転職活動をしようとして、自己肯定力を上げようとした話
これはキャリアコーチングサービス「マジキャリ」を受講した体験記となる。転職活動というよりも、自分の中の思考の癖を見直したという事が主な内容だ。
また、ここで書いておきたいのは、現在転職はしておらず今のところ現職に留まることを決めている。
転職しようと思ったきっかけ
「絶対に辞めてやる」と思ったのは去年の11月の終わりぐらいのことだった。
営業が持ってきた案件の対処を事務方の自分がし終えた後のあの時を、私はおそらく忘れることは無い。
ざっくり言うと営業が対処しきれなかったことを事務方の自分が対処して、報告に行ったらその営業からありがとうの言葉もなく勉強になったでしょ発言をされた、ということがあり。
そもそも、とりあえずやっつけで作られた部署なのでどんなことをするのか明確に決まっておらず、当初別部署に配属予定だった自分を専属の上司もいないまま放り込み。ほぼ仕事という仕事は無い。発足時よりはどうにか作って仕事は増えたがやはり少ない。それから約3年。その間に同僚が辞める際に引き継ぎは皆無でついでにデータを全部消されたりしながらやってきて、先のことで色々と溜まっていたものが噴出したと今では思っている。
ここで私は定年まで過ごすのか?誰も何も言ってもくれないというのに。このまま何も無いと思いながら仕事をしていって私は一体何になるのか。
そこまで考えて至った言葉。
「絶対に辞めてやる」
ただそれだけだった。
転職しようとしたのは良いものの
さて、転職をしてやると決めたのはいいものの恥ずかしい話だが自分はまともな転職活動を行ってきていない。
大学時代の就職活動は色々と説明会にも行ったりもしていたが、そもそも自分は何をしたいのかや何が出来るのかという自己分析もまともにしないままやっていた。
大学時代は教職やら取れる資格の講義を取れるだけ取っており、それなりに忙しくはあった。しかし時間を作ろうと思えば作れたはずだ。結局私は自分に言い訳をしていたのである。
当たり前だがそんな状態で受かる訳もなく。説明会に行って面接まで行って落ち、また説明会に行き……の繰り返し。
そろそろまずいなと焦り始めたあたりで、たまたま見かけた自衛隊のブースで話を聞き、そこで「あなたのような人が欲しい」という言葉に求められているという安堵と、疲れてきた自分はもうここで良いやというまま入隊。
(あの時は大学卒業までに就職をしなければという焦りしかなかった。今から考えると卒業した後でも良かったのではと思ったりもしている)
約2年ほど勤め、次の就職先を探して――となる訳だが、このあたりは自衛隊でいくつか就職先の候補があり特にこだわりがなければそこから選んで面接等々行い就職という形になる。
(※実際提示された企業を選ばず、自分が行きたい業種に進んだ先輩も知っているので、それが全てではない)
というわけで今の職場はそこから選んだ職場である。SPIテストや面接は行ってはいる。だが、職場に対してこんなことがしたいだとかそういったことはしていない。
そんなわけで、私はまともに就職活動という就職活動を行ってきていない。
転職をするにあたり、転職活動は必須である。果たして自分はまともに就職活動が出来るのか?という疑問と不安とが混ざり合った状態で、どんな転職サイトを選べば良いか彷徨っていた。
そんな時に見かけたのが、「マジキャリ」という存在だった。
マジキャリとの出会い
ほとんどの人は自己PRや自己分析をやったのではないだろうか。
私はそれが非常に苦手だ。何よりも自分が自分のことをよく分かっていないからである。それに加えて自分は自分への評価がほぼ底辺に近い。何とか書こうとするが、手が止まってしまう。
良いところ?あるわけが無い。やってきたこと?何も無い。アピールなどもっての外だ。
まずいとは思っているのだがどうしても思いつかない。これをクリア出来ないとこのまま一生転職活動が出来ない!!
そんな焦りも覚えつつ「転職サイト おすすめ」とか調べながらあるサイトを見たのが始まりである。
キャリアコーチングという聞き慣れない言葉であるが、その中に書いてあった「自己分析を通してやりたいこと・強みが見つかる」という言葉に強く惹かれた。
「ここで自分の自己分析が出来るのではないだろうか」そう思った瞬間である。
とりあえず色々と見て回ってから決めようと評判なども調べてみた。正直、迷うところはあったのだがその当時、本当に腹が立っておりこの状況を打破できるのであれば良いと思っていた。渡りに船だ。
そういったことに対する腰は非常に軽いので、すぐさま申し込むことにした。
主に自己分析をしたいと思っていたのでキャリアデザインコースを考えていたが、就職したい欲が非常にあったので自己実現コースを選択。
マジキャリいざ実践
卒業に向けて設定した目標は次の通り。
①起きる前のことに対していつも不安に支配されてしまうので、前向きに、なんとかなる。と思えるようになること。
②自分の感情がなぜ発生しているのか、その感情の慰め方(抑え方)がわかるようになること。
転職とはほとんど関係の無いようなことかもしれないが、自己分析が主な目的でもあったので自分を知るということでこのような目標を決めた。
目標を決めたあと、自分の思考の癖などを引き出していったり自分のなりたい人物像や未来を考えることを行っていった。
・転職したいと思った理由
・家族や家族からの影響、また周囲からの影響
・現在自分はどういう気持ちであるのか
・未来像
などなどなど。ここには書き切れないほどのことを書いてコーチと共有し、質問されて答えてそこからまた考えてということを繰り返して自分がどんなことを考えているのか、どうしたら自分は満足するのか。そういったことを決めていった。
そこでどうやら自分は自分に少しばかり厳しいということと、自分の感情をとりあえず制御していってしまっているということを知る。
