第68回『幸太郎が大阪ホスト界の「ヘルプ王」に上り詰めた話』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
ちょくちょくこのnoteに登場する幸太郎ですが、今回も幸太郎の知られざる一面を暴きます。
幸太郎と出会ってから、もう20年くらい経ってるので、やっぱり幸太郎がらみのエピソードって、まだまだたくさんあるんすよね。
一見シュッとしている幸太郎っすけど、ビジュアルとは全くちがう「歪な面」を持つ不可思議な男でして、今日は少しでも幸太郎の謎に迫れればと。
今回書くのは、幸太郎が大阪ホスト界の「ヘルプ王」に上り詰めた話。
20代の頃、『紫苑』というホストクラブのグループが160坪の超大箱に拡大移転することになり、系列店の主力ホストが集められました。
僕と同じLeizeという店で働いていた秀吉や力は、エースホストっすから新店に招集されて働くことになり、その頃から彼らとは疎遠になりましたね。
「お前やったら、なんとかできるやろ?」と、僕は主力の抜けたお店の切り盛りを託されることに。
当初「全員足しても10人に満たないメンバーで、どないせえっちゅうねん!」と思わなくもなかったっすけど、僕は切り替えがクソ早いっすから「さて、この面子をどうマネージメントしようか?」と考えました。
当時、幸太郎は黒服でしたけど、もともとキャストとして入店してきたこともあり、ヘルプができるんすよね。
なので迷うことなく、幸太郎をヘルプにすえました。
補足ですが、ホストクラブのヘルプとは、担当ホストと一緒にテーブルに着いて、接客のサポートを行うホストを指します。
僕もホストとして働き始めた際は、ヘルプにつきながら働き方を覚えました。
人気ホストともなれば、ずっとひとりのお客さんについてられないことも。「ごめん、ちょっと行ってくる」と席を外すことは、あるあるなんすよね。
そのときに場をつなぐのが、ヘルプの役目っす。
他にも
・お酒を作る
・煙草に火をつける
・会話の聞き役に回る
などの仕事があります。
幸太郎は「お前、ヘルプをするために生まれてきたんか⁉」と言いたくなるほど、ヘルプが上手いんすよね。
ヘルプは間ができそうな場合、気を使って話題を振ることが多いんすけど、幸太郎は地蔵のように無言状態になっても相手に気まずい思いを全くさせないんすよ。
これはマネしようと思ってもできない、特殊な才能っすね。
当時、ヘルプ指名制度というのがあって、ヘルプをお客さんが2,000円払って指名することができたんです。幸太郎がヘルプに入ると、ヘルプ手当で一回1,000円が支給されてました。月間のヘルプ手当の合計が10万円を超えたこともあったんで、一か月で100本のヘルプをしたことになります。
お客さんにとって担当ホストは愛着の強い存在ですから、一緒にいるときだけで刺激を得られます。
でも強い刺激が続けば人間は、必ずどこかで一息つきたくなるんすよね。
そんなときの幸太郎なんです。
喫煙者が煙草で一服するように、お客さんは幸太郎を求めるようになりました。
そのうち、おかしな現象が発生。
幸太郎がヘルプにつけないときは「え~~!! 今日、なんで幸ちゃんいてへんの?」とクレームが入るようになったんです。
そして、担当のホストがそれをなだめる。これって珍風景なんすよ。担当ホストが不在で文句を言われるのを、ヘルプがなだめるのはわかりますが、それと正反対なんすよ。
僕も長年この業界に身を置いていますが、この特殊な逆転現象を他で見かけることは、ついになかったっすね。
水商場は感情をフル動員する「感情労働」と言われる面が色濃くあるんすけど、幸太郎はどんだけヘルプについても擦り減りませんでした。
ヘルプについているときの幸太郎を観察していると、しっかり話を聴いてますし、タイミングよく相槌を打ってるんすよ。
でも僕は、幸太郎と長年いるからわかるんです。
あいつには心がないってことを。
共感しているわけでもなく、ただ自然体で植物のようにそこへ佇むことができる、それが幸太郎という怪物なんすよ。
幸太郎のヘルプ人気のおかげで、お店は上手くバランスがとれて回るようになりました。
僕は得意のマネージメント能力を発揮して、部下を一人前に育てて、安定した利益を生み出せるようになったっすけど、そこには幸太郎のヘルプの影響も少なからずあったっすね。
幸太郎のヘルプ話には、後日談があります。僕がこの前、幸太郎に「前みたいな一か月100本ヘルプ、またやりたいと思うか?」って聞いたんすよ。
そしたら、めっちゃスッキリした顔で
「もう現役やめてそのスキルは失いました。今はお客さんに作り笑顔もする気ないし興味も持てません」
とまるで5年連続NO.1だったホストが全てやり切って引退した時みたいなセリフを口にしやがったんです。
そもそもお前現役ちゃうし、ずっと他のホストのスネかじってただけやからな!
調子乗んなよ!!
今日は、幸太郎がヘルプ王に上り詰めた話を書きました。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!