まほろばかなた 観劇まとめ
まほろばかなたの感想をつらつらと
西田さんの幕末モノ、2014年の再演ということ、推しが桂小五郎ということで期待8割、不安2割で初日を観劇。
贔屓目に見てもめっっっちゃよかった。
一言で言えば、長州藩の志士たち5人(長州ファイブ)の群青劇。基本的には、西田ワールド全開の「考えるな感じろ!」舞台(史実云々言い始めたら色々ある)なんだけど、その5人の夢やそれを支えた人たちの描き方が本当に素敵で、展開も分かりきっているのに何回も見てしまったし、みんなかっこいいんだよ!眼を閉じても誰もが歩ける道を〜♪で何度泣いたことか…
ってことで、未だ見てない人は配信でいいので見てみてください!
主観が強すぎる感想まとめ↓↓
●高杉晋作
ずるい。ずるすぎる男。でも、本当かっこよくてそこもずるい。特に初日と比べて、阪本くんの演技が良くなっていくものだから、千秋楽はかっこいいしか思わなかった。
基本的には、彼を中心とした物語。奥さんと出会って、死ぬまで(第2長州征伐)の期間を描いているんですけど、まあ好き放題やりたいことをやる男。藩のお金で軍艦は買うわ、勝さんの前で討幕とかほざくし、愛人(おうの)は作るしとやりたい放題。でも、決めるときは決めるし、なんだかんだ松陰先生や苦労している桂とか周りのこともわかっているのが憎めない。
私は、奥さん(お雅)に一目惚れ説を推したい。だからこそ、OP後のあの曲に行くのではないかと思うし(だからロマンなんだろう?)、病気のことを何も言わないのは、かっこ悪い姿を見られたくなくて(かっこいい姿だけを覚えておいてほしくて)、カッコつけたかったんだろうなと。最後のシーンに伊藤たちに怒ったのもこの理由かと。でも、一人じゃいられないから、病気をわかっても変わらず接してくれるおうのちゃんのとこへ。
ただねそれはわかるけどさー、別れのシーンの「お前と出会えて俺も当たりだ」と、最後の曲よ!!君は来ない、もうそろそろ一人の月に譲るつもりかい?ってどういうことよ!お雅ちゃんが来るのを待ってたって?最後だから一緒に歩きたいって?は?もうずるすぎないか???
心から惚れたのはお雅だよってことだろう??なら愛人を作るなよー!!と言いたくなってしまうんですが、そういうところがずるい男だよね。そんなこと言われたらお雅ちゃん許しちゃうに決まってるじゃん?とずるい男だわーって思いながらやっぱりクソほどかっこいいって思っちゃうのがダメだよね。(まあ、史実では愛人との同居を隠すために、逃げるためのカモフラージュだと言っていたらしいから、言い訳としてではなく本当にそうだった説としてそれを採用しているのかな)
毎公演進化しているのは分かりましたが特に、殺陣とお雅ちゃんが「しっかりしておいで」のシーンは回を重ねるごとによくなっていって、千秋楽最高でした!!!
●桂小五郎
周りに振り回されて苦労する真面目な苦労人。登場シーンのほとんどが、謝罪させられてるんじゃないぐらいの男。めっっっちゃ不憫。最初見た時は、西田さんなのにこの役を松田凌にやらせるなんて珍しい。そんな年になったかと思ったんですが、キャスティングは西田さんじゃなかったそうで。ということで、普段周りを振り回す男が、今回存分に周りに振り回されてます。
多分、長州ファイブの中ではお兄ちゃん的存在。言うこと聞かない弟たちに呆れながら、でも彼らのことを守ろうと頑張る人。桂小五郎ですが、多分久坂玄瑞の要素も入っていると思う。(松下村塾メンバーじゃないし、どちらかというと松陰先生の弟分なので高杉たちの幼馴染って感じではないはず…)
この人は、まほろば≠夜明けと考えていて、時代が変わってもまほろば来ないことをわかっているんだろうな。
桂小五郎は(一応)剣豪の美男子なんですがね、それを舞台上で体現しているからこそ、度胸はないし(慎重派ともいう)、情けないし、かっこ悪いところたくさんあるのにかっこよく見えるんだろうな。背中は本当に美。
あと、捨て台詞のようにプロポーズするのもイケメンだったな・・・」
●お雅
マジで、お雅がいなかったらここまでこの舞台好きになってないって思うほど大好きな役。
男勝りだった女の子が、一人の男に嫁いで女性になる過程があまりにもかっこいい。まほねえの殺陣もかっこいいんですよ。この時代たとえ、戦場には出なかったとしても女性も戦ってたんだよね。
自由な旦那を持つ苦労はあるけれど、彼のやることを尊敬していて、大声を愛してくれる旦那を心底惚れてるのが本当にわかるのよ。だから、どんなに辛くても弱音は吐かないし、好きなようにさせてあげているんだよね。本当強くてかっこいい女性。「私は高杉晋作の嫁よ」に彼女のプライドがある。嫁いだことを後悔してないから、過去に戻れたとしてもくじを引くんだよね!!!!泣く!!!
