夏の終わりの尾瀬 | 2024年8月
この記事は、尾瀬が避暑地に最適だと信じて8月の終わりに訪れた時の記録です。
避暑がしたい
夏は毎年バテる私ですが、2024年の夏もそれは例外ではなく、土日だけでもどこかに避暑出来ないかと考えていました。そこで東京からある程度近くて気軽に行ける涼しい場所を調べたところ、出てきたのが尾瀬でした。
尾瀬国立公園といえば山に囲まれた湿原、沼、そして季節ごとの花々のイメージがあります。特に5-6月の水芭蕉が(私の中では)(日本酒の名前としても)有名です。
因みに花の水芭蕉は柔らかな白の優しそうな花ですが、日本酒の水芭蕉もかなりフルーティーで甘口の優しい味です。
避暑へ向かう
お盆最後の休日に早速尾瀬へ向かいました。車の運転が出来る友人を誘うことで交通の便が悪い場所にも行ける、これは都会に住むペーパードライバー達のライフハックと言えます。朝5時半に高崎を出発し、7時半前には尾瀬第一駐車場に着きました。
バスは1時間に1本しかないのでその時間に合わせて向かいましたが、実際には乗り合いタクシー(バスと同料金)が沢山いたので人が多い時期であればあまり厳密にならなくても大丈夫そうでした(とはいえバスの時刻表に合わせるのが一番安全です)。
乗り合いタクシーに揺られて30分ほどで鳩待峠に着きました。この日の東京の最高気温は34度でしたが午前8時の尾瀬は20度くらい、かなり涼しかったので長袖ヒートテックに長袖Tシャツを装備していざ突入します。
第一の恐怖:全力有酸素運動
今回私たちが選んだのは比較的初心者でも歩けそうな、尾瀬ヶ原をぐるりと回るコースです(鳩待峠→山ノ鼻→牛首分岐→竜宮→ヨッピ吊り橋→牛首分岐→山ノ鼻→鳩待峠)。下記リンクにあるTEPCOの尾瀬マップをダウンロードしておくと目安歩行時間などが分かり便利です。
そしてマップを御覧になった方なら分かりますが、このコースは平坦ではあるものの目安6時間ほどかかります。それでも私は普段から東京砂漠を散歩するのが趣味の女なのでいける、そう信じて歩き始めましたが……
老若男女全員歩くのがめちゃくちゃ速い。
私より30~40歳は上に見える方々にどんどんと追い抜かされていきます。途中から負けじと私たちもスピードを上げたのですが、もはや散歩ではなくしっかりとした運動です。そうして汗だくになりながらも何とか最初のチェックポイントである山ノ鼻に着いたのですが、時計を見たときに愕然としました。なんと、私の全力歩行はTEPCOの「目安時間」と同じだったのです……。
第二の恐怖:避暑ではない
全力で歩かないと日が暮れてしまう、そう危惧した私たちはヒートテックを脱ぎ捨てて山ノ鼻を出発しました。
そして早々に尾瀬が避暑地ではないことに気付きました。鳩待峠→山ノ鼻までは森の中を歩くので割と涼しかったのですが、山ノ鼻以降は湿原が続くため頭上からは日光、足元からはもわっとした蒸気が不快指数を上げてきます。帽子が必須であることは言うまでもありません。今更ですが、下記ページにある持ち物リストを参考にすると良いと思いました(東京よりも10度低いという言葉を信じて痛い目に遭いましたが)。
こうして私たちは直射日光と湿気に晒されながら、6時間ほどの全力歩行に励んだのでした。
しかし景色は良い
6時間の歩行も何もなければただの苦行です。しかし、そこは流石高度経済成長期にも大人気だった尾瀬ヶ原。空と湿原のコントラストが綺麗で、立ち止まっては写真を撮っていました(ただし、写真を見て分かる通り通路が2本しかないので人通りが激しいときに立ち止まるのは難しいです)。
また、木道は数年ごとに張り替えられているようで、端に設置年が書いてあります。板の設置年ごとに傷み方が大きく変わるので、観察しながら歩くのも楽しいです。
こうして風景を楽しみつつ歩いている間に何だかんだ歩ききっていました。というのは嘘で、普通に何度もギブアップしそうになりました(出来ないのですが)。途中座って軽食を食べられるようなベンチも置いているので、時間配分を気にしつつ適宜休憩を取るのが重要だと感じました。特に水分に関しては、自販機がそこら中にある訳ではないのでどのくらい持ち込むかが重要です。
このようにとても険しい道のりでしたが、写真を見ながら思い返してみると夏の終わりの良い思い出になりました。鳩待峠のバス停で食べたアイスクリームは格別に甘かったです。
そして、当然のように翌日に全身筋肉痛になりました。
おしまい。