3単位に緩和)
下記の1〜4の「医療資源の不足地域」で合計で1年6ヶ月以上働いていた(いる)と認められると、C.共通講習が最低8単位(必修A 3単位+必修B 5単位)だったのが、最低3単位(必修A 3単位のみ)に緩和されます。
共通講習をe-learningで受けると1単位3,300円なので、中々の節約です。
(1) へき地
a.過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法による過疎地域における全部過疎、一部過疎、およびみなし過疎地域。
b.都道府県の指定するへき地
c.医療法第五条の二における「医師の確保を特に図るべき区域(医師少数区域及び医師少数スポット)」として医師少数区域等一覧に掲載されている市町村および医師少数スポットに含まれる地域
(2) 離島
(3)都道府県の地域医療対策協議会、自治体、医師会から医療資源の乏しい地域として認定を求められた場合、その市町村、二次医療圏及び医療機関における研修は、医療資源の乏しい地域における研修として機構が定める。
4.激甚災害、特定非常災害等に指定され、機構が「被災地」と認めた地域
※1-c.は厚労省の医師確保対策のページ途中にある「医師少数地域等で勤務した医師の認定制度」の、「医師少数地域・医師少数スポット一覧.pdf」に書いてあります。
ただ調べなくても大丈夫です。My portfolioをポチポチしてみると、専門機構が認めている場所が出てきます。私も(1)a、(1)cに前の職場が出てきました。
ちなみに専攻医時代も計算に入れることができますし、1年6ヶ月を連続で勤務しなくても、1ヶ月単位でぶつ切りで登録できるので、割と優しいです。
例外)「特指導任医が移行措置を経て専門医となった場合は、すでに多様な地域における診療実績があるものと受け入れられる」のことなので、上の先生はこれらの場所で働いていなくても、自動でFを満たします。
まとめ:総合診療医の維持には時間とお金がかかる
総合診療専門医になるのに約13万円、5年に1回更新するのも最低13万円かかり、かなりのお金が必要です(他の専門医はどうなのでしょうか?)職場やプログラムなどで補助が出たらベストでしょう。
また更新の50単位をどうするかは人それぞれですが、1学会だけでは到底足りず、複数の学会に出たり、有料のe-learingを頑張ったり、学術活動を頑張ったりしないといけません。時間もお金もとてもかかります。
とりあえず出席した講習会・学会・学会発表などの参加は記録は忘れずに保存(または登録)しましょう。講習会は時間・場所・出演者・タイトルも必要です。
あくまで現時点の情報です。専門医機構のメール・サイトなどで、最新情報は適宜チェックしましょう。また自分の目で判断することも大事です。
私の解釈も入っていますので、間違っているところやわかりにくいところはコメントいただけると嬉しいです。制度がもう少しわかりやすくなり、お金と労力が緩和されることを祈ります。
この記事が、同じ悩みを持つ人の助けになりますように。
追記:自分なら50単位をどう取るか?
表の下の方にも書いてあるとおり、最低必要なものをすべて取ると、残り20〜25単位になります。
内訳:B(10固定)、C(最低3〜8)、D-①(最低10)、D-⑥(最低2)
私はF.多様な地域を満たすので、Cの最低は3に緩和され、残り25単位になります。残りをどう取るか、私なりの戦略を考えてみました。
D-⑥その他の学会・講習会(最大6単位):プライマリ・ケア連合学会か病院総合医学会の主催する講演会に1〜数回行けば、余裕で6単位手に入ります。残り19。
D-⑤海外の学会(最大6単位):ACP japanなら1日で2単位、もし3年行ければ最大数です。ただ忙しさでいけないこともあるので、間を取って2年(4単位)としましょう。残り15。
E.学術活動(最大10):学会発表1回(1単位)、頑張って論文を書く(3単位)で4単位。あと私は医局に所属していてたまに共著者(1単位)になるので、2-4単位は得られたらいいなー… 3単位として、残り8。
今まで通りの活動であれば、この辺が限界でしょうか。維持のためにはもう少し工夫が必要そうです。
一番手軽なのは、各種学会の地方会でしょうか。内科分野の勉強&地元Drと交流をするには悪くなさそうです。あとは労力ですかね。
例えば下記の内科学会中国地方会を例に取ると、9時~14時55分の約6時間で1単位、参加費2000円。単位数だけみたら少しコスパ・タイパは悪いかもしれません。(最後まで出ないという選択肢もありますが…さすがにもったいない)
そう考えると、D-①総合診療講習会、D-⑥指導医講習会のe-learningは1単位2時間2,200円。実はタイパはかなり良いようです。
もし残りの8単位をすべてe-leaningで取ろうと思ったら、残っているのは
・D-① 4−6単位(14−16単位中、10単位は必須で計算済み)
・D-⑥ 4単位(6単位中、2単位は必須で計算済み)
・C.共通講習 7単位(10単位中、3単位は必須で計算済み)
D-①4単位、D-⑥4単位で何とかなりそうです。
機構への追加課金は2,200円✕ 8単位= 17,600円
・・・・うーん、これを許容するかどうかは各人の判断にお任せします。
D-①、⑦、Cはe-learningなので、駆け込みで取ることが可能です。ですのでD-①、⑦、Cは他で取れなかった時の保険として残しておこうと思います。
究極的には、どこに時間とお金を費やすかの違いでしかありません。各種学会か、学術活動か、機構か・・・。私自身の興味関心/ライフスタイルと照らし合わせながら考えていこうと思います。