第26回『凶暴ホスト狂夜が腹心の幸太郎へ暴力行為! 僕がとった行動は…』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
前にマクドナルドでバイトしたときに「完成されたシステムに感動した」と書きましたが
僕は昔から構造的に物事を捉えて、分析するのが好きなたちなんすね。
俯瞰で観察しシステマティックに思考する力は、今、色々なお店を経営する際にもかなり役立っています。
だからなのかホストとしてデビューした後、数年でお店全体の立て直しや「このポストで力を発揮してほしい」と頼まれる機会が多かったっす。
2004年の4月、僕の所属していた紫苑グループが新しい店『CLUB LEIZE】を出すことに。
ところがほどなくして店長が飛んでしまったんす。
しかも商売繁盛の今宮戎の十日戎の日に全員でお参りに行く途中っす!
「店長飛ぶって何が商売繁盛やねん?」と思ったっす!
念のため補足しておくと、飛ぶというのは「無断でいきなり仕事を休んだり、急に辞めたりすること」という意味っすね。
お水の世界や、お笑い芸人の世界ではふいに飛ぶ人がいるので「あいつ飛んだらしい」みたいな話をときたま耳にしますね。
急遽、力という後輩が店長になったんすけど、彼はめっちゃ優しいやつでした。
歴も浅いしグイグイ、リーダーシップを発揮するタイプじゃなかったんすよ。
そこで力のサポート役として、僕に白羽の矢が立ったわけです。
2005年の2月から力が店長を務めるレイズに移籍し力を入れました。
ちょうどこのタイミングで源氏名を、難波拓真に変えたっすね。
組織のトップに立ち、全体を仕切るのはたくさんやってきたので、そのポジションや役割には慣れてたんすけど、二番手でトップを立てながらバランスを取るというのは、また勝手がちがうんすね。なので、めっちゃ勉強になったっす。
あくまで立てるのは、その店の店長。僕は陰ながら支えるという役回りでした。
移籍したので紫苑の方へ顔を出す機会はぐんと減ったんすけど、そっちの店である日、事件が発生。
腹心の幸太郎が、へまをして狂夜にボコられたんす。
この時代のホストは元ヤンだらけ。アウトローが多かったんすよ。気の荒い奴は、頭に血が上ると次の瞬間にはもう手が出ているって感じだったっすね。
殴られた直後の幸太郎は、一世を風靡した格ゲー『ストⅡ』の負け顔くらい、無残に顔が腫れてたっす。
「どつきすぎやろ!?」とは思ったんすが、このときの僕は「幸太郎が狂夜を激怒させるくらいのことをしたんかな?」くらいにしか捉えてなかったんすよ。
現場へ足を運び幸太郎を連れて帰ろうとする僕に狂夜は
「なんすか!? 拓真さん」
と、つっかかってきました。
敵討ちでもめるとかもダサいし、
「行こや、幸太郎」と冷めた目で無視して帰ったのを覚えてるっす。
でも後日、狂夜に「拓真さん、なんであんとき俺のことを叱ってくれなかったんすか」と嘆かれました。
幸太郎に手を出した狂夜も、実は「俺、やってもうたやん…」と罪悪感を覚えてたみたいなんすよね。
でもプライドがあるので、自分から幸太郎に「悪かった」と頭を下げるのは難しい。だから一応、狂夜の兄貴分だった僕がシバいてでもいいし、彼にガツンと言ってあげることが、狂夜や全体のためになったんやなと学びました。
ホストは「相手の気持ちを汲み取れてなんぼ」です。だからこそ、普段から周囲に関心をどれだけ持てているかが問われるんすね。
僕は『幸太郎フルボッコ事件』から「お客さんだけじゃなく、一緒に働く仲間やスタッフの気持ちをもっとしっかり汲み取れるようにならんとあかん」ってことを学びましたね。
それからは今まで以上に、人の心へ関心を向けるようになったっす。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
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