2022年ノーベル文学賞について
10月6日(木)に発表されたノーベル文学賞は、アニー・エルノーという作家だった。不勉強ながら知らなかったが、受賞の発表を見た後でAmazonで翻訳を探してみると、数冊翻訳が出ているらしい。
見つかったのは、『シンプルな情熱』『嫉妬』『場所』『ある女』などの作品。ここ二年ほどは、ノーベル賞が発表されても邦訳がそもそもない状態だったが、今回は結構そろっていたようだ。見た範囲では、ほとんどが古本だったため、現在日本で読まれている作家というわけではなさそうだけれど、受賞をきっかけに再版がかかってたくさん売れるのだろうと想像した。
今回はそれほど待たないで読めそうだったが、古本の『場所』がまだ注文できそうな感じだった。早く手に入るならと、注文してみたが、残念なことに、翌日、在庫切れの連絡が入った。やはり、受賞と同時に作品を購入しようと考える私のような人が一定数いるのだろう。最初に注文できたのも、もしかしたら殺到する注文にシステムが追いつかなかったのかもしれない。
驚いたのは、発表から一時間も立たないうちにAmazonで新品の予約注文ができるようになったところだ。やはりノーベル賞受賞の効果は大きいと感じた。とりあえず予約できた『シンプルな情熱』が届くのを楽しみに待つことにする。
中継で受賞理由なんかを聞いていると、なんとなくどんな作家なのかわかった気になってしまうということがよくある。しかし実際に読んでみると色んな要素があって作品のイメージがだんだん変わってくる。そうして、自分の言葉で作品のイメージをつかむことができたときなんかは、いい読書だったって思う。もちろん途中で挫折して積読本になることも多くて困ったものなのだが。そうならないことを祈りたいと思う。