自分の思考の癖
私は特に完璧主義ではないと思っている。
ただ、自分の中で「出来た!」と思っていたとしてももう一人の自分が「本当に出来たと思っているのか。その程度で」とか「他の人はもっと出来ているし努力をしている」とか言ってくる。
私は私をそこまで好きでは無い。それは仕事にも現れてしまっていて、失敗をすれば「やはり駄目だっただろう」と思うし、上手くいっても「それは当たり前のことだ」と思う。
そこでそんな自分を褒めるためのこととしてセッションの度に「どうしたらその思考の癖を直すことが出来るか」を考えて実践することをしていた。
最初は出来たことに対して、「すごい!頑張った!」と褒めることをして、自分の行動に対するもう一人の自分の声をかき消すことを行っていた。
だが意外と褒めるということは難しく、しばらくやった後に「今日自分が出来たこと・やったこと」を書き出すことにした。これは毎日することを目標に実践したし、現在でも今日出来たことを考えている。
これは結構良くて、「今日何も出来なかった」という感情になるところに「いや今日はこれをしたから」ということが一つあるだけで気持ちが全く違う。
もう一つ、自分の感情を制御しがちであるという思考の癖だ。「そんなことは思ってはいけない」とか「そういうものだからそう考える自分が間違っている」など、自分の中に出てくるモヤッとしたことを「どうしてそう思ったのか」ということを考えないまましまい込んでいた。
これの何が大変かというと、自分に発生したこの感情の理由が分からないと「何となくイライラする」とか「良く分からないけど悲しくなった」とか「何故かそれに対してイラッとした」とか、自分の中で動いた感情が「分からない」まま不完全燃焼として自分の中に溜まっていく。
積もり積もったその不完全燃焼の感情は、何かで爆発して発散させない限りモヤモヤとした状態でそこに残り続ける。それは案外精神的にしんどいものだということに気が付く。
そこで実践したのはジャーナリングである。日々の生活の中で自分の中でモヤッとしたこと、自分の感情が動いたこと、そういったものを書き出すことを行った。
ジャーナリングで書いたものをコーチにLINEで共有し、コーチはそれに対して質問をする。「何故そう思ったのですか」であったり、「どうしてその感情が出てきたのでしょうか」といった、自分の中の浮かんできた感情を紐解いていく質問に対して、一体自分は何故?というトレーニングを行った。
最初は何も思いつかず、イラッとしたのはイラッとしたからだということしか無かった。しかし、質問の中で「このことに対して思った感情は?」といった答えやすい質問をしてもらったおかげであるのか、最後のあたりになると何故自分はそう思ったのかということを考えるのがそこまで苦でもなくなってきていた。
セッションの8回目あたりから、自分は自分に対する感情が変わってきていることに気付く。
※転職活動についてのセッションは、一度考えてみたは良いものの少し考えて今の職場に残ることを選択したので割愛する。
マジキャリを通して変わったこと
現在、私は転職はせずに現職にいるという選択をした。これは後々変わっていくかもしれないがそれは一先ず脇に置いておく。
私は私のことはあまり好きでは無いということを先に書いた。それはあまり変わってはいないのだが、最初に目標としたものは達成できている。
①は、これまでの「自分が出来たこと」を書き出すことをしているうちに、「いや自分頑張ったしな」ということを思えるようになっていった。
出来ていないことを言ってくる自分と、未来について不安になる自分はほとんど一緒であると思っている。出来ていないという言葉は、自分を褒めるというワークをすることによって少しずつ減ってきている。意識が少しずつ変わってきているのだと思う。
②は、ふと苛立ちを感じた際に、「アレ?何かイラッとしているな?どうしてそう思ったんだろうか」と考えることを意識して行っている。
答えは出ないことが多い。だが、このワンクッションがあるだけで自分を客観視してイライラしているな、とりあえず寝るか。といった対処を考えることが出来るようになった。
今までは分からなかったので、このイライラを家族に対して表に現してしまっていることがほどんどだった。そんなことをする自分も嫌であるし、ぶつけられた家族も嫌であるから良い所など一つも無い。それが少なくなっただけでも大いなる進歩だ。
これらを自覚することで、私は私を好きになるための一歩を進むことが出来たのではないかと確信している。
最後に
結果として、私は転職の選択はしなかった。だが、自己肯定を上げることの練習をすることが出来た。
辞めてやるという気持ちから偶然にマジキャリを知らなければ、私はこのままずっと自分に対して厳しくあり続け、感情も抑えながら、そして身近な人に感情をぶつけながら生きていたのかと思うと今から考えると少しばかり恐ろしい。
そう思うようになれたのは、ひとえに約2ヶ月の間お付き合いいただいたコーチの村山様のおかげである。
私のぼやぼやとした言葉の連なりを、上手く言語化していただき私も知らなかった様々なことを知ることが出来た。長い話にも付き合っていただいたりもしたし、感謝してもしきれない。
それと同時に、自分なりの考えをまとめようとしてうんうんと唸っていたのでかなり待たせたり頓珍漢なことも答えた。そのあたりは本当に申し訳ない気持ちしかない。
話が長くなってしまったが、私はこれまでを通して転職活動のための極々初歩的な自己分析を徹底的に行ってもらった。その甲斐もあって、これから私はどうしたいのかを考えるきっかけにもなることが出来たし、自分に対する自信を上げることが出来た。
そして私と似たような人がいれば、少しでも自分について自信を持つきっかけになってくれればと思っている。