シャニマスライブ"我儘なまま"のTRUE ENDを見たと言い張るライブレポ
※2023年8月公開記事を「アイドルマスター シャイニーカラーズ」noteシャニマス感想コンテストへ応募するため加筆修正しました。
2023年7月22日(土)、23日(日)にアイドルマスターシャイニーカラーズ 283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE『我儘なまま』が開催されました。本公演はコンセプト『ソロライブ』の通り、出演者26人全員がソロ曲を披露するライブで、"全員が主役!"で"彼女たち自身が思うアイドルの姿"を我儘に見せつけてくれたライブでした。
いいステージを届けたいからとパフォーマンスで魅せてくれる緋田美琴のLook up to the sky、誰にも負けないと意気込みステージを自身の色で染め上げた和泉愛依のGoing my way、佇む姿や細かな所作で残心を表す雅なステージを届けてくれた杜野凛世の常咲の庭など、様々なアイドルらしさの表現でステージを彩ってくれました。
一人一人、自分が思うままにわがままにアイドルの姿を表現してくれたので、わたし自身も彼女たちのステージを自分の思うままわがままに記録したい衝動に突き動かされ、二回目となるnoteへのライブ感想を書く事にしました。
その結果が『我儘のままのTRUE ENDを見た』です。
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本稿は、一人のオタクの妄想、幻覚のまとめになりますがお付き合い頂けますと幸いです。
彼女たちのわがまま
今回のライブの大きな特徴が、26人全員のソロ曲をドラマ仕立てで組み立てたセットリストです。シャニマスライブの特徴の一つに、文脈をのせて楽曲を披露できるところがあります。天塵とあの花のようにや、くもりガラスの銀曜日とトライアングル、アンカーボルトソングとAnniversaryなど、ゲーム内のアイドル活動で得られた感情が歌詞やメロディーにのって届けられることで感動を生むわけです。この楽曲の届け方を今回のライブでは、ライブ当日にアイドルの活動を見せ、文脈を構築して、感情を歌にのせて披露してみせたわけです。
アイドル26人が劇中の役になりきって、たった一人で作り出すステージは、彼女たちがなぜそこにいたのか、ステージに立つまでの経緯、何を届けたいのかなど、観客は知りえない内容なのに、簡単にそれらへ想いを馳せることができるほど、奥深さを感じられて感動を生む世界観を構築していました。
きっと生徒会ルカは初日の『神様は死んだ、って』歌唱で会場を盛り上げたようにそのカリスマで生徒を扇動し生徒会活動を盛り上げていったのだろうし、きっと二日目の新歓呼び込み大学生役の千雪、冬優子、美琴、恋鐘は大学生の楽しみ方や過ごし方をそれぞれのソロ曲で示しつつ、その後の『Killer×Mission』で披露したように裏ではバチバチの新歓引き込み合戦をしていたのでしょう。
彼女たちが表現したものは歌やダンスだけではありません。もう一つの大きな仕掛けとして、ステージ上空のレースのカーテンを使用した世界観の表現がありました。シャニマスに馴染みある落語の技法、噺家が扇子を自在に操り『箸』や『筆』、『刀』に見立てるが如く、レースのカーテンを三峰や真乃は『雨や虹』の天気に見立てたり、摩美々や咲耶は『色っぽいアダルトな間接照明』、まさかのVOY@GERでは『MVの転送レーザー』を再現する見立てを行い、ステージを好き勝手使って自分だけのステージを表現していました。
彼女たちが見せるステージが一つの世界観で構築されていて、アイドルと楽曲が成長していく過程を目撃できた、とてもたくさんの楽しみ方ができる素晴らしいライブでした。
雨の舞台演出を絵にしてくださった方がTwitterにいらっしゃいました。
わたしの我儘
ここまでの通り、筆者は今回のライブで表現されてた内容を好き勝手に汲み取っていますが、妄想することは楽しいのでこれでいいのです。
さらにここからは、わたしのわがままとして「我儘なままでみたTRUE END」について記したいと思います。
DAY1 TRUE END
初日のライブでは、多くの登場人物が『想いを伝える事』について彼女たちなりの形で表現をしていました。
ひななが先輩に告白して想いを伝えたように、卒業する生徒会が後輩に何かを残そうとしたように、生徒会長めぐるの挨拶が次期生徒会長にちかに届き、にちかもまた挨拶を伝えていったように、卒業生が居なくなる事を透自身が言葉にできず、何かを伝えられなかったように、登場人物のほとんどが自身の想いに向き合って何かを伝えようと表現していました。
この伝えることを表現したライブで、最後に真乃が雛菜に『好き』だと伝え、雛菜も『大好き』とこたえたドラマパートがありましたが、わたしはこのシーンがこれだけで終わってはいないのではないかと感じ取りました。
真乃は、恋愛ドラマに詳しい自分より大人な雛菜に憧れを抱いていたのか、告白を簡単にやってのける雛菜を羨んでいたのか、親愛なのか恋愛なのか、複雑な気持ちを抱えていそうでしたが、『好き』という言葉しか伝えていませんでした。
