留学日記1

社会とは変な生き物である。ミミズのように人々が細胞として集い、人間個人単位は「社会」というものに大きく影響を受ける。そのミミズは行先を左か右か、息をしながら時間軸を進む。

その昔、ロックはいった。タブラ・ラサ、つまり人間は白紙であると。コロンブスの卵の比喩はよく言ったものだ。今考えれば私も白紙だと思いつく。

2023年の春、私は韓国にいた。木の揺れる様を見て、己の人生を見て、自分を客観視して、大人になりきれない自分に反吐がでながら時を過ごしていた。

風で木が揺れ、葉っぱが音を立てる。私は人間が大嫌いだ。醜く、利己的で、環境に影響される生き物なのに、客観視することは容易ではない。夏になりかけの春の風は、20代という過渡期を生きる私のようであった。

新緑の香りの中、1日を過ごしていた。


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