90's Faye Wong とミニマリズム
90年代初期から90年後半にかけて王菲(ワン・フェイ)が漂わせた、独特のミニマリズム、モード感に惹きつけられます。
王菲。
日本ではフェイ・ウォンの名で知られる中国出身の香港の歌手、女優。
ウォン・カーウァイ監督による映画『恋する惑星』や『ファイナルファンタジーVIII』の主題歌「Eyes On Me」、
日本のドラマ出演や武道館公演でのライブなど、
中華圏のスターとして日本でも高い知名度を誇る香港の歌姫、
フェイ・ウォン。
中華圏では王菲(ワン・フェイ)さんです。
大好きな王菲を個人的な視点で綴りたいです。
■前衛的センスとミニマリズム
冒頭にある通り、90年代初期〜後半。
おそらく1994年、そして1999年に掛けての王菲というのが、自分の中での最重要なポイント。
この時期に彼女が体現したアティチュード。
ファッションの観点におけるストリートとモードの解釈、アートに対する考え方、
ミニマリズム、独創性…
この令和5年の現代において、
私の中のY2Kヴァイブス、ノスタルジーにこの時代の王菲のモード感がめちゃくちゃ刺さります。
90's Faye Wong です。
90年代、当時ヨーロッパでモード界に新しい波を巻き起こしたメゾン・マルタン・マルジェラ、
アン・ドゥムルメステールを始めとする「アントワープの6人」のコレクションをアジア圏ではいち早く自らの衣装に取り入れ、
中華圏におけるファッションの先駆者として名高い90年代の王菲。
ミニマリズムの代名詞とも言える90年代ヘルムート・ラングを度々着用し、マルジェラに関してはエイズ撲滅Tシャツを当時からワードローブに取り入れる忠実なマルジェラのファン。
最小限に削ぎ落とされた彼女の洗練された当時のスタイリングは正にベーシックかつミニマル。
ハイエンドを纏いながらも、
ラグジュアリーに偏らない絶妙なバランス感覚に私はたまらなく"粋"を感じてしまいます。
自由なモード感に化粧やヘア・アレンジ、
その佇まいに自分流の個性や感性をしっかり漂わせるのが90's Faye Wong.
とにかく独創性が半端じゃないっす。
ミニマルでいて、アバンギャルド…
90年代にリアルタイムで王菲を体感した世代ではないのですが、
時代を考えると、めちゃくちゃ前衛ではないかと最近思い始めています。
カッコ良すぎて震えてしまうのです…
■惹きつけられるサッドコア
彼女の代表曲でもある「夢中人」や「紅豆」、
「你快乐(所以我快乐)」、「Eyes On Me」など王菲のポップスには素晴らしい曲が沢山あるのですが、
彼女が歌う暗い曲やダウナーな雰囲気のロックが個人的に好きで、
中でも「情誡」という曲が一番のお気に入りであります。
雰囲気たっぷり、最高にクール…
憂いや退廃を感じる「百年孤独」や『唱遊』の一曲目「感情生活」は雰囲気的に正にツボで、
Cigarettes After SexやLana Del Rey、Fiona Apple等の雰囲気が好きな方はきっと気に入って下さると思います。
今の時代においても、永遠のスタイルアイコンとして現代に強烈なインスピレーションを残す存在。
それがフェイ・ウォン。
王菲。
フェイは偉大であります。