受け取った雛菜も、どこまで理解したのか本人にしかわからないですが、雛菜は雛菜の事しかわからないと考える雛菜は、あの言葉だけで真乃の気持ち全てを理解できなかったのではないかと、わたしは最後のドラマパートをこのように受け取りました。
この正しく伝えないと、正しく伝わらない事は、シャニマスがここ数年で描いていることです。そのため、このドラマパートで終わるのはシャニマスらしくないのではないか、なにか続きがあるのではないかと筆者は考えてみることにしました。
事実、DAY1はドラマパートの後も2曲の楽曲披露があります。カーテンコール前の『Let's get a chance』でチャンスをつかもうと歌い、カーテンコール後の『ありったけの輝きで』で「踏み出す自分をすきになろう」と真乃が何かを決断したような、やり切ったような表現をしていました。
そして一番不思議に思った部分は、キービジュアルの表情です。
背景が卒業式で、二人が左右に離れていく描写は別れを示唆するような内容になっていますが、真乃は満面ではないですが少し晴れやかな笑みをしていて、雛菜はなにか思い考えているような表情をしています。
『好き』と『大好き』を言い合った二人の表情としては、何かが足りていないのではないかと感じました。
これらのことから、真乃は卒業までに気持ちをちゃんと言葉にして告白したのではないかと考えました。
最後のドラマパートで「好き」という言葉しか伝えられなかった「あの日躊躇った臆病なわたし」を忘れなかった真乃は、例えそれが叶わない気持ちでキービジュアルで思わせられるような別れになるとしても、『ありったけの輝きで』で「踏み出す自分をすきになろう」と歌ったように、雛菜に全ての『好き』の気持ち言葉にして伝えることにしたのではないか、雛菜に想いを伝える我儘な告白ができたのではないかと思いました。
こんな告白があって我儘なままDAY1はキービジュアルのスチルにつながったのだと、ゲームの中でいうTRUE ENDになったのだと、声を大にして言わせてもらいます!!!!!!!
DAY2 TRUE END
二日目は三峰と夏葉が座長を務め、彼女たち大学生が悩み答えを出すシナリオでした。シャニマスのプロデューサーは大学生の年代の方をよく見かけるので、共感を得られた人たちは多かったのではないでしょうか。
二日目は笑っちゃうくらい、誰もが我儘な登場人物を演じていました。
夏葉はもちろんの事、好き勝手な学生生活を送る同級生(甜花ちゃんはゲーム発売日に大学をサボる説があって笑いました)、自身の音楽性を一切譲らなかった音楽メンバーなど、三峰以外の全員が我儘だったのではないでしょうか。
でもだからこそ、『自分がどうしたいのか』、『どうしたいのかだけでいい』というメッセージを物語で強く訴えかける事ができたのだと思いますし、最後の曲で自分の理想を歌い示す夏葉の『Damascus Cocktail』がぴったりな披露になったのだと考えます。
さらに、カーテンコール前ラストのソロ曲披露となった『わたしの主人公はわたしだから!』が大きく成長を遂げていました。この曲は、小糸ちゃんが自分自身を応援するイメージが強く、初日の披露では会場全体が小糸ちゃんを応援していたように感じられました。
しかし、二日目のラストで披露されたときには意味を大きく変えていて、劇中の三峰を応援するかのように、小糸ちゃんと観客が全員一丸となって三峰に主人公でいてほしいと応援を送っていました。
もっと言うと、我儘なまま両日登場人物全員が主人公だから!と強く訴えかけられるくらい、納得の楽曲披露になったと思います。
キービジュアルでは並んで座る三峰と夏葉の姿がありますが、DAY1の2人と同様に彼女たちは別々の道に進むことが決まっています。けれど、そのままの自分でここに居るだけでいいのだと、それだけで隣り合う事はできるのだと、物語を総括した晴れやかに描かれている素敵なイラストになっています。
そしてこのキービジュアルには、主役の三峰と夏葉だけでなく、“隣り合ういくつかの席に座る名もなき誰か"も描写されています。私はこの描写も偶然では無く、“ただそこに自分として居るだけでいい"という物語のメッセージとして描かれているのだと受けとりました。このメッセージはキービジュアルと同じように、会場に集まっている観客や配信で見ている観客にもあてはまり、みんなそれぞれ別々の人生を歩んでいきますが、一人一人隣り合いながらも、自分たちが主人公だと思える、素晴らしい物語の終幕を迎えることが出来たのだと思います。
終わりに
とても自分勝手でわがままなTRUE ENDとなりましたが、シャニマス脳のオタクはカードスチルが表示されると、そこにはどんな物語があって、どんな終わりを迎えるのか考えるのを辞められない生き物なんです。
一人のオタクが『我儘なままに』でこれだけ楽しんでいる事が伝わっていれば幸いです。
ここまで長文の感想を読んでいただき、ありがとうございました。
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