彼女は「当たりだ!」っていう言葉だけでこの先、生きて行けるんだよね。
史実でも、屈指の美女だったお雅ちゃんは、くじ引きで旦那を決めたっていう逸話があるんだけど、ロマンだねぇ。
最後おうのに「ありがとう」って言って刀渡すのは鳥肌もの。かっこ良すぎる。
あのシーンで私は高杉を許してしまったし、これは他人がとやかく言う問題ではない…!と私は思ってしまうほど嫁の強さを知りました笑笑
●山縣狂介
短絡的なおバカキャラだけど、憎めないアツい男。知ってるか、こんなおバカなのに、将来2回も総理大臣を務める男なんだぜ?
真っ直ぐなアツい男をやらせたらピッタリの糸川くんだなと。あと細かい演技がとてもよかった。
松陰先生が投獄されたところでは、桂がなんで自分たちのために行かないのかがわからなかったことや、先生を守れなかったからっていうのをちゃんと演技で埋めているから、2幕頭で大村に勉強を教わっているんだよねーって納得できるんだよな。
文さんとのシーンも、最後に高杉が来た会議のシーンも本当にいい表情していてすごくグッとくるし、表情で語るのがすごくうまいんだよなあ。
あと、大村とのコンビがとても可愛い。
●吉田松陰
松陰先生は秋の人なんだろうな。実らせる人。死んだ季節だからということもあるけれど、歌にないのかなと。高杉が春風のような人でしたって言ってたから、関係ないかもだけど。
道のないところを歩む冬の山縣や大村、険しい道を歩む夏の桂と伊藤、あたたかく支えてくれる春のお雅やきみちゃんを育てたってことだよね。
たしか、高杉の諱って「春風」だったよね?なんか関係あるのかなあ?
中村さんの演技は別格というぐらい迫力ががあった。オープニングと1幕終盤にある歌舞伎調のシーンは鳥肌もの。羽織ものの捌き方、歌舞伎の独特の動き(飛び方とか)が一つ一つかっこいい。普段全然触れたことのない世界なので、うまく伝えられないけどかっこいい!(語彙力をください)
●おうの
最後に「まほろばってなんだと思う?」に答えられないのがおうのが「恋人ではない」ってことなんだろうなと私は思う。まあ、そこがおうののいいところだし、最後まで一緒にいた理由でもあるんだろうなとも。
純粋に高杉を支える姿が本当に素敵だから、悪いのは全部高杉だと思ってる!!!
●幾松
姐さん!!!啖呵切るシーンがとにかくカッコいい!!めちゃくちゃいいオンナ。惚れてまうやろ!あと、個人的には桂に迎えるって言われた後の表情がすごく好きだった。
●文ちゃん&すみちゃん
かわいいのに強い嫁ズ。お雅と3人のシーンすごく好きだった。
兄と旦那を亡くしても凛としてる文ちゃん。泣いてないのに悲しくて辛いことが伝わるシーンが多かった。あと歌も泣いた。
すみちゃんは一歩後ろを歩くできた嫁。いつも羽織を手際よく畳んでいてすごいなって感心してしまった。伊藤さんのことは尊敬も愛もあるんだけど、彼のことを考えて別れるんだよな(てか、普通に考えても愛人妊娠させたらそりゃあ離縁だわ)
後半にかけての伊藤さんに対する毒舌大好きだったな。あと、終盤伊藤を送り出す時の口パクのがんばれは泣く。
●伊藤俊輔
のちの総理大臣。女好きと有名な博文さん。
彼がいるから内容が重たくなりすぎなかったと思う。よく言っていた「ハッピーライフ」は初演のなごりかなと。クズなんだけど可愛げがあって憎めないやつ。だか、とりあえずすみちゃんに謝れ!!!
毎公演アドリブの嵐で本当廣野くんがんばってたなぁ。西田さんにいじめられてるなあと笑笑 私は高杉と桂の幼少期の思い出を言わされる回とさつまいも印のエピソードが好きでした!
●大村蔵六(益次郎)
わごちゃん全開大村さん。わごちゃんのためにあるんじゃないかと思うほど似合ってたなー!真顔でボケるお兄さん。でも、優秀だしイケメン!
公演の後半にかけてソロの歌い方を変えてたり、リアクションも毎回変えてくるから飽きない演技をしてくれていたなあ。本当間がいい。糸川くんとのなめらかなななめのシーン時に言ったセリフ、「突然のハイビジョン」が私はすきでした!
●勝海舟
西田さん節を誰よりも感じるお方。(言い換えれば西田さんが出ていたらやりそうな役。初演はユカイさんなのでユカイ味もある)破天荒な自由人なのに、幕府の犬。品川行ってくるって言ってアメリカ言っちゃうエピソードが似合う勝海舟でした。
いやあ、根本さんだもんね。そりゃ、イケオジだよな!!!ソロは圧巻。あれグラミュだったっけ??って錯覚するようなほど、壮大でした。
もののふシリーズの亡霊としては、シリーズの片鱗をどうしても感じてしまう…
ので、勝さん親友多すぎん???
切られるの上手すぎるし、実は長州ファイブより強いんじゃないか?って思うほどアクション凄すぎなプロアンサンブルの面々や、うっとりするような美しい舞を見せてくれるダンサーズもとてもとても素敵なので、ぜひみんな配信を見るべきだよ!!!おススメ!!!
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