名古屋をどりNEO傾奇者・ゲストの方々④
スペシャルゲスト、すみれさんは、ご自身がとてもフレンドリーな方ですが、舞台に出てくると、本当に美しく、場の空気が澄み、私たちを魅了させる演技、歌を披露して下さいました。
物語の中で、最後は、サンザさん演じる音次郎と幸せに暮らした…?
…のではなく、すみれさんが演じた、ビオラと言う人は、荒れてしまっている場所に現れる、女神なのかもしれない…ということなんですね。
三羽ガラスの中で、1人だけ、足並みを揃えたくない音次郎のもとに現れて、彼の人生の家族を作らせる。
そしてちゃんと、ほかの2人の元に引き寄せる。(実はいない人だったのか?)
ご存知の方は音次郎が、防空壕で、何でもない紙を戸籍謄本として読み上げる…と言うところをわかって下さっているかもしれません。(ここは、音次郎の心の中の師匠が、勧進帳を演じてる。)
本田さん演じるしげるが、慰問隊に出て、どうしようかなぁと思ったときに、師匠が面影として出てくる。
それに対して、本田さん(しげる)は、多分それが夢や面影だと気づかずに一緒に踊っているのでしょう。
音次郎の心の中、しげるの心の中にある1番大切な師匠との関わりを作ってあり、
実は、佐藤匠さん演じる猛の心にも、やはり面影のような師匠が出て来て、自分の人生は、自分で考えろと教える…。と言う場面があるのですが、ここは時間の都合等々によりカットされてしまいましたが。私は好きな場面でした。
当時、芸事を生業にしていた人たちにとっても、1つ、大きな"戦争“というもので、今まで当たり前のようにあったものができなくなったりなくなってしまう。それは決して特別なことではなくて、今の私たちにも起こり得ること。
そんな中で、踊りでつながった家族である、西川流は日本舞踊を通しての家族として、今の時代も、何かあったら助け合うんだよと。
同じことをやっていれば一体感が生まれる。お互いに協力しあって前を向いて歩いていけると言う実話をもとにした(私たちがずっと教えられてきた)教訓が、
今回の作品のテーマのひとつでありました。
西川陽子