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「街の一部」になった日

12月を迎え、寒さのギアがまた一つ上がった。

そんな中での仕事になった場合、僕はある『ルーティーン』をよく実行することにしている。

警備の白手袋をした状態で、左手の掌で右手の甲を「パチン」。続けて右手の掌で左手の甲を「パチン」。これを交互に何度か繰り返す。

これをすると、「よし頑張るぞ」と不思議と力が漲るのだ。


つい先日。興味深いことがあった。

ご年配の男女お一人ずつが、僕のポストの前をニコニコ笑って「パチンパチン」やりながら通り過ぎていったのだ。

お二方は、私の前を通り過ぎていく『常連』。どうやら僕の仕草を何度も見ているうちに、モノマネをしたくなってしまったようだ。

「(同じ日に2人にモノマネされるなんて。今日は『パチンパチン』は抑えめにしてたんだけどな)」

と心の中で呟きながら、思わず笑ってしまった。


以前なら

「そうやって、人の仕草をバカにしやがって」

と心中で怒っていたように思う。

でも、今回は違った。

「僕のこの仕草も『街の風景の一部』として認識されたのかなあ」

などと、むしろ喜ばしく感じたのだ。

人の感情とは不思議なものだ。僕はこの仕事がよっぽど好きなのだろう。

また一つ、この仕事が好きな理由が増えた。明日も『街の風景の一部』として「パチンパチン」させながら仕事を頑張ろうと思う。

たまにモノマネされるのも悪くない😃

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