リオがビッグシスターと呼ばれる所以について
ミレニアムサイエンススクールの生徒会、セミナーは、日々大変な業務をこなしながら学校を運営している。そんなセミナーの会長、調月リオ。彼女はビッグシスターとも呼ばれており、ミレニアムを強圧的に支配する独裁者だという声もある。しかし、「ビッグシスター」というのはなぜその名に決まったのだろうか。私はこの元ネタはジョージ・オーウェルの小説、「1984年」に登場するビッグブラザーであると考えている。
ブルアカの作中でリオがビッグシスターという呼び方をされた場面は少ない。大抵は「セミナーの会長」「ミレニアムの生徒会長」といった呼び方をされ、またビッグシスターと呼ばれる理由が語られたことは私の知る限りはなかったはずだ。(全ての生徒の絆ストーリーや全ての部活のグループストーリーを読んだわけではないので普通に私が知らないだけの可能性もある)それでもなおビッグシスターと強調するかのように他学園の首脳部から呼ばれるのは、「ビッグシスターと呼ばれていること」にメタ的な意味があるからなのではないだろうか。
ビッグブラザーという人物は、小説「1984年」の舞台であるエアストリップ・ワンのロンドン、及びオセアニアを支配する独裁者であり、B-B、偉大なる兄弟とも呼ばれている。ロンドンの街中には「ビッグ・ブラザーがあなたを見守っている(Big Brother is watching you)」のスローガンと共に黒い髪に黒い口ひげを貯えた人物のポスターが貼られていて、彼は自らの支配する土地における全てを知り、一切の反逆を許さない。これらのことから、現実世界では「ビッグ・ブラザー」という言葉は「国民一人ひとりの一挙一動を監視、統制しようとする政府、あるいは権力者」という意味の代名詞として使われることもある。すなわち、調月リオがビッグシスターと呼ばれているのは、彼女がドローンや監視カメラなどで生徒の一挙一動を見逃すことはないことや、独善的な行動を議会(セミナー)の了承を得ずに行ったことなどを強調し、彼女がミレニアムを支配する独裁者であることをプレイヤーにも暗示しているのではないだろうか。
以上のことから、私は調月リオがビッグシスターと呼ばれるのは彼女が作中で独裁者として扱われていることを示すためではないだろうかと私は考えている。